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2019.12.16

2016年9月1日、僕はVilla della Paceというレストランを開業しました。

今この記事を書いてるのが2019年の12月なので、オープンして3年と3ヶ月。飲食店の35%はオープンして1年未満に閉店するというデータがあります。次の閉店のピークは3年を過ぎたあたりで、この時期に閉店するお店は20%。つまり、飲食店の半分以上は3年で潰れてしまうという事になります。(諸説あり)

僕のお店はなんとか3年が経ち、とりあえず半数に生き残ることが出来ました。ちなみに10年続く店は1割程度だそうです。飲食業界には「10年で奇跡、30年で伝説」という言葉があります。

https://www.amazon.co.jp/シェフを「つづける」ということ-井川直子/dp/4903908585

この辺りの話はお店を始めるにあたり、そこそこに学んだつもりではいましたが、なぜ「10年で奇跡」とまで言われるかは実際やってみないと分からないもんだな〜というのが感想です。開業前なんて変に自信持ってるし、勢いも大事だと思いますが、なんとかなる!と思っていてもなんとかならなかったことは沢山ありました。挙げればキリがないですが、実際に営業してみると自分が思っていた通りの店には全然なっていなかったです。

思ったような料理が作れない(単純なスキル不足や機材も不足)、席数も取れないし、お客様から色々指摘をされても追加工事をするお金もないし、売上ないと人件費も払えないので店も閉められない、やってみてああすれば良かった、こうすれば良かったって思うところはいっぱいありました。結果としてみると、未熟で甘かった自分には開業してみてようやく気が付けたと思います。本気でやっているつもりではいましたが、努力も経験も全然足りていませんでした。

かといってお店を始めて後悔しているかといえば全然そんなことはなく、3年経ち少なからず成長出来ている実感もあるし、東京にいた時よりも間違いなく充実した生活を送れています。移住した当初より確実に良い食材は集まりますし、山へ入ったり地域の色んな場所に足を運ぶことでインスピレーションも得られるようになりました。ようやくなんとか店として形が整い出してきたように思いますし、料理人としてもやっと自分のスタイルが見えてきたのかなというのが今の段階だと思っています。

僕は元々文章を書くのは好きだし、自分が作る料理のことや、食材のこと、地域のことや山や海のこと、あと来年はちょっと大きいことを考えていて、それについてもゆっくりと順々に書き留めていきたいと思っていて始めてみました。書きたいときに書いていきます。

2019.12.16



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