2022.10.21『奎23号』を読む

小池康生さんがお亡くなりになられました。

はじめてお会いしたときには既に病を患っておられましたが、小池さんの周りにはいつも洛南高校出身者を中心に私と同世代の俳人が集まりました。小池さんはとても面倒見の良い大先輩の俳人でした。小池さんを中心に「奎」が立ち上がったのは必然の流れだったといま振り返ると思います。

小池さんとの思い出は、天神橋筋六丁目周辺を吟行したり、黒門市場周辺を吟行したり、枚岡神社の句会に参加させていただいたり。句会の打ち上げは中華料理が多かったと記憶しています。はじめて紹興酒を飲んだのも小池さんがゲストの「ふらここ」句会だったと思います。

関西若手俳人の真ん中にいた小池さんを一言で表現すると「小池康生さんがいることの安心感」だったに違いありません。

小池康生さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

小池康生追悼号となる『奎23号』を捲ると面倒見のよかった小池さんらしいエピソードがたくさん載っています。特に銀化編集長の潮田幸司さんが語る時評を一度も欠かしたことがないという話は、小池さんの責任感の強さを感じました。また田邊大学さんが書いておられた「食べ物の句は、美味しく描くんやで」は私も小池さんから聞いたような覚えがあります。

ご病気になられてから立ち上げた「奎」も力の限り全力で駆け抜けたことでしょう。

奎23号から新体制を牽引する方々の作品を紹介しておわりにします。小池康生さん亡きあとの、これからの「奎」こそが本番だと思います。

ひまはりや叱つて褒めて同じ声 仮屋賢一
若き日の恋は引き際アイスティー 安岡麻佑
ハリボテの城や残暑の大都会 柴田健


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