
「教えて!赤ちゃんフェスティバル」で赤ちゃんたちの好奇心が全開になった!!
こんにちは!ライターのかのです。
2023年10月9日、とうとう「教えて!赤ちゃんフェスティバル」当日。赤ちゃん研究所のここ数年の活動の集大成ともいえる本イベントの様子をレポートします!
息子のぽこ太郎は生後10ヵ月になりました。生後2ヵ月ではじめて赤ちゃん研究所に触れたときはねんねの赤ちゃんでしたが、今はつかまり立ちもできるようになり、どこへでも好奇心の赴くままずりずりとずりばいで進んでいきます。
出会いの道で赤ちゃんの世界を体験しながら入場
会場は二子玉川ライズ スタジオ & ホール。この日は生憎の雨でしたが、授乳室・おむつ交換台が多数設置されたキッズフレンドリーな会場には、お子様連れのお客さんがたくさん!気がはやります。さっそくぽこ太郎と「教えて!赤ちゃんフェスティバルの会場」へ向かった私。
受付で渡されたのは、赤ちゃんめがねとサコッシュ。

サコッシュは、モニターさんとのヒヤリングを経て完成した一品。保育園の送迎のときなど、便利そうです。
赤ちゃんめがねは、ここに至るまでの背景をこれまでに取材してきたので、手に取ると感慨深いものがあります…。
出会いの道で、さっそく赤ちゃんめがねをつけてみました。
「えーーー、こんなに見えないんだ!」とか
「あ、このあたりの色はよく見える…!」とか
いろいろな感想が聞こえてきました。

今日の赤ちゃんの好奇心を探るところからスタート
さて、会場内に入ると、まずは「であいの島」でチェックインをします。
赤ちゃん研究所メンバーの方とお話をしながら、今日の赤ちゃんの様子を伺い、「きょうの赤ちゃん好奇心軸」はどこにあるかしら…と探っていきます。
今日はじっくり観察したいかな?いろいろなものを見たいかな?

今日の気分のシールを赤ちゃんにぺたり。
「会場でどんな風にすごせばいいのか」「ありのままを楽しもう」ということなどをレクチャーしていただきました。
ところで赤ちゃん研究所メンバーの頭に載っている、謎の物体がかわいらしすぎて!!

くるくる、ふわふわ回るギミックに、あかちゃんの目が釘付け!目がキラキラ!好奇心掻き立てられてる…!!
こんなところから楽しませようとしている赤ちゃん研究所メンバーの赤ちゃんおもてなし精神!(なお本作品は、Of Sheepのよしだともふみさんの手によるもの)
作品が動くと赤ちゃんがぴたっと止まる!
さて、ここがメイン会場の赤ちゃん島です!

広いスペースにカーペットが敷かれていて、天井からなにやら釣られていたり、おもしろそうなボックスが配置されていたり。靴を脱いで上に挙がってみました。
早速、ぽこ太郎がくいついたのは、NTT コミュニケーション科学基礎研究所の渡邊 淳司さんが作った「ママやパパの鼓動に触れたらどう感じる?」と「感触」でおしゃべりできるかな?のアイテム。

チューブの両端についたやわらかいボール。一つを握ってつぶすともう一つが大きくふくらむ。あたかもおしゃべりをしているみたいです。
ぽこ太郎は、それを一心不乱にニギニギ、なめなめしています。
下に置かれた台は、聴診器をパパやママの心臓のあたりに当てると、鼓動とシンクロして震える「心臓ピクニック」という作品です。これにもぽこ太郎は興味津々の様子。
そこにすすすっと、こいたさんがやってきて、写真をぱちり!

