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Web3政策に対する参議院議員候補者の見解

■ はじめに

株式会社HashPortではこの度、本日公示を迎えた参議院議員選挙の全ての候補者を対象に、Web3政策に対する議員個々人のお考えをお聞きしたく、候補者の方にアンケートを実施致しました。
結果、120人中11名の方々にアンケートの回答を頂きました。お答えいただいた議員の皆様には、この場を借りてお礼を申し上げます。

■ アンケート概要

本アンケートにおいては、2022年3月30日に自民党デジタル社会推進本部NFT政策検討PTで取りまとめられた「NFTホワイトペーパー(案) Web3.0時代を見据えた我が国のNFT戦略」の中のいくつかの提言をまとめ、賛否をお尋ねするとともに自由回答で意見を伺いました。

■ 質問、及びそれに対する回答

1. 国家戦略の策定について

【質問】

昨今Web3関連市場は急激に拡大しており、米国が2022年3月9日に大統領令を発令しデジタル資産についての国家戦略の取りまとめを命じるなど、世界各国がWeb3時代を見据えた戦略の検討を急いでおります。日本でも、Web3時代を見据えた国家戦略の策定・推進機構として「Web3担当大臣」をおくべきとの意見がございますが、その意見に賛成されますでしょうか。

【回答】

国家戦略の策定について

「Web3時代を見据えた国家戦略の策定・推進」は進めるべきだが、やたらに大臣や役職を作るべきではない。

(無所属・上田きよし先生)

2. ガバナンストークンへの課税について

【質問】

日本ではガバナンストークンに対して、法人税上期末時価評価の対象となり、その含み益に対しても法人税が課されるとの考え方がございます。このガバナンストークンへの課税が、Web3スタートアップの海外流出の原因となっているという指摘がございます。ガバナンストークンの制度上・会計上の取り扱いの明確化を早期に行った上で、株式発行と同じく期末時価評価課税の対象外とする税制改正を行うべきであるとの意見がございますが、その意見に賛成されますでしょうか。

【回答】

ガバナンストークンへの課税について

ガバナンストークンの制度上の位置づけは早急に行うべき。会計上の取扱はその結果によるものと認識。

(立憲民主党・古賀ゆきひと先生)

3. 暗号資産の新規販売審査の迅速化について

【質問】

現在、暗号資産の新規販売のための事前審査が長期間に及ぶため、Web3企業が日本での暗号資産の発行を諦める一因となっているとの指摘がございます。日本のWeb3ビジネスのイノベーション促進のためにも、暗号資産新規発行の審査基準の緩和及び審査プロセスの加速化を進める必要があるとの意見がございますが、その意見に賛成されますでしょうか。

【回答】

暗号資産の新規販売審査の迅速化について

審査の早期化には賛成だが、基準の緩和は慎重に行うべき。マネロン対応が優先ではないか。

(立憲民主党・古賀ゆきひと先生)

4. 暗号資産取引の損益に対する課税について

【質問】

現行の税制においては、暗号資産の売却又は使用により得た利益は譲渡所得には該当せず雑所得に該当すると分類され、最高55%の税率で所得税及び住民税が課されていますが、これは利益が譲渡所得となる株式投資と比べて差異が大きいとの指摘がございます。上場株式等の取引と同様に申告分離課税の対象として20%の税率にすることを検討する必要があるとの意見がございますが、その意見に賛成されますでしょうか。

【回答】

暗号資産取引の損益に対する課税について

金融所得課税全体の再検討のなかに位置づけるべき。申告分離20%を前提とした設問にはやや違和感あり。

(立憲民主党・古賀ゆきひと先生)

5. ブロックチェーン特区の設置

【質問】

Web3ビジネスでは、トークンのような新しい価値流通方法や分散型自立組織(DAO) のような新しい組織形態などこれまでのビジネスと大きく異なる枠組みが必要であり、特例的な枠組みで実験する必要があるとの指摘がございます。Web3ビジネスの法的位置付けや課税関係等を整理し、国家戦略特区を利用した「ブロックチェーン特区」の指定といったDAOの法人化を認める制度の創設を検討する必要があるとの意見がございますが、その意見に賛成されますでしょうか。

