2021年5月 - 今月のスナップとエッセイ
5月16日、東海地方は梅雨入りした。
昨年より25日早く、例年より21日早い。
インド洋で対流活動が活発になっている影響で上空の偏西風が「蛇行」し、大陸付近で南に曲がったあと、日本付近で北へ曲がる動きを見せ、太平洋高気圧は、例年よりも早く西に張り出して梅雨前線が押し上げられる形となっているとのことだ。
わたしたちは、地球の上に生かされている。
福井県立恐竜博物館を訪れた。
「恐竜!?行ってみたい!」という夫の言葉と、施設が高評価であることから足を運んだ。
わたしは恐竜についての知識は全くなかった。1989年、福井県勝山市から化石が発掘されたことも、それがフクイサウルスと呼ばれることも知らなかった。
福井県立恐竜博物館。
そこはわたしにとって、人生で最も感銘を受けた博物館になった。
無数にある恐竜の展示、その大きさと迫力は素晴らしいものだった。そして、こんなにも大きい生き物たちが絶滅したことを知って、心が空っぽになった。
さらに50億年後、世界の大陸はまたひとつになって、最後に地球は消滅することを知った。人類は50億年後、この地球にいるだろうか。きっといないだろうな。この地球もなくなってしまうのだ。
わたしたちは、地球の上に生かされている。
そんな簡単なことも、忘れていた。過去の人類の努力で、現在のわたしは快適な生活を送っている。しかし、これだけ人類が様々なものを作り上げていても、大雨が降り、地震が起き、山が噴火すれば、わたしたちはそれらに太刀打ちできない。
人類と呼ばれるこんなにちっぽけな存在が、こんなに大きな態度でこの星に暮らしている。
たくさんの争いが起こり、他の生物を無下に扱い、環境を破壊して、えらそうにしている。もちろん、それが全てではないが。
わたしたちは、地球の上に生かされている。当たり前のことが、心深くに刻まれる。ただ、生かされている存在なのだ。もっと、もっと、謙虚になりたい、そう思えた。
福井県立恐竜博物館から、とても良い刺激をいただいた。
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話は大きく変わるが、わたしの住む街は、このコロナ禍でおどろくほど様々な店が閉店を余儀なくされている。
夫と初めてデートしたカフェも、思い出のバーも、みんな潰れてしまった。
最近、昼食に利用している行きつけの店も閉店することが決まった。話はしなくとも、毎日ように見かけていた店員さんに、もう二度と会わないのだろうなと思うと、心が切なくなる。
世界はかわりゆくものだが、ここまで急速に変わってしまうと、やはり戸惑いをも隠せない。TVで、東京の街も様変わりしていると聞いた。梅雨空のように、どんよりした気持ちになる。
それでも、死ぬまで生きるしかない。それが、地球の上に生かされている生命の定めだろう。今年も紫陽花が咲いた。それもきっと、定めだ。
来月は、何が撮れるだろう。
それでは良い写真生活を。
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