鼓動。

キミがいるだけで
ボクの胸は
張り裂けてしまいそうだ

グッと胸にしまった
秘密の言葉

いつかきっと
恋をして
誰かを大切に思えたら
アナタにもわかるはず

ボクを養う
お姉さんはそう言った

口から心臓が飛び出して
ドキドキした音が
キミに気づかれそうで

夏だからって
新調した
新しい帽子に
飾り付けた黄色い花

走り出した
スカートのすそ
ヒラヒラ

ポシェットの中で
キモチ騒ぐから

夏休みに
プールに行こうって
言ったのは
キミのほうだ

灼けた小麦色の肌
白いタオル

どんなことも
眩しくて
輝いてて

「一緒に入ろ」
キミがそう云って

ボクを車イスから
おろそうと
抱きかかえるように
身体を寄せる

濡れた髪
頬に擦れる

顔が燃え上がるように
火照り出す

細い腕
ボクに絡みつくように

ボクも
腕を絡め抱きしめる

ゆっくり水の中へ
抱き合いながら
入ってく

水面に顔だけ出した
キミの唇が
すぐ目の前で動く

ねぇ
大丈夫？

重なり合う
胸が照れくさい

恥ずかしくて
聴こえないフリした

この時間が
永遠に続くなら

この瞬間が
止まったらいい

夏休みは
これからだ

名刺記事。｜伊藤ぱこ｜note

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あした


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