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タンゴ・フルートの巨匠、ドミンゴ・ルーリオのこと
アルゼンチン・タンゴという音楽はどんな楽器で演奏してもいいのだが、今よく見られるのはバンドネオン、バイオリン、ピアノ、ギター、コントラバスといった楽器のアンサンブルが多く、管楽器を使うことは稀である。しかしタンゴが生まれてまもない頃、つまり150年ほど前はフルート、バイオリン、クラリネット、ギターなどによる小編成アンサンブルで演奏されていた。バンドネオンはタンゴが出来てから入ってきた楽器である。
モサリー二10年ぶりの来日に寄せて(2014年9月記事の転載+追記あり)
(2022年5月27日に、バンドネオン奏者フアン・ホセ・モサリーニがパリで亡くなりました。享年78歳。彼の経歴をまとめた記事を旧BLOGにのせていたので、こちらに転載します。最後に追記があります。)
久々に来日するファン・ホセ・モサリーニの足跡
いよいよ今月、バンドネオンの巨人、ファン・ホセ・モサリーニの10年ぶりの来日公演がスタートする。かつては毎年のように来日していた時期もあり、インタビ
オスバルド・フレセド&ディジー・ガレスピー、世紀の珍盤の意外な真実
いよいよ私が担当するNHKカルチャー名古屋教室の全国向けリモート講座「タンゴの世界第5期」が始まる。先日第1回のロベルト・フィルポの分の準備を終え、5月分のオスバルド・フレセドの準備に取りかかったところで、今まで気がつかなかった事実がわかった。
オスバルド・フレセドは古典時代の後半からタンゴ史に登場し、その音楽性を重視した演奏は、フリオ・デ・カロと並び先駆的な新しさを持ち、1930~40年代
アルゼンチンで撮影された最古のタンゴ映像は女性歌手の歌だった!
2年前に「アルゼンチン・タンゴ最古の映像発見!」として、1928年年末にキューバで撮影された、チリ生まれのアルゼンチンで活動した歌手・ピアノ奏者・作曲家ホセ・ボールの映像を紹介したが、そのすぐ後にアルゼンチン音楽を紹介した短編映画が存在し、まずまず良好な状態でデジタル化され、公開されていることに気づいた。
タイトルは「モサイコ・クリオージョ」(土地っ子音楽のモザイク)。https://www.ci
セステート・タンゴ~「(私の)最後の1枚」の顛末
タンゴの名門オスバルド・プグリエーセ楽団から1968年に独立、その後のタンゴ界をリードするグループの一つとなった「セステート・タンゴ」。オスバルド・ルジェロ(バンドネオン)、ビクトル・ラバジェン(バンドネオン)、オスカル・エレーロ(バイオリン)、エミリオ・バルカルセ(バイオリン)、アルシーデス・ロッシ(コントラバス)、フリアン・プラサ(ピアノ)という布陣で、メンバーのうちコントラバスを除くほぼ全員
もっとみる日本タンゴ界の恩人、フェルナンド・テル生誕100周年
講座の準備もあって2日過ぎてしまったが、さる1月22日はバンドネオン奏者フェルナンド・テルの生誕100周年だった(今年はアストル・ピアソラの生誕100周年。テルはピアソラと同級生なのだ)。
1921年1月22日、フェルナンド・テルはサンタフェ州マリア・スサーナに生まれた。サンタフェ州の州都アルゼンチン第2の都市ロサリオはタンゴ史に残る素晴らしいバンドネオン奏者を多数輩出してきた地であり、素晴らし
タンゴ・ダンスの巨匠、フアン・カルロス・コーペス逝去
悲しいお知らせです。タンゴ・ダンスの巨匠フアン・カルロス・コーペスが亡くなりました。近年体調を崩し、闘病していましたが、12月に新型コロナウィルスに感染したことで急速に悪化したようです。
1950年初めから新しいタンゴ・ダンススタイルを追求し活躍、1950年代末にはアメリカに渡ってミロンガをfastangoとして紹介、エド・サリバン・ショウにも出演しました。その後もエル・ビエホ・アルマセンやカーニ
新リズム「タンゴン」と日本
タンゴンとはタンゴとミロンガをミックスしたようなリズムで、1935年「タンゴの王様」フランシスコ・カナロが「発明」したニューリズムだった。
1936年に日本でもフランシスコ・カナロ自身の演奏する「タンゴン」 Tangón(カップリングは「エス・オー・エス」 S.O.S.、番号はJ2568、オリジナルは1935年8月録音、ロベルト・マイダ歌)が紹介され、1938年4月に日本におけるタンゴン第2弾のレ
アルゼンチン・タンゴ最古の映像発見!
アルゼンチン・タンゴ史上もっとも古い映像を見つけた‼
従来アルゼンチン・タンゴ最古の映像は、カルロス・ガルデルが1930年に制作した「ジーラ・ジーラ」「マノ・ア・マノ」「秋のバラ」など全10曲の演唱を収めた(1曲ごとの)短編映像だとされていた。
しかし今回発見できたのは1928年12月29日撮影という作曲家ホセ・ボールのピアノ弾き語りの映像である。ホセ・ボールは、日本のタンゴ・ファンに
LATINA連載「タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界」リスト
「中南米音楽」でスタートして以来、途中「LATINA」と改名しつつ60年以上にわたってラテンアメリカ音楽情報誌として続いてきた月刊ラティーナが、まもなく最終号を発売します。私は2018年2月号から今度出る最終号まで2年4か月に渡って、全28回の 「タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界」を連載してきました。今回忘備録の意味も含め、全28回で取りあげた曲(時に1回で2曲を取りあげてもいます)をリストに
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