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「詰まない」と思えることが必要

クリニックのある伊賀市の、県立あけぼの学園高校は全国的にも珍しい「美容部」(Beauty Create部)があります

美容部には美容師を目指す高校生が集まっていて、
シャンプーや髪を巻く練習(ワインディング)、接客の練習など

かなり実践的な内容で、実際にお仕事で役立つ技術を学んでいます。

美容専門学校とダブルスクールなどもして卒業とともに美容師の国家資格の取得を目指すそうです

また企業と協力して、シャンプーや手に優しいアルコールハンドジェルなどの商品開発もしており、地元の名物的な存在にもなっています

今回、私は地元のクリニックの縁でこちらの美容部を見学させてもらうこととなりました。

高校とういうものの中に入るのは10何年振りだったので、ちょっと緊張しました。

部室に入ると、練習用のマネキンが並び、こんな風にシャンプーをする台もあって本格的な印象です

部室では部員の皆さんが髪を巻く練習をしていたり、新しい企画の案を練ったりしていました。

顧問の先生と部員の生徒さんに話を聞かせてもらったところ

この高校ではこの部活をするためにくる生徒が多いそうです
部員はおよそ100人ほどもいるとのことでした 

「将来美容師になりたい」という夢を持って

遠方から来る生徒もいるようです

部員さんは熱心な様子で取り組んでいて

私が投げかける質問にも堂々と答えてくれました

「美容師になりたいです」
「大会に出たり、自分たちで企画したイベントもしています」

明確な夢を持っていて迷いがないという様子で、

企業と共同作業することで、大人ともやりとりすることが多いのでしょう。
しっかりして大人な印象でした。

自分が高校生の時を思い出してみると、あまり明確な夢もなくフラフラとしていたように思います。大人と接する機会もあまりないのでもっと幼かったと思います。

一般的な大学生は22歳で働き始め、医学部生が医者になるのは早くても24歳である一方で、
部員さんたちは高卒後すぐ国家資格を取って働くこともあって、自分の周囲で見てきた高校生よりも成熟している印象でした。

ただ、見学するにあたって当初、この部活の活動に私は少し不安を感じていました。

というのも、美容がいいと思って入学入部しても、実際に体験してみると違うと感じる人もいると思うからです。
高校入学時にほぼ職業が決まるのは早いのではないか。

美容師が合わなければ高校生活は詰んでしまうのではないか。そんなイメージを持っていたからです。

この点についての疑問を顧問の先生と部員さんが答えてくれました。
それらを私なりにまとめると

・  ここでは美容師の仕事の実践的なことをしている。やってみて合わないこともあると思うが、その場合商品開発をやってみたり、原料の生産をしてみたり「美容師」以外で美容に関わることができる。
・  トライしてみて結果「合わない」と感じることも大切。社会に出てから「合わない」と感じるのではなく、学生のうちに見極めることで新たな目標も立てやすい。

という趣旨のことでした。
これなら高校生活は詰まない。
社会に出てからではなく、学生のうちに失敗を経験できるので、本当に自分に適性のあるものに出会いやすくなるかもしれない。
そんな風に思いました。

自分は中高一貫生の進学校に行っていて、中学生のうちに早々落ちこぼれになったので、中高の生活は正直詰んでしまいました。
授業わかんねーなーとぼんやり窓の外を見ていました。

今小児科に来る子供達やその親は、勉強ができなくなったり学校に行けなくなったら終わりというプレッシャーに苦しんでいる人も多いと思います。
社会に出て働きだしてからも同じようなことに苦しんでいる人はいますよね。

勉強ができなくなっても、学校にいけなくなっても、それは修正可能で別のアプローチがあると思えるだけでも違うのではないでしょうか。
苦しい状況になったとしても「詰まない」と思えることは大切だと思います。

「ここはよく教えてくれていい環境です」
そんな風に迷いなく学生さんが答えてくれたので、
自分の高校生活もこんな風だったらなぁと羨ましく思いました。

学生さんたちはコロナによる自粛期間を経験し、これまでのような活動ができない中で何かできないか模索し、その中でアルコールハンドジェルを作りました。使用感がよくて肌に優しくするところにこだわっているようです。
この地元の高校生が関わっている商品を応援するという立場で見学をさせてもらいましたが、
商品に対する思いや日頃の活動、彼ら彼女らの夢を聞いて、地元だからというだけではなく、この部活のいちファンとして応援したいという気持ちになりました。良い刺激をもらえて感謝です。

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