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羽ばたけスタグル達!今こそアウェイの壁を乗り越えて

みなさんこんにちは。
鹿島アントラーズサポーター五十嵐メイです。

なんと私は、カシマサッカースタジアムで念願の「メロンまるごとクリームソーダー」を堪能してきました!!

……と言いたい所ですが、現在Jリーグは新型コロナ ウイルスの影響で無期限延期となっています。今シーズンの私は、今まで横目で見てきただけのスタグルを堪能しまくるぞ!と意気込んでいました。

実は茨城県のメロンの生産量は、日本一です。私の地元でも、盛んにメロンの栽培が行われています。茨城県産のメロンをまるまる1個使用した、「メロンまるごとクリームソーダー」は、毎年GWくらいにカシマサッカースタジアムに登場する期間限定のスタグルです。スプーンを持参すると、上に乗っているバニラアイスがもう1個サービスしてもらえると噂のメニューです。スプーンを持った人が並んでいるのは、そのせいだったのか!とびっくりした覚えがあります。

長蛇の列に加え、メロン1個分というヘビー級なデザートというハードルが邪魔をして、これまで挑戦せずにいたスタグルです。今年こそ!と意気込んでいた私は、メロンの時期が始まってもリーグが再開されないことに、ちょっぴり残念な気持ちでした。

ある日、スーパーで買い物をしていると、棚に並んだメロンが目に入りました。

もしかしたら……もしかしたら、私が楽しみにしていた、あのメニューは自宅で作れるのではないか!?

私は早速、ネットで情報を集めて材料を揃えました(近場のスーパーには、茨城県産のメロンが置いてありませんでした)。

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メロンをくり抜き、冷凍庫に入れます。凍ったメロンに炭酸ジュースを注ぎ、バニラアイスを載せます。

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部屋で「自家製のメロンまるごとクリームソーダー」を堪能している写真を、以前撮ったスタジアムの写真と合成させたのが冒頭に掲載した写真です。

ツイッターを覗くと、家で家族とスタジアムごっこをする方、サポ仲間とのオンライン飲み会を楽しむ方、それぞれが思い思いのおうち時間を過ごしています。食いしん坊で、食べることが何よりも大好きな私は、食べることに特化したお家時間を過ごしています。今回私が書かせていただいたのは、「私なりのStay homeの楽しみ方」です。食事を通して、Jリーグを感じることで、長引く自粛生活を私なりに楽しんでいます。

私たちの生活から、フットボールが忽然と姿を消した日


2020年2月25日
Jリーグから、全公式戦の延期が発表されました。
その後1ヶ月足らずで日本だけではなく、世界中からフットボールが消える日が来ることを想像できたでしょうか?

最初の公式戦延期の発表当日、 OWL magazine編集部では月1回の定例ミーティングが行われていました。

最初に提示された再開予定日は、3月15日でした。約3週間の中断でした。この時の私は、新型ウィルス問題に対して「最近の医療は発達しているし、1ヶ月もすれば収まるだろう……。」と軽く考えていました。

よし!Jリーグが開催されるまではバリバリ働いて、お金を貯めるぞ!
遠征もなく出費もおさえられるので、たくさん貯金をして、ヘリコプター観戦に挑戦してみるのもいいなぁ……

そう、実はカシマサッカースタジアムまでヘリコプターで行く観戦プランが存在するのです!!

都内から通常だと2時間近くかかる道のりが、ヘリコプターだと約30分足らずでカシマサッカースタジアムまで到着します。また、スタジアム到着後にスタジアムツアーや食事などを楽しむ事ができて、お土産も付いています。どんな食事が楽しめるのかな?お土産は何が入っているのかな?と、私の頭の中では次々と勝手な理想のプランが浮かび上がってきました。

しかし、私の楽しい妄想とは裏腹に、事態はもっと深刻な方向へと発展していくのです。4月3日の行われた村井チェアマンの会見で、正式にJリーグの再開日を「白紙」とする決定が下されたことが発表されました。今現在、Jリーグサポーターにはリーグの再開日が未定という、先の見えない重い現実がのしかかってきている状況です。

この自粛期間を皆さんはどうお過ごしでしょうか?

