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記事一覧

労働力調査がかかえる高齢者区分のおかしさ

労働力調査がかかえる高齢者区分のおかしさ

要約労働力調査は「70歳以上」の人をもっと細かく分けるべきや。今のままやと高齢者の実態が見えづらいし、雇用政策もうまく立てられへん。15歳から80歳までを労働力の中心とする区分を作れば、高齢者の働き方に合わせた対策ができるようになるんやないかと思います。

労働力調査労働力調査って簡単に言うと日本の人たちがどんな仕事をしてるか、どんな人が仕事を探してるか、そういうのを調べる調査やねん。

毎月、統

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交通事故による死亡/人口動態調査

ニュースでよく見かける死亡交通事故。

ニュースはレアで特異な事象を取り上げがちで、毎日見聞きする死亡交通事故は今でもありふれているかのような印象を与えていしまいます。

死亡総数に占める交通事故による死亡数毎年100万人以上が亡くなる現代の日本。近年の交通事故による死亡は高々4,000人であり、死亡総数に占める割合は大きくありません。

性・年齢階級別死亡数交通事故によって亡くなった方にはどのよ

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がんによる死亡/人口動態調査

がん。悪性腫瘍。悪性新生物。

医学の進歩によって治療技術が向上したり、選択肢が増えたとしても、がんによって亡くなる方は存在し続けるでしょう。

死因別統計をみれば、がんによる死亡の過去から未来を見通せるでしょうか?

死亡数2020年にがんで亡くなった方は38万人ほど。性・年齢階級別にみれば下図のとおりです。

年齢でいえば60代以上、性別でいえば男性が多い死因となっています。

図の右下線グラ

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ニッポンの死亡/人口動態調査

誰がいつどこで死ぬかはわからない。わたしがどのように死ぬかもわからない。

しかし「日本全体」で統計データみたとき、死は予測可能な現象になる。

この不思議の一端を共有してみましょう。

死亡数20202020年の年間死亡総数は137万人ほど。都道府県別の人口でいえば、山口県一つに相当します。

性・年齢階級別にみれば下図のとおり。

図の右下線グラフは1950年から2020年までの男女別総数推移

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【参院選】投票者数/有権者数(性・年代別)の推移

【参院選】投票者数/有権者数(性・年代別)の推移

2022夏、参院選。
7月10日の投開票日を前に、国政選挙における投票者数と有権者数の詳細を振り返っておきましょう。

データソース今回紹介するのは下記サイトのPDFから入手したもの。国政選挙各回の投票状況を抽出調査しています。全数調査でないことに注意。

投票率と投票者数下記のnoteでは投票「率」について調べました。

「割合」や「率」の調査では全数調査でないこと、標本抽出調査であることは大き

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【参院選】国政選挙投票率(性・年代別)の推移

【参院選】国政選挙投票率(性・年代別)の推移

2022夏、参院選。
7月10日の投開票日を前に、国政選挙における投票率の詳細を振り返っておきましょう。

データソース今回紹介する画像や動画はすべて下記サイトのPDFから入手したデータにもとづいて作成したものです。

このサイトではおおまかに10歳ごとの年代別投票率推移が図示されています。

これを5歳階級、さらに男女に区別して示すのが本note。

衆参直近2回参院選2016(安倍内閣)

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再婚相手は初婚?再婚?男女別にみた再婚環境の変化

再婚相手は初婚?再婚?男女別にみた再婚環境の変化

日本人の結婚に関する状況はここ70年ほどの間に変化してきました…さて、どのように変化したのでしょうか?

