[ネタバレしかない] Neva 感想
プラットフォーム:Steam
値段:2300円
リリース日:2024/10/16
クリア時間:4時間(実績全解除なし)
ファイルサイズ:18.25GB
言語:日本語対応だが言語そのものはメニューにしかない。が、Steamストアテキストも含めてなんか微妙な直訳感がある。テキストがないゲームで良かった。
GRISを作ったNomada Studioの新作。存在をぜんっぜん知らなかったのを東京ゲームショウのデボルバーブースでランダムエンカウントして、しかもリリースが近いというのでたまげたのだった。で、気づいたらリリースされていた。一ヶ月、一瞬で過ぎる問題。
なぜかファイルサイズが18GBと異常にでかい。ゲームサイズがでかくなるのって大体はムービーかボイスだと思うが、そんなにあったか…?少なくともボイスはなかったから、ムービーのサイズが異常にでかいとかだったのか。でもムービーもそれほどなかったけどなぁ。ともかくSteamdeckにはなかなか厳しい容量。
・犬ゲー
タイトルのNeva、GRISのときみたいに主人公の名前かと思ったら、普通に小狼の名前だった。じゃあ主人公は…?ストアページに書いてあって、クリア後に初めて分かったが、Albaというらしい。
相棒のNevaは狼っぽくはあるが、要は犬ゲーである。
犬好きならたまらん。が、あんまり犬に優しいゲーム、というか優しい世界ではないのでマジの犬好きだったらオススメしないかもしれない。
少なくともそれなりに覚悟はして欲しい。
全体的にNevaのしぐさが良すぎる。そして主人公のNevaと呼ぶ声も良すぎる。
ゲーム中ずっと、主人公がNevaを色々なシチュエーションで呼ぶボイスが優しさと慈愛に満ち溢れていて、それだけで満足度が高い。
遊んでいるNevaを呼ぶときは母のように優しく、先に進んでしまったNevaを呼び戻すときは少し心配する雰囲気があり、敵に攻撃されているNevaを呼ぶときの悲痛な響き…
そしてその呼びかけに毎回ワンワン応えてくれるNevaが愛しくなる。それもあって呼びかけても声が返ってこなくなったときの心配たるや。
最初のチュートリアルで、崖を飛び越えられずに落ちてしまったNevaを撫でてなだめ、2回目のチャレンジでも落ちかけてしまうところを主人公が助けてあげると、喜んでピョンピョン跳ねるNeva… ああ、カワイイですね… 思わず語彙が消失してしまうほど。
でもNevaは戦闘には役に立たない。むしろ主人公が強すぎる。二段ジャンプできるし空中ダッシュもできる。
でも二段ジャンプも空中ダッシュもチュートリアルあったか?自分がチュートリアルの場所をすぐクリアしてしまったからかもしれない。
と思っていたところ、ストーリーを進めるとNevaが成長し、アクションも増えてきて、ファンネルのように飛ばしたり、勝手に噛みついてくれたりする。かわいいだけでなく頼りにもなる!つよかわ!
・アクション
戦闘の難易度は設定で変えられるものの、基本的に求められるアクションの難易度がそこそこ高い。二段ジャンプと空中ダッシュを駆使するのは当たり前、そこに更にタイミングゲーが入ってくる。GRISはそこまでではなかったので、同じ感じを期待して遊び始めた人は戦闘はともかくプラットフォーミング部分で詰まってしまうのではないか。
更に収集要素である花を探そうとすると更に難易度は上がる。
戦闘自体もそこそこ難しく、敵が数で押してくるようになると割とボコボコにされる。そしてある意味ボスより強かったのが仕組みは良くわからないがブロックと同化する敵。これまで最強の回避方法だったダッシュを貫通するただの体当たりで何度やられたことか…
自分はそこも含めて楽しめたが… それは自分がアクションに慣れてるからであって、GRISに比べたらたぶんだいぶ難しいぞ。
Steamのフォーラムを見てみたところ、やはりアクションが難しくて進めないという人が何人かいた。ゲーム開発って、むずかしっ!
