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気持ちいいリズム。うねるビート。交歓するグルーヴ。

ten tenさんという、カナダ在住で三味線芸人をなさっているという方から、このnoteにコメントをいただき、読んでて気持ちよくなったと言っていただけて、それはとても嬉しいことだった。しかもten tenさんの三味線動画を拝見すると、これまた非常に刺激される映像だった。ほぼ肥満まんぼうって、一体、なんだ。笑

気持ちいい、という言葉で連想するのは、最近、ひさとしメンバーと一緒に面白がってやっているそらまめラジオでは、なぜか、結構な頻度で身体というテーマが出てくるということだ。
そこでは必然的に、リズムやテンポという言葉が関連する。気持ちいい、という感覚は、明らかにリズムやテンポと深く関わっている。

気持ちいいリズム。気持ちいいテンポ。

テンポといえば、エル・テンポなるプロジェクトが最近気になってしょうがない。

早朝のEテレで「旅するスペイン語」を見ていたら、女優のシシド・カフカがアルゼンチンを訪れていて、そこで、完全アドリブの音楽が紹介されていたのだった。普段の練習では、指揮者と演奏者の間で、指の形を通じて個々の演奏の最小単位における「型」を握っておく。そして本番は、その「型」をもとに、アドリブで音楽を紡いでいく。
その方法を、アルゼンチン人の創始者のもと学んだシシド・カフカは、日本でそれを実践しているらしい。いまのご時世なのですぐには見に行くことはないだろうが、必ずいつか、見に行きたい。

テレビで垣間見るだけでも大変に気持ちいい音楽だった。たぶん、現場で体感したらもっと気持ちいいだろうし、演奏したらさらに気持ちいいに決まっている。指揮者をやったら、最高に気持ちいいんだろうな。
演奏意図を発する。受け取る。ビートがうねる。それはアドリブであり、そこには台本も脚本もシナリオもないのに、その音でなければならない必然に導かれて音が鳴り、その音がまたつぎの音を呼ぶ。交歓するグルーヴ。

こうやって文章書きながらわかってきたのだけれど、たぶん、仕事でも遊びでも、自分がやりたいのは、こういうことなのだろう。昔っから、ブルースに興味を持ってみたり、アドリブというやつには並々ならぬ関心があった。

なにをやるにも、本番というやつには独特な緊張と快楽がある。感じて、響き合い、言語が消失していく感覚。終わったあとに、あれは一体なんだったのかとまた言語化への欲求が立ち上がる。仕組みを腑分けし、再構築してはまた試す。それも含めてのリズム感。

(ようへい)

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