ZOOMを使用したオンライン飲み会が流行り、家にいながらもサポーター仲間と気軽に話したり呑んだりできる新しい交流の仕方が確立されました。
オンライン空間が日常生活に定着したことで、普段は話す機会が訪れなかった方とも、気軽に交流できるようになりました。私自身も、この1ヶ月間owl magazineのYouTubeチャンネルに何度か出演させて頂き、沢山の方と交流を深めることができたのは、家に居ながら送ることができるとても有意義な時間だなと思います。

OWL magazineのYoutubeチャンネルはこちら↓

是非、チャンネル登録をよろしくお願いします。

元々、引きこもり型の人間なので、サッカーがない日は家から一歩も出ない事も多々あります。そのため、家での快適な過ごし方はある程度マスターしているつもりでした。最初の1、2週間は普段なかなか手が回らなかった部屋の掃除など、家事全般に取り組み、節約のための自炊も積極的に行いました。家はキレイになり料理教室にも通った甲斐があるなと、毎日それなりに楽しく過ごしているはずでした。

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しかし!自粛期間が長引くにつれてとても重要なことに気がつきます。日々、日常からサッカー要素が薄れていることを感じているなあと。 それもそのはず、Jリーグだけではなく、世界中からフットボールが消えてしまったのだから……。

そんな時、鹿島アントラーズの公式Twitterから気になる呟きが発せられました。

チームが主体となって、ホームタウンとその近隣の「食」を通販できる事業者と、自粛期間で外出もままならない全国の消費者を結びつけるプロジェクトを始動させたのです。


鹿島アントラーズ発!
地元の食を全国に届けるプロジェクト

サイトを見てみると、スタジアムではお馴染みのスタグルや、五十嵐家御用達の「だるま納豆」など食慾をそそる食べ物がズラリと並んでいて、見ているだけでグゥーとお腹の音が聞こえてきそうなサイトでした。

鹿島のスタグルといえば、終了間際になると500円サイズのもつ煮が300円でゲットできるという予想外の幸運な出来事に恵まれることや、販売のおじちゃんやおばちゃんとの交流が地元ならではの温かさを感じられる店舗も多いのです。サポーターから愛されるお店が多く存在する理由は、単純にホームだからというだけではないのでしょう。私は、スタグル出店されているお店のtwitterアカウントをフォローしているのですが、Jリーグの延期が決まった直後には、悲鳴のような数々のツイートを見かけていました。

鹿嶋市周辺は、皆さんもご存知のように都会とはかけ離れた場所にあります。ですから、スタジアムで販売される分がキャンセルとなれば、傾いてしまうお店も少なくないのではないか?と非常に心配をしていました。掲載されているのはスタグル出店されている店舗だけではありません。地元である茨城県のおいしそうな食材がひと目で分かり、自宅にいながらインターネットで購入できるこの「鹿行の『食』を届けるプロジェクト」は、元々お取り寄せグルメが大好きで、食いしん坊の私にとってはまさに、夢のようなプロジェクトです。

リーグは再開されたのに、自慢のスタグルがスタジアムから姿を消した!なんてことになれば、鹿島サポーターにとっては一大事です。スタグルを守らなければ!という、謎の使命感に駆られた私はすぐに購入手続きに入りました。

私は、東京在住なので必然的に通販のみの利用となります。通販とテイクアウトでページが分かれているのですが、テイクアウト店舗には、カシスタ1番人気と言っても過言ではない、ハム焼きの「五浦ハム」や、常陸牛を使ったステーキ丼を出す「やまびこ」など馴染みのスタグル店舗が名前を連ねていて、近くに住んでいる方が非常に羨ましく思えました。

やまびこのステーキ丼がどれだけの破壊力を持つのか、ステーキ丼に魅了されてしまった川崎サポさんの、非常い分かりやすい呟きを載せておきます。


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写真はカシスタのハム焼きです。大量に焼いているにも関わらず、長時間並ぶ大人気メニューです。カシスタにご来場の際は是非!と言いたいところですが、どちらのスタグルもアウェイサポーターさんには密輸が必要となってしまいますね……。