・ビジュアル
相変わらず素晴らしい。GRISはどちらかというと現実というよりは抽象的な世界観が多かったため、あっちよりもより現実っぽい景色をNomada Studioの表現で見られるという楽しさがある。
そういったこともあり、GRISよりも色の違いもハッキリしていた気がするが、横移動で景色が変わっていくシーンが多く、Nevaと一緒にフィールドを駆けながら新しい景色を楽しんでいく体験は素晴らしい。
あ、でもきれいなスクショを撮りたいのに画面下のライフゲージが邪魔だったし、SteamdeckのスクショコマンドであるSteamボタンとRB同時押しをすると、Albaが立ち止まってしまうのでフォトモードが欲しかったというのは正直、ある。
・ストーリー
まず、平和に暮らしていたAlbaとNevaとその親狼が、カオナシみたいな敵の群れに襲われ、親狼が死んでしまう。
相打ちになったと思ったが、カオナシたちは普通に生きており、引き続き草木や生き物を黒くしていく。一応Albaの剣で倒せるっぽいが、巨大な奴らもいたりして、その場合は逃げるしかない。
ストーリー開始時は夏、このときはNevaはまだ小狼で、主人公のほうが二段ジャンプできたり攻撃できたりと、お世話するだけ。
それが秋になるとだいぶ大きくなっていて、角も目立つし姿を消せるし二段ジャンプもできるし攻撃もしてくれる。大きくなって撫で甲斐がある。
更にファンネルとしてNevaを飛ばせるようにもなる。が、自動で攻撃してくれなくなったのでちょっと寂しい。けどAlbaと一体化しているのか、剣攻撃が白いオーラをまとって強くなっている。
また、場所によってはNevaに乗って移動できるようになり、Albaは地味に歩くのが遅いのでとても助かる。
更にカオナシにやられて黒くなった花や死んでしまった生き物に緑の草を生やすことができるようになるNeva。主人公もなんか能力あるっぽいが最後までよくわからなかった。
ただ、敵もただやられるだけではなく、カオナシが巨大なイノシシや鹿の死体に乗り移って動かしたり、色々なオブジェクトに乗り移れるっぽい。
特にブロックに乗り移る雑魚がある意味ボスより強かった。
これまで、どんな攻撃もダッシュでかわしてきたのに、ブロックはダッシュで当たると普通にダメージを食らうため、ジャンプしてかわすしかない。が、これが複数出てきたりするともうボコボコ。攻撃をかわせないので。潰されて死ぬ。
他にも単に敵が複数出てくると、接触ダメージとかもあるので後半の戦闘はなかなか辛い。
旅を進めていると、なんと雄狼が見つかり、Nevaが仲良くなっていく。そしてラスボスっぽい巨大なカオナシを倒した後に去っていくNevaと雄狼。そして冬が訪れる。
戦いは終わったかと思いきや、1人で敵の女王っぽいのを探し続ける主人公。
全然終わりではなく、引き続き敵が出てくるがやっぱり1人だとつらい。
というかなぜNevaは最後までついてきてくれなかったのか。
そして最後に女王と刀対決。熱い。最後に負けそうになるが、ここでNevaが助けに来てくれる!旦那はどこに?
ともかく女王を撃破してハッピーエンド。
ハッピーエンド…だよね?
でもゲームは終わっていないな。エピローグで終わり…?
そして春が訪れる。平和に暮らしているAlbaとNeva。いや、旦那は?番で行動するタイプじゃないのかもしれない。
って、足元でもぞもぞしている子狼がいる!
しかもAlbaの呼びかけコマンドがもうNevaじゃない!ブロマって呼びかけてる!ちょっと寂しい…
もう平和になったかと思ったら、急にオープニングと全く同じ展開、というか同じムービーが流れる。
鳥が落ちてきて、黒いのが襲ってきて、今度はNevaが襲われて… と思いきや、Nevaの一声、そしてブロマの鳴き声で相手が一気に緑になり消滅。
でもNevaも刺されて死ぬ。えぇ〜。マジかよ。オープニングと結局同じムービーだぁ…
せめて最後にNevaにあのボイスで「Neva」と声をかけてあげてほしかったなぁ。
もしかして毎年これを繰り返しているのか?季節の象徴?カオナシは冬将軍なのか、「死」の象徴なのか。
むしろ人間1人でずっと生きている主人公のほうが不滅の存在だったか。
でも、今回はいきなりカオナシを倒せたからこの一年は平和に過ごせる?もしくはずっと平和になる、のか?
収集要素の花を全部集めた後に見られるムービーだと、たくさんの小狼に囲まれたAlbaがいるので、これが妄想とか過去のシーンじゃないとすれば、未来の一コマ、なのかもしれない。そうだったら良いけど…
・やり込み
ステージ内に隠されている不思議なつぼみにタッチすると不思議な花が咲く。これを全部集めると実績解除と、最後の春ステージの巨木の上で隠しムービーが見られる。
ただ、メニューのステージ一覧から隠し花の数は見えるのだが、同時に夏から春までという全ステージの構成も見えてしまった。まだ行ってないところは隠しておいてくれ…
いや、夏から始まって秋になったら、冬、春で終わりなんだろうなとは思うけども!
あと、実績として小狼だったNevaに果物を食べさせるとかもあったが、そのあたりはやってない。
・まとめ
正直なところ、ビジュアルは相変わらず良いものの、なんか急に出てくる四角い遺跡やスイッチを入れていく仕掛けはGRISそのものを彷彿とさせるので、新作というよりはGRIS2という感じだった。
なので新鮮かというとそこまでではなかったかも。いや、期待した通りのものではあるのだが。
ただまあ、それらの慣れを補って余りあるのがやはりNevaの存在。犬を愛でられる。ひたすらに。呼ぶと応える。強い。愛しい。最高。
GRISの最初の衝撃が強すぎたから期待値が上がりすぎていた気はするが、それでも濃密な4時間を楽しめた。