【回答】

ブロックチェーン特区の設置

DAOの位置づけは早急に行うべきだが、ブロックチェーンの性質上、特区制度の利用についてはやや違和感あり。

(立憲民主党・古賀ゆきひと先生)

6. その他頂戴したご意見(順不同)

我が党では、今回の選挙にあたり下記のマニフェストを掲げております。WEB3事業、メタバース産業について、日本の成長戦略、文化振興施策として支援拡充を図るとともに、国や地方公共団体など公的機関での導入、活用を推進します。

(日本維新の会・浅田均先生)

Web3.0時代を見据え、わが国のNFT (非代替性トークン)を含むブロックチェーン技術の活用に向けた新たなビジョンや方策については、政府が策定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を踏まえ、関係府省庁が連携し検討すべきと考えます。

(公明党・竹谷とし子先生)

立憲民主党は、ブロックチェーン技術などを活用した権力分散型の Web3 に注目しています。 まずはデジタル政策 PT において、Web3 関係企業家や技術者が安心して日本で産業を育むことのできる体制を作る方向で議論しています。暗号資産の国際的監視を強化するとともに、国際競争力確保の観点から、Web3の発展に大きく関係する暗号資産税制の見直し、法律上の位置づけ、構成員・参加者の法的な権利義務関係等を明確にするよう、分散型自律組織(DAO)の法人化を認める法制度の整備を目指しています。

(立憲民主党・徳永エリ先生、蓮舫先生)

米国バイデン大統領が2022年3月に署名したデジタル資産に関する大統領令に「2021年11月の時点で国家が発行していないデジタル資産は3兆ドル(400兆円)に上る」と書いてあります。これは米政府が仮想通貨業界を国家経済の重要な一部として認めたことだと認識しております。
日本ではアニメやゲーム、知的財産コンテンツを支える豊かな人材がいます。しかし、今は税の問題や規制の問題などがブロックチェーンエコノミーの発展を阻害するのではないかと懸念されていると認識しております。特に、ガバナンストークンがキャッシュになっていない状態でも時価評価で課税されてしまう制度により、海外に優秀な人材や有望なスタートアップが流出していると国会においても議論になっております。
Web3は従来のインターネットのあり方を変え、大きな社会の変革につながる可能性が大きく、わが国としても早急な環境整備が必要だと感じております。

(無所属・平山佐知子先生)

■ おわりに

以上の結果により、現在国内外で注目を集めているWeb3について、議員の皆様の間でも注目を集めており、今後の可能性について大いに検討されていることがわかりました。
本アンケートがWeb3時代の到来、及び、有権者の皆様の投票に寄与するものとなれば幸いです。
末筆ではございますが、本アンケートにご回答いただいた以下の11名の議員の皆様には改めて御礼申し上げます。

浅田 均 先生 (維新)
有田 芳生 先生 (立憲)
石川 ひろたか 先生 (公明)
上田 きよし 先生 (無)
片山 さつき 先生 (自民)
古賀 ゆきひと 先生 (立憲)
竹谷 とし子 先生 (公明)
徳永 エリ 先生 (立憲)
平山 佐知子 先生 (無)
横山 信一 先生 (公明)
蓮舫 先生 (立憲)
(50音順)


■ 弊社について

会社名:株式会社HashPort
所在地:東京都港区芝4-5-10 EDGE芝4丁目ビル10階
代表者:代表取締役CEO 吉田 世博
設 立:2018年7月13日
事業概要:
・ブロックチェーンに関するコンサルティング事業
・暗号資産交換業向けウォレットシステム開発事業
・NFTシステム開発事業
URL:https://hashport.io/


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