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ある日熱中症で搬送されるかも

夏になると熱中症で救急搬送される人がたくさんいます

ほとんどの人は熱中症の危険性や予防法について知っているにも関わらず、熱中症で搬送される人は多く、熱中症で亡くなる人のニュースを毎年見聞きするかと思います。

なぜでしょうか。

私のこれまでの経験などからそのヒントを探して行きたいと思います。

熱中症の基本的な知識についてはこちらを参照してください。

自分の経験を振り返ると、私も熱中症だったかもしれないという経験があります。学生時代に野球部に入っていたのですが、その練習中に起こりました。

とても暑い日で、外野の守備練習をしている最中になんだかボーッとしてきました。そしてだんだんフラフラとしてきて立っていられなくなったのです。

それに気づいた先輩が「あいつ、やばいぞ。日陰で休ませろ」と休ませてくれましたので事なきを得たのですが、そのまま練習を続けていたら危なかったかもしれません。

当時熱中症の認識は今ほどは広がっておらず、練習中の水分補給は1回の休憩時間のみでした。そして用意されているのは麦茶で小さい紙コップのみでした。

先輩たちはおかわりしたりもしましたが、後輩という立場では難しく全然水分としては足りてなかったのです。

練習が終わって帰り道にスポーツドリンクを買い、500mlをがぶ飲みした時にはとても美味しく感じ、まるで生き返るような感覚でした。

私の熱中症(のような)体験を振り返ると

①水分が足りていなかった 

②熱中症の予防として飲料はイオン飲料を使うべきだった

③炎天下の練習は避けるべきだった

これらが問題点として考えられます。水分摂取をする事、また水だけでなく塩分を含んだ飲料(経口補水液)を用いる方がいいことは比較的一般的になっているかと思います。

ただ炎天下の練習は避けられているでしょうか。環境省の熱中症予防サイトでは暑さ指数 (WBGT)が高い場合・・31度以上の場合、原則運動を避けるように推奨しています。このような目安もぜひ浸透してほしいと思います。

当時思春期で体力も十分の若者でしたので、自分は大丈夫だろうと油断していたことは否めません。診療の中でも「自分がなるとは思わなかった」という人は多いです。

例えば、室内だから熱中症になるとは思わなかったということは多いです。

室内でも熱中症は起こり毎年たくさんの患者さんに出会います。締め切った体育館は蒸し暑く、部活や体育の最中にしんどくなった学生さんが集団で受診することもあります。

クーラーを付ける習慣がなく、蒸し暑い室内で熱中症になる高齢者の方も研修医の時にはよく経験したものでした。

「水はこまめに飲んでいたんだけれども・・・」と言うものの、詳しく聞くとお茶だけだったり、量が足りていなかったりと言うこともあります。

昨日熱があったけど、今日はなかったので外で体育をした。というように

そもそも風邪など体調不良がベースにあることもありますね。

熱中症は対策をとることによって多くは防ぐことができるはずです。

人間はついつい「自分は大丈夫」と考えがちです(私の学生時代のように)

「水さえ飲んでいれば大丈夫」などで他の対策が不十分だったりします。

日頃の体調管理、暑さ指数が高いときは運動を避ける、クーラーを使う、水分はこまめに十分にとる、水分はイオン飲料を用いる、帽子などひよけをする、日陰に入る・・・

など複数の対策を組み合わせることが大切です。

熱中症の情報に目を通していただき、「まさか自分が熱中症になるとは」と言う状況をできるだけ減らしていただけたらと思います。




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パパ小児科医
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