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プロダクト系議論をチームでするときのコツ

「プロダクトビジョンを定めたい!」しかし、一人で考えても浸透しないし、人を巻き込んで抽象度の高い議論をするのも難しいし…という方に向けて、最近気づいたコツを言語化してみます。

✅ 重要な議論ほど人数を絞る。MAX5人。

「ビジョンは重要なので各部署から代表者を集めて…」などとしているとあっという間に大所帯になります。大所帯で議論はできないので、コアメンバーとレビューメンバーに分けて、議論はコアメンバーで進行しましょう。

リモートで実施する場合、議論の難易度が上がるのでコアメンバーはビデオを必ずONにして安定した回線を用意してもらいましょう。難しいメンバーはレビューメンバーになってもらいます。

✅ 民主主義的な決定をしない!を共有する

多数決での意思決定は最悪です。その会議の参加者の人数比率によって決まります。エンジニアとビジネスサイドの参加者のどっちが多いかで決めるのは意味がありませんし、意思決定の根拠がありません。

意思決定をする人は必ず一人に決めましょう。ただし、その人の独断で判断するわけではなく、議論の場で十分な発散と収束を繰り返して、長所も短所も飲み込んだ意思決定をするようにしましょう。

✅ 解決すべき問題を共有する

「プロダクトビジョンをつくろう!」という集まりは「プロダクトビジョンができた!」で終わります。しかし、それが良いプロダクトビジョンなのかどうかがわかりません。

その議論によって何が解決されることを目的にするのかが、良さを決めます。Whyを共有し、忘れないように定期的に見返すようにしましょう。

✅ 議論の全体像/現在地点を共有する

ビジョンは今から5分でそれっぽいワードを考えることもできますし、3ヶ月掛けてじっくりユーザー調査や競合調査をして考えることもできます。これから、どういうフローで議論をするのかの地図を1回目の会議では考えることをおすすめします。

この地図は会議の最後に更新していくと良いです。あとどれくらい時間がかかるのか、今なぜその話をしているのか、どれくらいその話を深堀りするべきなのか、などが分かって迷子にならなくなります。

✅ 2時間集中 & 一晩は寝る & 枝葉を剪定

会議時間は短いほうが良いトレンドの中恐縮ですが、会議時間は休憩なしの2時間 x 数回をおすすめしています。残酷なことに人間は前回の会議内容をすぐ忘れてしまいますので、前回の会議の振り返り、目的、Next Actionのすり合わせなどに時間を捻出すると議論時間が限られてしまいます。

何か1つ意思決定を2時間の中でして次に進む。そして次に進む前にその意思決定で先に進んでいいか一晩寝て考える。というサイクルが私には心地よく感じられています。

たまにエンドレスな会議を設定する方もいらっしゃいますが、終わりが無いと議論の幹ではなく枝葉が伸びがちです。時間を区切って1つずつ決めていくような進行をおすすめしています。

✅ 誰か一人は宿題を持ち帰る

2時間の会議で1歩進みます。次の1歩に向けて、その1歩が正しかったか再確認し、次の1歩の準備をします。次の2時間でもう1歩進むために、次の2時間で検討する議論の結論までのたたき台をつくるようにしましょう。

理想的には、会議の参加者全員にたたき台を考えてきてもらってください。(実際には、負担がかなり大きいので、意思決定をリードする人が宿題をする回と全員で宿題をする回などの配慮をしています。その分、短期決戦にすることをおすすめします。)
全員でアウトプットをすることでお互いの意見の相違が理解できますし、色んな人のいいところを取り入れることができ視野が広がります。

✅ 宿題発表会は最悪だが、自分以外の成果物も重要

全員で成果物を作ってきたとき、口頭で宿題の発表会をするとあっという間に2時間の会議が終わってしまいます。これは本当に時間がもったいないので、10分の黙読で終わらせましょう。こういうとき、miroは最高です。

miro上に作っておいた全員の宿題成果物に対して「良いところ」「質問」「伸びしろ(もう少し改善できるかも?という提案)」の3つをペタペタ貼っていきます。この伏線に貼ったもののうち、口頭で議論すべきものだけ厳選して議論しましょう。

✅ 会議以外で喋ったっていい

言いたいことをすべて会議時間で伝える必要はありません。相手の成果物でわからないことがあれば別の時間に聞いてもいいですし、「どうしてああいう発言に至ったんですか?」という背景を聞くような時間は会議以外の立ち話や1on1でするのが良いと思います。

相手に興味を持つことでより強いチームになれるとおもいます。「今日も良いたたき台をつくってくれてありがとう」とDM一本入れるのがだいじ。

✅ 冒頭に「共通言語醸成タイム」をつくる

私は会議の冒頭でときどき「共通言語醸成タイム」と名付けて10分だけチームへのインプット時間とします。ビジョンの話をするなら、他社のビジョンを眺めてもいいですし、ラディカルプロダクトシンキングの一部を読んでも良いと思います。

チームの中で「これってアレで言うアレね!」という共通言語が増えてくると、議論がスムーズになるのでおすすめです。例えばこのnoteとかもチームで読んでもらえたら嬉しいです。

✅ 経験のあるファシリテーターをさがす

プロダクトビジョンなんて、人生で何回も検討する経験ができるわけではありません。プロダクト系の成果物はどういう道筋で考えればよいのか検討がつかないことも多いと思います。そんなときは、考えたことがある人に議論のファシリテーターをしてもらうと良いと思います。

抽象度の高い議論ほど難しいと思うので、社内にいる経験豊富な方にファシリを任せるというのも一つのアイデアとしていかがでしょうか。意思決定者とファシリテーターが同じである必要はありませんからね。

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