夫妻別にみた場合男女(夫妻)別、さらには初婚と再婚を区別して婚姻件数の推移をみると、以下のようになります。

年齢別にみた場合など、より詳しい情報はこちらのnoteで検討しています。

さて、上記のグラフやリンク先記事では「相手が初婚なのか再婚なのかは分からないデータ」を使用しています。

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結婚人口ピラミッド(初婚版・再婚版)/ゆりかごから地獄まで

結婚人口ピラミッド(初婚版・再婚版)/ゆりかごから地獄まで

「結婚」という人生の一大事を、「統計」のレンズを通して遠目に眺めてみる。そんなYouTubeチャンネルを作成しました。

日本人の結婚統計未婚者が既婚者へ、離別者が再婚者へ。結婚には法的な手続きが伴うため、正確な統計が整備されています。ここではまず、厚生労働省の人口動態調査をもとに作成した、1952年から2019年までの婚姻件数のグラフで概観してみましょう。

「夫」となる者、「妻」となる者。さら

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【2020.09】コロナ禍、失業者の増加と期間長期化

【2020.09】コロナ禍、失業者の増加と期間長期化

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、経済状況に急速な変化が起こりました。

その影響は企業の売上高を低下させたのみならず、会社で働く労働者の雇用をも脅かしています。

本記事では総務省の「労働力調査」に基づき、完全失業者について性別ごと・失業期間ごとの人数をグラフを用いて詳しく検討します。

男女計まずは男女を合計した総数から。失業期間ごとの完全失業者総数の長期変化を見たグラフがこちら。

「バ

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【統計ミス?】1984年、鹿児島県、合計特殊出生率「20.3」

【統計ミス?】1984年、鹿児島県、合計特殊出生率「20.3」

都道府県別に合計特殊出生率の推移を示す動画を作成しました。

データの出所は、人口動態調査(厚生労働省)。政府統計の総合窓口であるe-Statからデータファイルをダウンロードしています。

対象となる年次出生率に関するデータは人口動態調査内の項目「出生」で年次ごとに提供(目次リンク)。

「合計特殊出生率」は1988年以降の年次からデータファイルとして提供されるようになりました。が、ややこしいこと

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東日本大震災が東北3県の人口動態に与えた影響を静かに見つめる3動画

東日本大震災が東北3県の人口動態に与えた影響を静かに見つめる3動画

2011年3月11日の東日本大震災から9年。

出生と死亡に基づく自然増減、転入と転出に基づく社会増減。東日本大震災が岩手県・宮城県・福島県のこれら人口動態に及ぼした影響を短い動画にしました。

なおデータの出所として利用した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」では、2012(平成24)年以前の人口動態を3月を期末とする年度で集計していました。

そのため、2011年3月に発生した

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2018年、山口市のチョコレート支出金額が大きすぎない?【チョコレート統計・後編】

2018年、山口市のチョコレート支出金額が大きすぎない?【チョコレート統計・後編】

当noteはこちらの記事をきっかけに書かれました

前編を読んでいただくとわかりみが増すかもしれません。

2018年の不自然な値冒頭に紹介した記事より引用。

山口県がなぜチョコレートを大量に購入しているのか、その理由は不明。名産品にチョコレートに関連するものは見当たらず、話題に上るようなイベントや施設があるわけでも無い。

もっとも2018年分においては山口県と他の地域との差があまりにも大きな

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バレンタイン商戦が最も盛り上がる地域ってどこ?【チョコレート統計・前編】

バレンタイン商戦が最も盛り上がる地域ってどこ?【チョコレート統計・前編】



2020年2月10日に出された、チョコレートに関するこちらの記事に触発されて。

記事内では2018年が総務省統計局「家計調査」の最新データとして提示されていますが、実は2020年2月7日に2019年のデータも公知されています。

最新版を踏まえ、チョコレートの統計を探ってみましょう。

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家計調査に関するトリビア早速チョコレート統計を確認する…前に、総務省統計局「家計調査」について少

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【統計ミス?】小学5年、男、体重。1978年度、長崎県、「20.8 kg」…これは怪しい

【統計ミス?】小学5年、男、体重。1978年度、長崎県、「20.8 kg」…これは怪しい

こんな動画を作成しました。

小学五年生男子の平均身長と体重がどのように推移したかを表した動くグラフです。

突如の低体重動画作成時、急に低体重方向へ動く点があり「ん?」と目を向ける。

1978年度。

長崎県。

元データに戻って調べてみました。

やはり、突然の低体重化。

ある年の小学5年生だけ平均体重が10 kgも下がることは考えにくいのですが…。

他の都道府県と比較してみましょう。

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