また、このプロジェクトのサイトには他にもホームタウン内にある、おいしそうな飲食店がずらりと並んでいるので、カシマサッカースタジアムに行く際の、ホームタウン探索マップ的な使い方も出来そうです。普段は、スタジアムから東京駅まで、直行直帰が多いのですが、こうして改めて見ると可愛らしいパン屋さんやカフェ、焼き立てピザがとても美味しそうなイタリアンなどがずらりと並んでいます。今すぐにでも行きたい衝動に駆られながら、次回のホーム戦で行くお店にあたりをつけたりして、リーグ再開後の楽しみを一つ一つ増やしていくのも、中断期間ならではの楽しみ方かもしれません。

今回私が注文したのは、カシスタのスタグルの中でも人気ランキング上位に入る居酒屋ドリームの「ハラミメシ」です。居酒屋ドリームは、鹿島アントラーズのフレンドリータウンである千葉県銚子市で50年以上続く老舗の居酒屋です。

ハラミメシの他に、ニセハラミメシなど人気メニューを販売していて、沢山の鹿島サポーターから愛されているお店です。真っ白なご飯に、甘しょっぱいタレで煮込んだ熱々の柔らかいハラミがたっぷりとのったハラミメシが、なんと自宅に居ながら食べられるのです。いてもたってもいられなくなった私は、通販開始のアナウンス当日に購入しました。しかし事件は起きます。

通販開始のツイートから、わずか1時間足らずで次のツイートが呟かれました。

なんと、注文が殺到して、ハラミメシは2週間待ちだというのです……
※4月23日をもってハラミメシの通販は終了してしまいました。もしかしたら、再販の可能性もあるということで、気になる方は居酒屋ドリームのツイッターをチェックしてみてください。

約半月もお預けを食らうのかと、なんとも言い難い気持ちになりながらもハラミメシの到着を待ちわびました。その間、鹿島サポーターから呟かれる「ハラミメシ最高!」などのツイートを恨めしそうに眺めながら到着の日を、今か今かと待ちました。タイムラインがハラミメシで埋め尽くされているところを見て、鹿島のサポーターは自チームのスタグルをこよなく愛する民族なのだなと、改めて思い知るのです。

そしてなんと、鹿島サポーターだけではなく、他のチームのサポーターもハラミめしの虜になっていたのです。

カシマサッカースタジアムは、全国でも屈指のスタグル大国です。しかし、アウェイとホームか完全に分断されているために、アウェイサポーターがスタグルを食べるためには、「密輸」を行わなければいけません。

密輸 ホームとアウェイを分断する柵の下から、スタグルを送り込んでもらうという、アウェイサポーターがスタグルを確保するための手段。カシマサポーターの中に潜む密売人と、事前のコンタクトが必要。

しかし、この通販を利用すれば、ホームとアウェイの垣根を楽々と超えることができるのです。


我が家にスタグルが届いた日

そして注文から約1週間後……

ついにハラミメシが我が家に到着しました。

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予想以上に早い到着に、テンションが上がります。ダンボールの蓋を開けると、カチカチに凍らせたハラミメシと食べ方が書かれた紙が入っていました。手書きで書かれた「またスタジアムで会いましょう!」の文字に胸が熱くなりました。

豆腐と刻んだネギを用意して、早速調理スタート!!

