見出し画像

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 18.07.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine - 18 July 2024

日本語訳

  • ロシア政府は、国内のデジタル・コミュニケーションの使用に関するさらなる規制に着手している。2024年7月12日にロシア連邦下院のアントン・ネムキン議員はあるインタビューのなかで、ロシア当局が暗号化メッセージ・アプリ”WhatsApp”のトラフィックを遅延させることに取り掛かったと語った。公の説明によると、過激主義グループの通信連絡能力を制限することが、その目的だという。ロシア政府の定義に基づくと、この定義による説明には、反体制活動家やウクライナでの戦争に反対する人々が組織をつくる能力と互いに連絡しあう能力を制限することも含まれている可能性が高い。

  • 上述とは別件だが、2024年7月12日付のロシア独立系メディアの報道によると、オンライン動画プラットフォーム”YouTube”へのアクセスに問題が生じた原因は、ロシア政府による意図的なトラフィック遅延にあるとのことだ。なお、大統領府は2024年9月にYouTubeへのアクセスを完全に遮断する可能性が高いと報じられている。YouTubeはロシア国内で比較的よく見られており、反体制活動家がロシア政府批判を拡散させるために使われてきた。このような例として最も有名なのが、故アレクセイ・ナワリヌイ氏だ。

  • 独立系メディア組織の活動禁止やほかの安全な通信手段の制限と同じく、上述したこれらの措置は、以前から続く傾向に拍車をかけており、ロシア国内のメディア・情報へのアクセス全般に対する政府統制を強めている。SNSプラットフォームに対するこのような規制には、ロシア国民がアクセスできるメディアを、政府によって統制された内容の情報に従順なメディアのみにすることを確実に進める意図がある可能性が高い。安全性のより高い個人通信連絡手段に制限を加えることによって、潜在的な反体制派への政府による監視はより容易になるだろう。また、このような政府による監視は、体制に批判的な傾向をもつ人々の間に、恐怖心と自己検閲の環境を醸成していくだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?