見出し画像

12.人間関係 長野ゲストハウスヘルパー体験記

2021年7月某日 午後9時。宿は休館。みどりちゃん、ももちゃんと夕食を取っていると、すーさんがやってきた。アイスを食べながら談笑。

 どんな仕事でも、一緒に働く人がどんな人かというのは重要なポイントだろう。今回、ヘルパーとして1166バックパッカーズに1ヶ月滞在するにあたり、宿のオーナー飯室織絵さんからはアルバイトスタッフは3名で、ここ1〜2ヶ月で新しく入った、みどりちゃん、ももちゃん、1年ほど働いているすーさん、ということは聞いていたが、それ以外の前情報はなかった。とはいえ、どんな仕事先でも同僚がどんな人物かは入ってみないと分からないことが多いので、今回もそれは同じだった。わたしのメイン業務はそのスタッフのみなさんへインタビューすることなので、たとえ性格が合わない人でも話をきちんを聞くために、そして1ヶ月間楽しく過ごすために“うまくやらなければ”、そんな思いが正直あった。

 宿が休館になった夜のラウンジで、ももちゃんが「なんでこの4人はこんなに仲が良いんだと思う?わたしたちは結構仲が良いよねぇ」と言い出した。
 確かに、休館なので必ず宿にいなければならないわけではない。みどりちゃん、ももちゃん、わたしは現在住み込みなので、休館でも必然的に宿にいることになるが、出かけたければ外に出たって誰も止めない。すーさんは他に家があるが、残務をやりに宿に来てその後夕食も食べずに4時間くらい滞在していた。
 そんな、別に一緒にいなくてもいいけどスタッフ同士でなんとなく一緒に過ごすこと、が昼夜問わずこの日以外も頻発していたので、ももちゃんもわたしたちは仲良しだと思ったのだろう。居心地が悪ければ一緒にいない(いなくても良い)はずなので、わたしも仲が良いんだろうなと思う。

 宿がそこまで忙しくないので時間的余裕があることは大きな要因だが、わたしが思うに、みんな人を受け入れるのが上手なんだなと思う。それぞれ性格や価値観、それに伴う行動や言動は全く違うけれど、違うことを拒否せず「そんなこともあるよね、それもむしろありだ」と思える人たちだから、一緒にして安心するし、ここに居てもいいんだなと感じられる。わたしも彼らと一緒に過ごすことは本当に楽しい。最高だ。

 しかし、それはわたしが仕事上の役割や責任から一歩外に出て、“人間として”一緒にいられるからなのかもしれないと思う。例えばものすごく極端だけど、わたしがこの宿のオーナーで、彼らの雇用を守ったり、ゲストが心地よく過ごせるように彼らに動いてもらわなければならないという場合、四六時中べったり一緒にいて、アイスを食べてへらへらしているわけにはいかないだろう。そんな意味で、わたしの勝手な解釈だが、実際のオーナー飯室織絵さんの気づかいや優しさが垣間見えることは多い。

 織絵さんが、ありがたいことにブログにわたしのことを書いてくれたようだ。記事を読んで思うに、多分宿スタッフとの人間関係は“うまくいった”のだろう。記事にもあるが、ヘルパーという立ち位置、住み込みという住環境、年齢的要因が絶妙だったのだなとわたしも感じる。とはいえ、織絵さんのインタビューという仕事の振り方や、なによりスタッフみなさんのパーソナリティが、それぞれうまく噛み合って良い雰囲気をつくり、その中でわたしものびのび過ごせた。みなさん、ありがとうございました…って最終回みたくなっているが、滞在期間はもう少しあるのでまだ続くはずだ。

(余談だが、スタッフ同士仲が良いことは、すごく大切だと思う。しかし仕事がなあなあになったり、変な内輪感が出てゲストが居心地悪く感じる危険性もある。それはスタッフも注意をはらい、ゲストが居心地良く過ごせることが最優先というのを大切している。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?