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150万分の0

俺は女子高生が好きだ。間違いなく。一生変わることはない。これまでの人生で、そう断言できる程好きになり、熱中したものは少ないだろう。なぜ女子高生が好きなのか、とよく聞かれる。肉付きのよいふとももや発達している胸、大人びていながらどこか子供のあどけなさを残した可愛らしい顔などの肉体的特徴を挙げればキリがないが、俺の目に映る女子高生全員に共通する特徴がある。みんな希望に満ちている。俺が電車で一人、椅子に座っている時。女子高生の笑い声が聞こえる。街で見かける女子高生は皆、笑顔だ。彼女達も将来の不安はあるだろう。だが、それを感じさせない。俺が住んでいる寂れた田舎街に活気をもたらしているのは間違いなく女子高生だ。
女子高生。
手を伸ばせば触れられる距離にいるのに、触れれば犯罪。心の距離は測れない。高校生は300万人、そのうち半分の150万人は女子高生。150万人いても、俺と仲良く話してくれて、インスタで頻繁にDMして、よく笑ってくれて、放課後なんとなく一緒に帰って、コンビニで何か買って一緒に食べる。気の迷いで恥ずかしいことをしちゃって、お互い頬を赤らめる…そんな女子高生は誰もいない。テストの結果が悪くて落ち込んでも、将来の不安に駆られても、誰も癒してはくれない。人生において、信頼できるパートナーがいた時期がないということはどれだけ辛く、苦しいのだろうか。初めは女子高生を見るだけで楽しかった。カップルだろうが気にしなかった。次第に焦っていく心、気づかずにはいられない。カップルを
見るたび、死体撃ちをされているような苛立ちを抑えられない。
助けてくれよ、解放してくれ、この地獄から。誰も聞き入れてくれない小さな願いは遂に、叶わなかった。この先どんなに社会的に成功しようが、どんなに可愛い人と肉体関係を結ぼうが満たされない「高校生時代の彼女」というあまりにも尊すぎる思い出。一か月で別れてもいい。何年も付き合ってもいい。一時でも「女子高生に愛された」という記憶、それが欲しかった。「高校時代に彼女がいなかった」事実は鋭く尖った刃として一生胸に刺さり続ける。女子高生、俺の希望の象徴。願わくば、一度だけでも君達と楽しく話したかった。話すことすらままならない。種すらまかない者に実る小麦はない。
でも、ただ一つだけ言えることがある。俺は、女子高生が大好きだ____________。