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アメリカ縦断ぼっち旅 12日目 シスキュー湖満喫


7時に起床。
恐る恐る辺りを見回す。

熊は、いない。

確認してから慎重にテントから出る。
大丈夫そう、一安心。


早起きしてしまったので湖畔まで散歩すると、朝日が湖面を幻想的に変えていた。



霧?立ち上る湖面とクリアなシャスタ山はとても美しかった。
朝日ですっかり身体が目覚めたので、火を起こして朝食。



軽くて栄養も少しあるこのクラッカーみたいなやつは、キャンプで何度か買っている。
これにホテルなどで頂戴したバターやジャムをつけたりする。パンをカリッカリに乾燥させた感じ。

トイレに行こうとしたら、昨夜倒されたゴミ箱から出たゴミが、動いていた。
私が寝た後にまたクマが来たようだ。
ゴミ箱にはクマの爪痕が…




9時ごろ、重低音ガンガンで「ハイウェイスター」をかけながら一台の車が止まる。キャンプ場の車、清掃員だ。
激しいギターが響き渡る中トイレを掃除して、クマに倒された巨大なゴミ箱を起こしている。

そのうちにこちらに歩いてきた。
トイレで充電させてもらってたままの、私の携帯とそのケーブルを、手にしている。
勝手に充電するなとか怒られるかな…

「これ、お前のか?」
 -そうだよ…
「ほら、忘れてただろ。」
親切で持ってきてくれたのだ。
なんだ、すごく話しやすそう。

-ゴミ箱がクマに倒されてたね。
「あぁ、いつものことだよ。あいつら賢いから、ゴミの収集日の夜には来ないんだぜ。」
 -へぇー!クマにそんなことわかるんだね!
「クマ怖くないか?毎晩出るし、人もいないし」
と心配されている。
優しいおじさん!
ついでにパンサーメドウに行きたいけど車が無い話をしてしまえ。
「送ってやりたいんだがなぁ、仕事で出られないな」
都合が合わなそうだ。
「この辺の人はだいたい良い人だからヒッチハイク全然大丈夫だよ、みんなしてるよ?」
ヒッチハイクねぇ…考えてみよう。

一度さよならした後、おじさんが車の荷台をゴソゴソ。なんと大きな薪を数本持ってきてくれた。「あったかくしろよ、なんかあれば言ってくれよ」
あ、あ、ありがとー!


そんなこんなで、気づけばもう朝の10時過ぎ。シスキュー湖畔一周トレイルに出かけよう。

距離にして約10km。
平坦だから体が楽チン。
マウンテンバイクにとても良いルートだった。ただ歩くにはちと遠い感じ。


思ってたより景色もトレイルも良かったし、途中せせらぎなんかもあったりして飽きなかった。




トレイル途中で、私の大好物ブラックベリーの群生地発見。小さめだからこの辺の固有種かな?
テンション上がる上がる。
犬がたくさん散歩してるから、おしっこの届かない高い位置のものをとる。



甘い香りがそこら中からする。軽く洗って食べたらめちゃくちゃ甘くて美味しかった。
鋭いトゲだらけの低木なので引っかき傷だらけになるけど、気にしない。

景色を楽しみながらのんびり半日近くかけて歩いた。途中クマと思われる大きなフンを見つけてドキドキ。

帰ってきてすぐシャワーと洗濯。
コインランドリーは他のとこに比べて遥かに安い。洗濯物を取り出していると、
昨日のステーキおじさんが声をかけてきた。

「今晩はトラウト料理だぜ。食べに来るか?」
 -いいねー!食べに行くよ。
「またクマが来るだろうし、お前のテント俺のトレーラーハウスの横に持ってきな。」

それだったらありがたい。

ステーキおじさんが迎えに来る18時までに、テントサイトで洗濯物広げて乾かしたり遅い昼ごはん食べたり。
リス以外、周りに誰もいなくて心細い。



乾燥してるから洗濯物乾いた。
そろそろお迎えの時間だな。
念入りに水をかけて完全に消火。
これが山火事になったら大変だし。


テントを撤収して荷物をステーキおじさんの車の荷台に放り込む。朝掃除のおじさんからもらった薪も積む。

トレーラーハウスの近くにテントを張り直して一安心。
おじさんは鼻歌を歌いながら料理。
鼻歌といっても、
「フンフンフン、フフフ、フン」
歌というより、リズム?ずーっとフンフンしてる。


ご飯は、とても美味しかった。
トラウトのホイル焼きとアスパラ、ブロッコリー、蒸したジャガイモ。お腹いっぱい。

食べながら、このおじさんの自宅はサクラメントにあること、キャンプシーズンだけここにバイトにトレーラーハウス引っさげて住み込みで来てること、オーナーはもと野球選手で、おじさんの息子も野球選手なんだということ、など話してくれた。


そして。

なんと、明日パンサーメドウ まで車で送ってくれる、という!
おじさんの仕事は朝夜にゲートの鍵とゴミ箱の鍵のを開錠、施錠らしい。つまり、昼間は仕事が無い。
「明日シャスタの車屋に修理に出しに行くから、そのついでだよ。」
本当に行けるとは!!
ありがとー!ステーキおじさん!!
ありがとー!神さま!!
流れ星効果絶大。

RVサイトだから食料保管箱が無い。
食料類をトレーラーの中に入れさせてもらう。

夜も更けた頃、起床時間を決めてそれぞれのお家へ入る。

楽しみだなぁ。

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