全然売れないのが悔しいおすすめ音源たち

どうも、サトパン (@3104punx) です。

最近は多くの人にパジャミンをチェックしてもらってて、入荷からすぐに売り切れてしまう音源も多くなってきました。本当にありがとうございます。

でも、その一方で、ほとんど売れずに在庫をたくさん抱えてしまっている音源もあります。Distroしている音源は、どれも自分たちが何かしらの理由で「いい!」と思っているものばかりなので、正直売れないのが悔しいです。

自分の店で「売れていない」と音源を紹介するのは、もしかしたらレコード屋さんの慣習的にNGなのかもしれません。でも、パジャミンの理念は、自分たちがいい!と思う音源を多くの人に広めて日常に刺激をもたらすことです。

なので、この記事では、もしかしたら業界的には禁じ手かもしれない方法で、取り扱っているおすすめの音源を紹介します。

Kali Masi "Wind Instrument"

シカゴのメロディックパンクバンド Kali Masi が、2017年にリリースしたフルアルバム。一応デビューアルバムになるのかな、メロディックパンクという印象は薄い Take This To Heart Recordsからのリリースです。

モダンな音作りながら、売れ線を狙った音楽や楽しさだけを表現した音楽とは一線を画す深みのある音楽。最初に知ったときに、大好きなバンド Polar Bear Club っぽい!とテンションあがりました。

プロデューサーは、2000年代後半から2010年代前半にかけてパンク・ハードコアシーンにおける数々の名作を手がけてきたDefeater の Jay Maas。仲の良いバンドとSNS上でフックアップしあったりといったプロモーションがあまり上手くないようで、いまいち知名度が上がらないんですが、Hot Water Music や Against Me! といったベテランパンクバンドにも通じるカッコ良さなので、ぜひ一度曲をチェックしてみて欲しいです。

 

Smoke or Fire "When the Battery Dies"

この音源は、パジャミンをこまめにチェックしてくださっているようなタイプの人には刺さらないよなーって思うんですが、自分が好き過ぎるので紹介。1998年に結成された、一度も止まらず今でも活動を続ける珍しいパンクロックバンド、Smoke Or Fire の1番最初のアルバムです。

のちにFat Wreck Chordsからリリースされた作品では、スケートパンクの軽快さと いわゆるFEST系と呼ばれるパンクロックの渋さが見事に融合した音楽性なんですが、この作品は、渋さ弱めのスケートパンク強め、そして荒削り感ハンパないって仕上がりです。

そのまま突っ走ったらエネルギー切れでぶっ倒れてしまうんじゃ?と思わせるような危なっかしさが魅力なんですよね。よく初期衝動って言いますが、まさにそれ。ちなみにDistroしてるのはSay-10 Records から2015年に初のLPとしてリリースされたやつです。

 

Prince Daddy & The Hyena "Cosmic Thrill Seekers"

10代、20代が来場者の多くを占めるアメリカの Emo / Indie Punk / Pop Punk のライブシーンで、今一番勢いのあるバンドと言っても過言じゃないのが Prince D こと Prince Daddy & The Hyena です。

バンドの人気を押し上げることになった2016年リリースの1stアルバムもDistroしてるんですが、そっちはかなり売れてるんですよね。Weezer-Coreなんて呼ばれる作品全体に跨がる音楽性が、やっぱりキャッチーで受けがいいんだと思います。

で、2019年リリースのこちら。全く売れてないってわけじゃないんですが、 こんないい作品がなんで...って感じなんですよね。自分の心と向き合ってありのままを吐き出した3部構成の歌詞も含めて本国では大絶賛されてるって感じで、歌詞をじっくり読み込むリスナーが少ない(自分も基本はそう)日本では、本国ほどの評価は受けづらいのは分かっていますが、単純に曲のかっこよさでもっとみんなテンションあがってもいいのになーって。

音楽性が似ているバンドとして、よく PUP が引き合いに出されますが、Mom Jeans. や Charmer のような最近のEmo Punkが好きな人や、The Story So Far や Real Friends のような Pop Punk が好きな人も絶対気に入ると思うので、聞いてみて欲しいです。

 

Telethon "Hard Pop"

ウィスコンシン州のパワーポップバンド Telethon の 2019年作。かなりモダンでポップなサウンドなので個人 Distro をチェックしてくれてはるような人には刺さりにくいのかなーと思いつつ、音楽性とは対照的に聞けば聞くほど味が濃くなっていくスルメ盤なので、ぜひ1度聞いて欲しいと思うアルバムです。

キャッチーなフレーズで表現するなら「 Modern Baseball meets ナードマグネット」でしょうか。素朴な音楽の良さがキャッチーにパッケージングされていて、すーっと染み込んでくる感じ。悪く言えば没個性的なのかもしれませんが、ステータスを5角形のグラフで表したときに、こんなに綺麗な5角形で表せることも少ないのでは。

こういう音楽はフィジカルで持っていなくてもサブスクで聞けば十分と思われてしまうのが売れてない原因やとは思います。なので、サブスクでもいいんで Telethon のことを聞いてみてください。 

 

Harmony Woods "Nothing Special"

正直、売れてなくて悔しい音源第1位はこの作品ですかね。フィラデルフィアのSSW、Sofia Verbilla によるソロプロジェクト Harmony Woods の1stアルバムです。

2019年にリリースされた2ndアルバム "Make Yourself at Home" は Oso Oso と並ぶ名盤だ!と各メディアで評価されてましたが、個人的には、いやこっちでしょこっち!って感じなんですよね。(2ndもディストロしてますが。)

最近はたくさんのSSWがインディーシーンに登場して人気を博していますが、個人的にはちょっとカッコよすぎるというかアーティスティック過ぎるというかクールで表面上をサラッと撫でてくるような印象なんです。それと比較したときに、Harmoney Woods の歌はめちゃくちゃ温かい。真心のこもった印象を受けた楽曲を聞けば、暖炉の前で穏やかに過ごす家族の風景が目に浮かんできます。で、タイトルが Nothing Special でしょ、完璧すぎませんか。

パジャミンを運営する2人が好きな音楽の基準の1つに、日常の暮らしに溶け込むってのがあるんですが、まさにそんな"暮らしの音楽"です。

 

以上、ほとんど売れていなくて悔しいを思いをしている音源の紹介でした。この記事をきっかけに、誰かに新しい出会いを提供できるといいなって思います。

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