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「人の手で作られたご飯が食べたいんです」というお客様の声。

こんにちは。鳥貴族TCCで働く田中勇です。店長歴9年になります。現在は関東ダンクにて営業部長をしています。外食産業を知ってもらうために、共同でマガジンを始めました。アルバイトとして身近な飲食業ですが、まだまだ知られていないことばかりです。サービス業で働く人たちが、どういった想いで働いているのか。その想いの部分が、少しでも伝わると嬉しいです。それではどうぞ!!

アルバイト歴を含めるとあっという間の11年。夢中でした。ツイッターがきっかけですが、私が、今も外食産業で働いている理由の一つを話します。

社員一年目。アルバイト経験もあったので、早々にお店を任されました。2009年9月兵庫県の武庫之荘駅にオープンの新店舗でした。

焼き鳥を焼く技術は0に近く、見よう見まねで焼き鳥を焼いていた頃のお客様とのやりとりで、そのやり取りは今も忘れられない。

その人はいつも、閉店際の12時頃に来店。乗降客数48,000人のローカルにしては広い60席のお店に、仕事終わりに来店。週一でいらっしゃるので、お互いに顔も覚えていました。特別な話は特にしませんが、一度だけ仕事の話をしたことがありました。

聞けば、大阪梅田でフレンチレストランのシェフをやっているという。いつも終電で帰ってきて、店に立ち寄るそうだ。まだまだ見習いで、早くから遅くまで仕事三昧。メニューを考案したり、試行錯誤の毎日が続き、元気をもらいに来ているという。当時の僕と似た環境だったこともあり、親身になって話を聞いていた。

いつも食べるのは、焼き鳥丼だった。「仕事を頑張ってきたあとだから、人の手で作られたご飯が食べたいんです」と、笑いながら話してくれた姿が、あの時の僕に強烈な印象を与えてくれた。鳥貴族をやってて良かった。あの時、この仕事がすごく誇らしくなりました。

鳥貴族はセントラルキッチンを持たず、今も店で串うちをしています。僕は22歳の頃、青ネギ1束に1時間かかって仕込んでいました。焼き鳥の仕込みは本当に最初は難しくて、最初は仕込みに行くのが本当に嫌でした...笑

お店を転勤によって離れることとなり、お客様に挨拶をしていく毎日が続く。なかなか来店されず、離れるギリギリに挨拶を交わすことに。

「これからも、その笑顔で頑張って下さい」

言われたことは、何気ない一言だったが、言ってくださる表情が、さり気ないんです。同じ思いでこれからも頑張っていきましょうね、という無言の共鳴を感じたのでした。そんな関係が築けてきたことに、喜びを感じてきたこと。お客様は、行動で表現してくださってきました。現場には気づきが溢れている。いつも多くのことを教えてくれました。

そんな出会いの数だけ、僕は背中を押されてきました。だから、この業界が大好きです。だから、この大好きな業界を知ってもらいたい。そして、少しずつ変えていきたい。もっともっと自分たちが思う大切なことを、大切に出来るようにしたい。

それが、私が”今も飲食で働く理由”です。

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