こいた「お、動くと止まりますね~。わかってるね~~」
確かに、聴診器を当てて、台が動いているとぽこ太郎は「なんだなんだ!?」とばかりにぴたっと止まってる!
このあとも、お友達といっしょに、ひっぱったり、なめたり、ぽこ太郎はしっかり作品を楽しんだ様子。
竹ひごおもちゃ、水槽みたいな箱…楽しい展示が盛りだくさん!
「心音おもちゃ」で遊んだあとは、二重に重なった竹ひごでできた円筒がくるくると回り、素朴な楽しさがある国立大学法人静岡大学 川原﨑知洋デザイン研究室の「竹ひごドーナツ」で遊びます。

それに飽きたと思ったら、今度は配置されていた水槽のついたボックスにしがみつく。最近つかまり立ちが大好きなので、キラキラ光る水槽を注視しながらつかまり立ちの練習です。

興味を引くものがあっちこっちにあるので、ずりばい、つかまり立ちで大移動。親は大わらわですが、楽しい!
時折赤ちゃん研究所メンバーの方が写真を撮影しにきて、気付きをメモに残していきます。

こたえの島には出展者さんごとのパネルが用意されていて、たくさんのあかちゃんの行動観察の記録が残されていました!

親の視点からは、基本的にはあるがままの赤ちゃんを楽しみつつ、ときどき「観察のまなざし」が差し込まれることで、ちょっとだけ客観的に子供を見ることができる、「近づいて」「遠ざかる」を繰り返すような不思議な体験をすることができたと感じています。
最後に「おしまいの島」で、今日の好奇心カードに写真と一緒に自分の気づきも記入して持ち帰ります。

想定と違う遊び方・使い方にたくさんの発見が
ところで出展者の方はこのカオスな環境の中で何を得られたのでしょうか…?
竹ひごのおもちゃを持ってきてくださった静岡大学の川原﨑先生にお話を伺ったところ、以下のようなコメントを寄せていただけました。

「この会場では、たくさんの赤ちゃんたちが、このおもちゃをかじりついている様子が見られました。噛んだり舐めたりすることで、竹ならではの感触を楽しんでくれていたようです。赤ちゃんの成長の度合いなどによって、つかみ方や遊び方が違うのは発見でした。
今回は、静岡市の伝統工芸品である駿河竹千筋細工の職人さんと何か新しいことをしようというはじめたプロジェクトでした。職人さんは、あかちゃんのおもちゃを作ったことがなかったそうで、とても前向きに制作をしてくださいました。
ですが、工芸品として(飾ってもらうということはあっても)、なかなか使っていただくことができないというジレンマがありました。
赤ちゃんが触って遊んでくれたことを伝えたら、職人さんたちもとても喜んでくれると思います」
ちょっと大げさかもしれませんが、赤ちゃん観察って、世の中が複雑化、大規模化したことによって、分断された「使う人」と「作る人」を「観察」によって結びつける取り組みなのかもな…と感じました。
遊びつかれた赤ちゃんがみんなねんねで帰っていく…
最後に、この日行われた振り返り会にも顔を出したわたくし。
赤ちゃん研究所メンバー、出展者さんなどが会場に集まり、気づきを共有していったのですが、そのなかでスタッフの方が「赤ちゃんのなきごえがほとんど聞こえませんでした」「出てくる子供がみんなぐっすり寝ていました」とコメントしたのが印象的でした。
こいた「雨の日って、赤ちゃんは意味もなくぐずぐずしやすいんですが、今日はぐずぐずした子があまりいませんでした。これは、私たちにとってもサプライズでした」
会場のいろいろな仕掛けや展示によってあかちゃんの好奇心が全開になり、ひたすらあそび、最後はあそび疲れてパパやママの腕の中でねんねで退場する…。もし自分が赤ちゃんだったら、そんな体験をさせてもらえて世界一幸せなんじゃない?というストーリーが見えてきました…!
赤ちゃん研究所メンバーの皆さんの、赤ちゃんの好奇心を全開にさせる手腕と、すべてをありのままでうけいれようという姿勢に、深く心を動かされました。
だって、ぽこ太郎も遊び疲れて満足したのか、帰り道はベビーカーでぐっすりだったんですもの。

ふりかえりの会の最中の赤ちゃん研究所5人の背中、とってもかっこよかったですよ。赤ちゃんが成長するように、赤ちゃん研究所もどんどん成長していくみたい。
この先、「赤ちゃん魂」を保ったまま、どんな風に彼女たちが成長していくのか、本当に楽しみです。