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"P-Achira" 短歌・俳句集

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稲見晶の短歌・俳句を集めたマガジンです。ときどき短歌・俳句以外の短い詩も入ります。内容は随時追加します。
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記事一覧

前を行く踵にもみじ黒い傘

稲見晶
1年前
1

昨日まで気のせいのような金木犀
今夜は秋に目を瞠れよと

稲見晶
1年前
3

夜空に秋の底の音を知った
コントラバスが全音符を奏でている

稲見晶
1年前
3

午前二時風の音に醒め背を丸めペットボトルの水の影見る

稲見晶
2年前
1

雨の気配湿った風に肯んずる
あおい紫陽花きみのおもかげ

稲見晶
2年前

肌寒さ梅雨空は目に手に耳に
濡れた地面のにおい久しく

稲見晶
2年前
4

牡蠣を呑む潮のしたたり可視化され

ワイングラスに
ただのおみずを
いれて飲むのが
なんだか好きだと
気づいた今夜

稲見晶
3年前
2

今朝がたはあやしうゆかし さくらの樹
如月の幹 いろ張りつめて

稲見晶
4年前
1

往きに白く帰りに甘き沈丁花

稲見晶
4年前
3

満月も渋谷の空に捜せずに蜂蜜色のさみしさを噛む

稲見晶
4年前
2

かじけ猫黒いタイツへ近う寄れ

稲見晶
4年前
4

細胞をフルスキャニングできたなら ごみ箱に入れ空にできたら

稲見晶
4年前
2

落雷に死したヒグマの味を知り以来数十万年間もやみつき