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初めて祖父に20万円借りた時の話、そして返した話

オリジナル記事掲載日:2020年5月1日

今日、祖父に借りていた20万円を
一括で返してきました。

祖父は裕福な人だと思うのですが、
わたしは生まれて30年以上、
「お金を貸してください」と
お願いしたことは
一度もありませんでした。

そんなわたしが初めて祖父に
お金を借りた時と、
返した今日のお話。

「頼る=怠け」と思っていたかつての私

わたしは24年にわたる
精神疾患によって
家族に死ぬほど迷惑を
かけてきた人間ですが、
「頼る」
「お願いする」ことが
非常に苦手な人間
でした。

むしろ「上手に頼る」ことが
できなかったために、
長いこと精神的な病から
抜け出せなかった
ような気もします。

かつてのわたしにとって
「人に頼る(甘える)」とは、
「怠け」であり
「欠落人間の証」でした。


わたしは、
家族や親族が誇れる
「わたし」になりたかった。
特に、母と祖父には
わたしという人間を
立派に見せたかったのです。

でも、自分の理想の
「わたし」になれなくて、
わたしは何度も自分を
ぶっ殺そうと思いました。

今思えば、うっかり
死ななくてよかった。

母と祖父の不幸は、
「失敗したわたしの
姿を見ること」
よりも
「わたしが自分で
自分の命を絶つこと」

だったろうから。

「ダメな自分」を許せなかった

自分の精神的な病を治すには
「人に頼れるようになる」
ことが必要だと
気づいたわたしは、
何年もかけて少しずつ
「人を頼れる自分」を
自分で育て直しました。

でも、お金のことだけは
なかなか人に頼れなかった。

母はよく
「お金のことはおじいちゃんに
相談してみたら」
と言ってくれたけど、
それだけはダメだ、
と思っていました。

「ちゃんとした大人」に
ならなければ。
家族や親族に
お金の工面を頼る人は
「ちゃんとした大人ではない」と。

多分それは、
父の影響もあったと思います。

わたしの父は脳梗塞によって
身体障害者になる前、
米びつを抱えて
「ここに米がないのは、お前が
俺に金を貸さないからだ」と
自分の弟(わたしにとっての叔父)に
わめくようなクソ親父でした。

「あれと同じになってはいけない」
という気持ちも
あったかもしれません。

なんとか必死で頑張って
収入を上げても、
体調不良によって
仕事を辞めざるを得なくなり、
また収入が下がってしまう。
そんなことを繰り返して、
いよいよ首が回らなくなった時、

「おじいちゃんに
お金のことを頼れたら、
わたしは変われるかもしれない」


と思いました。

でも何度も、
「そんなことはダメだ」
「おじいちゃんを
がっかりさせてしまう」
「わたしが一人で金も稼げない
大人になったと知ったら、
おじいちゃんは悲しむだろう」
と思い直しました。

さんざん悩んだ挙句、
もうどうにもならないので
「どうしてお金が必要なのか」という
事業計画書(?)
みたいなものを作り、
おじいちゃんに借金を申し込みました。

結果、事業計画書なんて
ほとんど関係なく、
おじいちゃんはあっさり
20万円貸してくれました。

むしろ、孫に頼ってもらえて
誇らしそうに見えたし、
うれしそうでした。


わたしは、ダメな自分を責めて
手首を切ったり、
全身のあちこちに切り傷を作ったり、
風邪薬を大量に飲んで
自殺未遂なんかしたりしないで、
もっと早くおじいちゃんを
頼ればよかった、と思いました。

ダメなわたしでも全然よかったのに、
ダメなわたしでもおじいちゃんは
愛してくれたのに、
自分の体をボロボロにして
一体何やってたんだろうなあ、と。

親族への借金のおかげで、本気になれた

キャッシングやカードローンで
お金を借りた時は
「収入が少ないんだから仕方ない」
とあきらめていたくせに、
おじいちゃんにお金を借りた途端、
わたしは

「どうやったら収入を上げられるのか」

を本気で考え始めました。

気になる本を片っ端から読んだし、
本に書いてあることも
自分で考えついたアイデアも
とにかく実践しました。

そして気づいたら、

「あ、20万円返せる。返そう」

という今日になったのです。

「お金をちゃんと返す孫」になりたかった

おじいちゃんはお金を貸す時
こう言いました。

「お金の工面を
頼んできた親族はいっぱいいる。
お前が頼んできた金額より
もっと多い金額を借りたモンもおる。
でも返さん奴ばっかりだ」

おじいちゃんは
あきらめたような
寂しいような
そんな感じでした。

だからわたしは、
「お金を返せる親族」に
なろうと決意したんです。

いざ返しに行ったら、
おじいちゃんは
「本当に大丈夫か?」
「お金に余裕はあるのか?」
と何度も聞いてきました。

誰も返しにこないって
文句言ってたのに、
いざ返すとうろたえるんかい(笑)
と思いましたが、

そのくらい、おじいちゃんの中で
「貸した金は返ってこない」のが
当たり前になって
しまったのかなあ、と。

(ただ最近ちょっと祖父は
記憶が曖昧になっているので、
本当は返してもらったのに
返されてない、と
思っている可能性も…^^;)

足りなかったのは才能や技術でなく、心だった

わたしは長い間、
自分には才能や技術がないから
成功しないのだ、
充分なお金が稼げないのだ、
と思っていました。

しかし一番、
自分の成功を邪魔していたのは

「独りで頑張らなければいけない」
「独りでちゃんとできる
自分でないと愛されない」


という思い込みだったような気がします。

わたしはもっと
人を頼ってよかったし、
「ちゃんと愛されている」と
理解するべきだった。

才能も技術もすでに充分あった。
わたしに足りなかったのは
「心」だけだった、と思います。

「頼ってもいい」と思える心。

もしこれを読んでいるあなたが今
以前のわたしと同じように
お金のことで苦しんでいるとしたら、
「そんなことは絶対にダメだ」
と思うことをぶち破ってみてください。


あ、犯罪をしろって
言ってるんじゃないですよ。
(当たり前だけど)

わたしのように、
自分で自分に向かって
勝手に制限していることを、
ぶち破るんです。

あなたが自分で思うほど、
「それ」は
絶対にダメなことじゃ
ないかもしれないから。

自分の殻を破れたおかげで、自信がついた

おじいちゃんはわたしに
「お前には世界的な
アーティストになって欲しかった」
と言いました。

わたしは36歳の今も
まだぜんぜん無名で、
おじいちゃんが生きている間に
世界的なアーティストに
なれるかはわからないけど(笑)、
これからきっと
どんどんうまくいく、と思います。

いや、時にうまくいかない
ことが起こっても、
ちゃんと切り抜ける力が
あると思えます。

おじいちゃんの20万円は
わたしに色んな力をくれました。
ありがとう。

そして、おじいちゃんに
お金をきちんと返せたのは、
これまでわたしを信頼して
仕事をくださった方々のおかげです。
ありがとうございます。

ごきげんよう、さようなら。

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