境界性パーソナリティ障害は他人を信じない・期待しない病気である
オリジナル記事掲載日：2020年8月26日
「どうせあなたはこんな
めんどくさい女(男)のこと嫌いになる」
「どうせあなたも私を裏切る」
って言ったこと、または
恋人や夫・妻から言われたり
したことありませんか？
＊ ＊ ＊
「境界性パーソナリティ障害とは
〇〇な病気である」シリーズです。
今までの記事はこちら。
↓
さて、今回のテーマは
「どーせあなたは」系のセリフ。
最近気付いたんですけど、
どうもこれは
境界性パーソナリティ障害の
常套句っぽいんですよねえ。
常套句 読み方：じょうとうく
似た状況で決まって持ち出される言い回し。
「決まり文句」とも言う。
なぜなら、わたしもかつて何回も
同じセリフを言っていたから(笑)。
そう、何回も何回も何回もです。
そして寛解（症状がほぼ出ない
状態になること）して
カウンセラーになった今、
相談者さんからまったく同じ言葉を
何度も聞くのです。
だからもし、このブログを読んでいて
「あっ！ 自分の話を書かれてる！」
と思った方いらっしゃいましたら、
あなただけの話ではなくて、
あなたを含めた沢山の人の話です。笑
だいたい数ヶ月〜1年くらい付き合って、
境界性パーソナリティ障害の人が
「嫌われないように必死でかぶってきた
いい子の皮」がめくれ上がってきて、
感情が爆発した後くらいに
このセリフが出てくるんですよね。
そしてほとんどのケースで、
このセリフが1回出てくると
その後は何度も何度も言う
(相手の方は聞く)羽目になります。
形を変える場合もございますね。
その他の変形例としましては、
「どうせあなたも私から逃げ出す」
「どうせあなたも私を嫌になる」
「どうせあなたも浮気する」
「どうせあなたはいつか
他の女の子の方を好きになる」
などですかね〜。
多分ほかにもあるんですけど、
あまりにも沢山ありそうなので
この辺でやめときます。
どうでしょう？
ぐっっさああああああああ！
と刺さったやつ、ありましたか？
＊ ＊ ＊
まあ、なんでこのセリフを
言ってしまうかというと、
「心の盾」なんですよね。
おそらくそれまでの所で何度も
ひどく傷つくような目に遭って、
「もうこれ以上傷つきたくない」
という防衛本能から、
“信じない・期待しない”
になってしまうんだと思います。
ものすごく信じていたから、
信じた分だけ傷ついた。
たくさん期待していたから、
その分だけ傷ついた。
じゃあ、信じなければ、
期待しなければ、
裏切られても
傷が浅くて済むのでは？
…という結論が
自動的につけられて、
「どうせあなたは」
「どうせあなたも」
になっちゃうんですよね。
「どうせあなたも
私を嫌になって
離れていくんでしょ」
って盾を作っていても、
いざ本当に離れていかれたら
めちゃくちゃ傷つくのにね。
そうじゃないです？
わたしはそうでしたよ。
＊ ＊ ＊
まあ、とはいえこの「心の盾」は
境界性パーソナリティ障害じゃなくても
誰でも持ってるものだと思います。
じゃあ
「パーソナリティ障害の人と、
そうでない人」
の違いは何かというと、
その言葉を何度も言うことで
自分と相手を催眠状態にする
ってことですね。
催眠状態にする、っていうと
なんか恐ろしい話に聞こえますけど、
ようするに「(自己)暗示」です。
松岡修造さんが
「鏡の中の自分に向かって
『できる！』って言おう」
と言っているんですけど、
これつまり“自己暗示”です。
また、
「できる、できる、君ならできる！」
っていう言葉もあるんですけど、
あれも相手に
「できる！」っていう暗示を
与えているんですよね。
これはハッピーになれる方の暗示で、
「どうせあなたは
私のことを嫌いになる」
はアンハッピーな方の暗示です。
「どうせあなたは
こんなめんどくさい私の
ことを嫌になる」
これ、何度も言っていると
上記の「できる！」と同じ効果が出ます。
つまり
「私はめんどくさい女に
ならなければいけない」
「私はこの人に
嫌われなければならない」
という自己暗示がかかって、
どんどんめんどくさい女になるし、
どんどん嫌われるような行為が
エスカレートします。
嫌でしょ？笑
それがいわゆる
「試し行為(行動)」と呼ばれる
ものですね。
試し行動については下記記事でくわしく
書きましたので、どうぞ。
↓
わたしはかな〜〜〜り前から
「境界性パーソナリティ障害の人の
言いなりになるな、悪化するぞ」
と口を酸っぱくして言ってるんですが、
このためなんですよね。
自己暗示によって
「私はこの人に
嫌われなければならない」
となっているのに、
相手が
「それでもあなたが好き、大切」
って言ってきたら、
「この程度のことじゃ嫌わないのか！」
「じゃあもっともっと、この人に
嫌われるようなことをしなければ！」
「だって私はこの人に
嫌われなければならないんだから！」
ってなりますでしょ。
だからですよ。
＊ ＊ ＊
で、言われた恋人側にも
暗示がかかりますので、
「自分はこの人のことを
めんどくさいと
思わなければいけない」
「自分はこの人のことを
嫌にならなければいけない」
となるわけですね。
うちのカウンセリングへ
相談しに来られる方が、
「あの人のことを好きだし
これからも一緒にいたいと思うのに、
時々イラっとしてしまうし、
すごく苦しいんです」
と言われるのはこのためですね。
自分の心としては
「大好き」「愛してる」
「何が何でも助けたい」
のに、
相手の言葉によって
暗示にかかってしまうので
「めんどくさい」
「嫌になってきた」
と思ってしまう。
これ、催眠術と一緒でしょ？
まあ、完璧な催眠術なら
その催眠状態に疑問を持ったり
抵抗しようとしたりしないんですが。
しょせん素人なので、
暗示が中途半端なのです。
境界性パーソナリティ障害を
患ったプロの催眠術師なら、
もっと完璧な催眠が
かけられるかもしれない。
(そんな人おるんか)
＊ ＊ ＊
じゃあ、当事者さんは
どうやって対処していけば
いいのかというと。
「言わない」。
これに尽きますね。
「どうせあなたも〇〇」って言わない。
言えば言うほど自己暗示
(あるいは催眠)になるので。
で、当事者のお相手の方は
下記の記事を
参考になさってください。
↓
「そんなこと言われても、
できません！
カッとなったら
つい言っちゃいます！」
という当事者さんや、
「ついそんなことないって
言っちゃいます！
とっさに何て言えばいいか
わからなくなります！」
というお相手の方は、
当カウンセリングへどうぞ〜！
(堂々と宣伝)
「どうしてできないのか」
「どうして言葉に詰まるのか」
「どうして相手のいいなりに
なるのを選ぶのか」
っていうところから解明しないと、
たぶん一生そのままなので。
まあ、今の人とは
相性が悪いと思って
別れてみたら解決することも
あるんですけどもね。
しかしそれが簡単にできないから
苦しいんですよね〜。わかる〜。
ごきげんよう、さようなら。
◎境界性パーソナリティ障害をもっと詳しく知りたい方はこちら
◎わたくしのウェブサイト↓
カウンセリングお申込も下記サイトより行えます。
サポート頂けるとわたしの創作活動や生活費の支えになります。支援が増えると更新頻度が高くなります。