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ベニクラゲ団

不老不死の生き物といわれている「ベニクラゲ」から名付けられた生命体探査機関「ベニクラゲ団」。たとえば、地球探査では、太陽光が届かない深海に棲む生物やベニクラゲ、ハダカデバネズミなどの歳をとらない生物、生命の誕生など研究している。今回は、地球以外の太陽系での生命体の探査についての話を紹介する。

エウロパ探索(木星の衛星)

”エウロパ”は木星の衛星で昔から生命がいるのではないか、と注目され続けてきた。その理由は、大量の水(氷)の存在だ。ただ、大量の氷があるため、直接的に観測することは困難になっている。そこで、例えば、ミューオンのような素粒子を利用した透視技術で分厚い氷の下の様子を観測できないか検討している。生命体がいたとしても、地球のそれとはかなり異なっていると想像できる。ほとんど、太陽光の届かない海の底で何をエネルギー源にして、生命活動を維持しているのか。海底火山から噴出してくる無機物などをエサにして生きているのか、想像はふくらむが今までのところ、これといった有望なストーリーはない。

タイタン探索(土星の衛星)

”タイタン”は土星の衛星。液体の存在が確認されているが、それは水ではなく、メタン。生命体が存在したとしたら、その体の成分の大部分はメタンとかエタンから成り立っているのかもしれない。大気はほとんどが濃い窒素でとても生命体が存在できそうにもない。ただ、炭化水素が多い事実から今後、数億年かけて進化して何らかの生命体が生まれる可能性はあるだろう。こちらも想像はふくらむが、まだ、納得のいくようなストーリーはない。

金星

金星には海がないので、大気中に生命体が存在しているのではないかと探索している。大気には、二酸化炭素や濃硫酸の雲があり、とても生命が生存できそうにないが、それは地球と比較したときの話。実際、最近になって自然界の通常の化学反応では合成されないホスフィン(リン化合物)が観測されたようだ。これだけでは、生命体の証拠にならないが、金星大気を再現した実験や化学物質の観測などによって新たな発見があるかもしれない。いずれにしても、巨大な生命体ではなく、大気中を浮遊しているような小さなものではないか、と推測している。

あまりにも奇跡的

昔は、宇宙人といえば火星のタコ型宇宙人みたいなものを想像していた。いまでは、生命体は人の形をしている必要はなく、小さな有機体でもその候補となっている。宇宙にばかり目を向けているが、いざ地球の生命体に注目してみよう。何億年前の先カンブリア紀、古生代を経て、恐竜時代、それ以降、本当に多種多様の生き物が生まれてきた。こんな奇跡、偶然があるだろうか。人間のエゴで環境を破壊し、こんなに美しい貴重な生き物を絶滅させてはならない。日常的に、当たり前に多くの生き物を目にするあまり、そのすごさに鈍感になっている。「ベニクラゲ団」は、宇宙生命体の研究を通して、身近な生命体も含めてほぼ確率ゼロで誕生してきたすばらしい自然現象を広く訴えるべく、昼夜を問わず研究に励んでいる。


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