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図書館で身につく知識の「おまけ」

学生と社会人は、何が違うのでしょう?

月にいくら稼いでいるかや責任の重さなど、ぱっと思いつく違いもあると思います。しかし、大学4年生と社会人1年目なら、歳もほとんど変わりませんよね。

私は、子どもと大人、学生と社会人の違いは人生の節目を自分で決められるかどうかだと考えています。

子ども(学生)の頃は、人生の節目はすべて決められていました。義務教育の期間なら入る学校はもちろん、学校を入学・卒業する時期や進級する時期など、いつなにをやるか、が明確でしたよね。中学を卒業したら高校、高校を卒業したら大学、大学を卒業したら働きに出る……と、しっかりと道筋が分かっていました。

しかし大人になったら、そういうわけにもいきません。今の仕事を続けるのか。転職するとしたら、いつするのか。結婚はするのかしないのか。子どもを持つか持たないか。スキルアップをするかしないか……。全て自分自身にかかってきます。

私自身、社会人2年目になり、「自分で決める」ことの大きさを実感する毎日です。そして、自由には責任が伴います。子どもの頃は親が守ってくれましたが、今となっては自由と引き換えに保護を失ったのです。

自分の選択が、将来どのような結果を及ぼすか。日本では、基本的にどんな道でも選べます。そして、自分の親世代よりもさらに自由度が増した現代。グローバル化が進み、生きる場所自体も外国という選択肢が簡単にとれる時代です。人生の選択肢はどんどん増えているのです。

無数の道の中から、どれでも好きなものを選べるこの時代。必要なのは、やはり選択力です。

そして選択力を付けるトレーニングをする場として、図書館はピッタリの舞台だと私は考えています。なぜなら選ぶ対象(図書館の場合は本)が無限にあり、すべて無料なのですから!

借りられるシステム上の上限冊数。自分が持って帰ることのできる量。返却期限までに読み切れるか。借りたあとも、どんなペースで読んだら返却期限に間に合うか、など、図書館を利用することで自然と使う計画性選択力は、この現代社会を生きる上で欠かせない能力です。

図書館と聞くと、本を読むことで知識を得る場所、というイメージが強いと思います。しかし図書館で働く中で、図書館は生きる力を育むためのトレーニング場だと実感しています。

本を読む人は、そうでない人よりも成功する人が多いと聞いたことがあります。その理由は、単に読書で知識をつけたからということだけでなく、図書館に足を運ぶことにより、計画性や選択力が身についたからだとも言えるかもしれません。

読書好きな方はもちろん、本が苦手な方でもぜひ一度、図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかると信じて。読書は冒険の旅、図書館は壮大なアドベンチャーへの入口なのです。あなただけの「一冊」を探す過程で、自然と計画性や選択力が身につくでしょう。それが目当てでもいいのです。「おまけ」の能力が身につく頃には、必ず運命の本に出会えるでしょう。

この記事が、読書嫌いな方を図書館に導くきっかけになりますように。
そして本好きさんは、まわりにいる本と縁遠い方に、この記事をこっそり教えてあげてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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