凍らせたハラミが溶け出してグツグツ言い始めたら、豆腐を一緒に煮込み始めます。私は、半熟卵を乗せるのが好きなので、半熟卵も用意しました。丼にご飯を盛って、その上からたっぷりと煮込んだハラミをかけます。ハラミメシのいい匂いがキッチン中に漂います。早く食べたいと焦る気持ちを押さえ、最後の仕上げに入ります。作っておいた半熟卵を盛り付けて、ネギをたっぷりかけます。その上から七味をかけて完成です。

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ちょっと前に作り置きしていたモツ煮と、鹿島アントラーズのスポンサーのサントリーのプレミアムモルツと一緒に頂くことにしました。

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カシマサッカースタジアム発の鹿サポニコニコ宅飲みセットが完成です。それでは、試合の日と同じ正装(ユニフォーム)に着替えていただきます。

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熱々の炊き立てご飯に、ハラミの煮込みをたっぷりとかけたハラミメシ。口に入れた瞬間、甘しょっぱさが後を引くタレの味が口いっぱいに広がります。それと同時に、スタジアムでの光景が頭に浮かびます……

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コンコースいっぱいにスタジアムグルメのお店が並び、居酒屋ドリームの前にはハラミメシ目当てのサポーター達が列をなしています。人気のスタグルに並ぶのは、「試合前のコンコースミーティングの開始に間に合うのか?」毎回時間との戦いです。時間がギリギリの場合は、味わっている暇は無いので、急いでお腹に納めます。

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試合の日は試合が1番なので、ビール、モツ煮、ハラミメシだけに集中できる「おうちスタグル」は、ちょっぴり贅沢な時間でもあります。ゆっくり味わいながら腹ごしらえをしたら、戦闘モードの完成です。といっても、今日はお家なので、過去の試合の動画を見ることしかできません……

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私は、カシマサッカースタジアムの青々とした芝生、チームカラーの赤が織りなすコントラストが大好きです。新型コロナウィルスが1日でも早く収束し、自粛が解除されたら1番に行きたい場所は、ホームであるカシマサッカースタジアムです。

人が集まることがタブーとされている現在、将来的にはVRで観戦するスタジアムなど、オンライン空間を共有する未来が囁かれたりしています。ですが私は、サッカー観戦は生に限ると強く思います。キックオフの前から仲間と集まり、試合前にスタグルを食べたり、試合後にホームタウンの飲食店で、ご飯を食べながら過ごす何気ない時間は私にとって大切な時間です。スタジアムで実際に、「試合中に繰り広げられる真剣勝負のピリピリとした空気」を肌で感じることができるのは、生観戦の醍醐味なのではないかと思います。

なにより、オンライン空間には美味しいスタグルは存在しないのです。おうちで1人食べるスタグルはもちろん美味しいのですが、ホームはもちろん、遠いアウェイの道のりや、密輸などの苦難を乗り越えた試合会場で食べるからこそおいしさが倍増するのではないでしょうか?


とは言っても、スタジアムに行くどころか、外出制限が掛けられている現在。この状態が、終息するまではしばらくかかりそうなので、それまでは「おうちdeスタグル」を満喫しようと思います。今回の、ハラミメシで改めて「お取り寄せスタグル」の楽しさに目覚めてしまった私は、ツイッターを徘徊し、お取り寄せできるスタグルを調べ回っているのです。

スタグル愛好家で名高いshaker。さんが新しく「お取り寄せできるスタグルメ」という本を発行していました。何やら全国には、お取り寄せできるスタグルが多数存在するようなのです。

「スタグルが、家に来い。」とは、とても大胆な発想です。私も、しばらくはスタグルをじゃんじゃんおうちにご招待しようと思います。


以下は、有料部分になります。ラーメンで修行中の私が、居酒屋ドリームの幻のメニューを再現します。更にはお取り寄せするだけでなく、スタグルを作り出す始末。完全に「おうちdeスタグル」の虜になってしまいました。

OWL magazineでは、月額700円で全ての記事が読み放題となります。Jリーグが中断している現在も、毎月多数のコンテンツを発信しています。寄稿しているライターの中には、毎月出国している方や、海外でプレーをしている現役サッカー選手など、個性あふれるメンバーでお送りしています。日本では考えられないような、海外ならではのエピソードが盛り沢山です。出かけられない今だからこそ、旅記事を読んで未来の旅行計画に役立ててみませんか?

そしてもう1つ。イイねを押していただけると、五十嵐のやる気アップに繋がるのでよろしくお願いします!!

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