自分のせいは自分が

「#自分の性は自分が決める」 − パレットーク11月のテーマに込めた意味

ウェブメディア「パレットーク」では、月ごとにテーマを決めて漫画や記事の発信をしている。11月は「#自分の性は自分が決める」をテーマに、性のあり方の多様性について漫画を発信してきた。

「#自分の性は自分が決める」と聞いたときに、皆さんはどんなことを思い浮かべるだろう?

「トランスジェンダーのこと?」
「LGBTQ+のこと?」
そう思う方も多いかもしれない。

性的指向や性自認、つまりセクシュアリティは"性のあり方"を構成するとても重要で大きな要素だ。しかしそれだけではなく、パレットーク編集部では"性のあり方"をもっと広い意味で捉えたいと考えている。

たとえば、シスジェンダーヘテロセクシュアルの女性(身体的に女性であるということと自分の性自認に違和感がなく、男性を好きになる)であっても、彼女が生きていく上での"性のあり方"は、社会に決められた"女性らしさ"に沿ったものだけではなく、自分で選択していけるようにする、というようなことである。

私たちの生きる社会には、まだまだ普通とされる"性のあり方"と、それを押し付けられてしまう構造がある。〈男/女〉とふたつに分けられてしまった枠と、そこから導き出される様々な情報。たとえば「生まれたときに割り当てられた性別が男性ならば、わんぱくな少年時代を過ごしたのちに女性と結婚して、一家の家計を支えながら子育ては少しだけ手伝う」というように。

こうした"普通のらしさ"に沿って生きることと同じくらい、そうでない生き方を自分で決めて、歩んでいけたらいいと編集部では考えている。そして、遠目から見れば"普通の生き方"をしている人であっても、実は様々な差異を持ち、グラデーションのどこかにいるかもしれない。

"普通"という言葉で自分の"性のあり方"を雑に扱うのではなく、"社会の普通"に自分の"性のあり方"を決められるのでもなく、自分の言葉で"性のあり方"について考え直してみたい。

そのきっかけとして「性のあり方プロフィールシート」を作成した。

11月診断シート02

このシートにある項目以外にも、"性のあり方"を形作る要素は無数に存在するだろうし、要素の隙間という隙間に捉え方の違いがあることも考えると、私たちの"性のあり方"はどれだけの広がりを持つのだろう…と考えさせられる。

このシートを実際に埋めてくださった方の中にも「自分でもまだよくわからない」「このシートでは表しきれない」と感じられた方も多いと思う。自分でも捉え切ることはできないであろう"性のあり方"。ならば、なおのこと他人が勝手にそのあり方を決めつけることはできない。そんなメッセージを込めたのがこちらの漫画だ。


"性のあり方"を決めているのは、セクシュアリティに関わる部分だけではない。"性のあり方"は、社会でどのように性が扱われているかということと常に関係しているからだ。

私たちの社会にはすでに様々なものが〈男性向け/女性向け〉という形でかなりはっきりと分けられている。いわゆるジェンダーバイアスと呼ばれるものだ。おそらく私たちが人生のかなり早い段階で出会うジェンダーバイアスは、おもちゃだろう。

おもちゃの種類がこれ以上なく明確な形で〈男の子向け/女の子向け〉が分かれている環境では、女の子が男の子向けおもちゃを欲しがること、逆に男の子が女の子向けのものを欲しがることは、まだまだ普通ではないと判断されてしまうことが多い。

「男の子ならば戦隊モノが好き」
「女の子ならば着せ替え人形が好き」

こういうジェンダーバイアスは社会から規定されている。ジェンダーバイアスには他にも、「女ならばおしとやかに」「結婚して子育てするのが女性の幸せ」といった価値観を押し付けてくる場合もある。でも私たちは、そのような規範に対して「女らしさは私が決める」と言い返すことができる。

ここであらめて確認したいことは"性のあり方"とは決して生物学的な性だけに還元されることでも、性自認だけに還元されることでもない、ということ。"らしさ"も含めて、"性のあり方"なのだ。

重要なのは、一方的に社会から規定される"普通"に無自覚に甘んじるのはやめよう。自分自身の言葉で、たくさんの要素からなる「性のあり方」を語ろう。

そんな思いを込めて私たち編集部は「#自分の性は自分が決める」のハッシュタグを使っている。

(文章:伊藤まり

パレットークでは、性のあり方や多様性について発信をしています。
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