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野球ライター・西尾典文が選んだ2021年アマチュア野球「ベストパフォーマンスプレイヤー」を発表!

プロアマ野球研究所の2021年の配信は今日が最後になった。今年を振り返って、主任研究員の西尾典文が今年現地で見た429試合(12月27日時点)の中で最も心に響いたプレーを見せた選手について投手、野手それぞれ1人ずつ選出したい。なお、今年1年や過去も含めたトータルではなく、あくまでもその試合単体でのパフォーマンスで評価した。

<投手>小園健太(市和歌山) 2021年DeNAドラフト1位
7月25日 全国高校野球選手権和歌山大会 対高野山戦
5回 被安打1 0失点 8奪三振 0四死球

 素晴らしいピッチングを見せてくれた投手は多かったが、中でも1試合、1人を選ぶとなれば、夏の和歌山大会準決勝の小園になるだろう。この日は、第2試合に智弁和歌山も登場するということで、会場となった紀三井寺球場は早朝から長蛇の列で、スカウト陣が席を探すのに苦労するほどの日だったが、そんな注目の中で見せた小園のピッチングはさすがの一言だった。

1回はツーアウトから不運な当たりのヒットを許したものの、アウトは全て三振で奪うと、2回から5回までは1人の走者も許さずに、高野山打線を完璧に抑え込んで見せたのだ。

特に圧巻だったのが、プロからも注目されていた4番の渡辺大和(3年)との対戦だ。6月の練習試合でも三打席連続三振を奪っていたとのことだったが、この日も2打席連続三振と全く仕事をさせなかった。

一度対戦したことがある相手となれば、打者の方が有利なことが多い。それでも完璧に抑え込むところに小園の凄さがよく表れている。渡辺以外の打者に対しても、常にストライク先行で考える暇を与えず、5回を投げて8三振を奪ったにもかかわらず球数はわずか62球という少なさだった。

試合は、市和歌山打線が繋がったこともあって5回コールドで終わったが、仮に9回まで続いていたとしても、得点が入る可能性は極めて低かっただろう。

ストレートと変化球でフォームが変わらず、捕手からの返球を受けてすぐにモーションに入るテンポの良さと、全てのボールをコーナーに投げ込むコントロールの良さは近年の高校生では、記憶にないレベルである。

智弁和歌山が夏の甲子園で全国制覇を達成できたのも、小園を攻略するためにレベルアップしてきたということが大きかったはずだ。高校では目標としてきた全国制覇は達成できなかったが、プロでは、その悔しさをバネに球界を代表する投手へと成長してくれることを期待したい。

◆野手の「ベストパフォーマンスプレイヤー」は誰だ!?

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