病院

病院
 
 初めてバンコクの病院に行ったのは風邪を引いた時だった。上質なホテルのようなロビー、館内に在るファストフード店、診察室までの道案内、広々とした通路、どれをとっても「日本じゃありえない!」と驚きの連続だった。
 タイの一部の私立病院では非常に良質の医療を受けることが出来る。しかしその恩恵を享受できる人はごく一部の金持ち。公立病院はどこも押すな押すなの人だかり。タイも日本と同じく病院に行くのは体力の必要な大仕事なのである。

 所変わって、金持ち国ブルネイ王国。ここでは最新の医療設備を取り揃えており、高度な医療を受診できる。しかもただ。重病人や手術が必要な患者が出ると、シンガポールに患者を輸送するのではなく、医者をシンガポールから緊急輸送するそうである。さすがオイルマネーは違う。

 話は戻ってタイの天国のような病院。日本語で白衣の「微笑みの天使」が囁く、「血圧はかりましょうね?」すっかりリラックスしている私。何げなく長袖を捲ろうとしてふと気がついた、「あれっ、今日は腰が痛くて受診しているのに何で??」
 健康診断の時も戸惑った。「はい体重量りますね、靴を脱いで体重計に乗ってください」体重を気にするオヤジにとってはいつもの嫌な瞬間だ。表示された体重をそのまま診断表に書き込む看護師。「ちょっと待った!洋服の重量は引かないの?」常にこの調子である、油断できない。

 「お会計は×××バーツになります」高い・・・。でも待てよ、日本で10割負担の医療を受けるのと金額は変わらない。日本では治療を受けるのが半日仕事、しかも待ち疲れしてしまうが、タイは家から近い、診療が早い、消毒液臭くない!これを考えると決して高い金額ではないかも。
 そう考えると・・・無料の飲み物を飲んで、ふかふかのソファーで、日本の新聞を読みながら診察を待つ。値段が高い!と文句を言う前にこの天国気分を楽しんだ方が精神の健康によさそうだ。

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