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正直の使い方

バカ正直は迷惑


正直は社会が順調に進んでいく原動力です。しかし、自分勝手なバカ正直は他人に迷惑をかけます。

こんな話を聞きました。

会社員の50代の男性が車を運転しているとき、左折禁止の交差点で左折して、警察官にとめられました。

彼はあと2点で免停になるところで、左折禁止の違反をとられると、2点が加算され、免停になり、会社をクビになるから、見逃してほしいと警察官に必死に訴えました。

その警察官は「見逃すのは無理だから、1点の携帯電話禁止違反にする」と伝え、男性も受け入れました。

ところが2日後に、彼は「やはり、ウソは良くない、正直に話した方がいい」と思い、警察署に出頭し、「警察官に違反をおまけしてもらい、2点を1点にしてもらった」と告げたのです。

警察署も話を聞いたので、処分をせざるを得ません。
「実際の違反より点数の低い違反で交通反則切符を切ったとして、虚偽有印公文書作成、同行使容疑で、その警察官を書類送検し、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分」としたのです。

警察官が同情して、交通違反を軽減してくれた善意を、自分だけが正直者になりたいがために、迷惑を考えずにした行動は不幸のみで、何の幸せももたらしません。


「正直だから正しい」を全面に押し出して、他人に迷惑をかけることは、正直者を自認している人が意外としている行動かもしれません。

人を不幸にする正直は不要です。第二次大戦後、闇米を拒否して、餓死した裁判官がいました。NHKのテレビ小説「虎に翼」にもそれを報じる場面が放映されました。

私も30年ほど前に、警察官を乗せて一方通行を逆行したことがあります。途中で警察官に「一方通行ですよ」といわれましたが、両者の仕事がらみで、そのまま数十メートル走り、何もありませんでした。

正直者が犠牲になっても報われない



森友学園の文書改ざん事件で自殺した財務省職員赤木俊夫さんの場合は、正直者がバカを見る典型です。正直でなかった幹部の人たちは大したお咎めも受けずに健在です。

国会中継などを見ていると、答弁している政治家や官僚の皆さんは、若者や子供がどう見ているか、考えて答弁に立っているのでしょうか?

国会答弁のやり取りを見ていると、適当に質問をはぐらかして、言質をとられない答弁をするのが賢い方法だと、子供たちは判断してしまうでしょう。

なんだか恐ろしいことを公共の電波に乗せている気がします。

学校教育で教える徳育

学校教育において、正直の大切さについてもっと教えるべきだと思います。

いじめ問題で、学校や教育委員会の隠蔽がニュースになっていますが、不思議な感じがします、学校教育では知識だけではなく、徳育も教えているはずです。少なくとも義務教育の小中学校では徹底した徳育が求められます。

しっかりとした徳育をしていれば、教師も徳育から外れた、自己保身のためのいじめ問題の隠蔽はできないと思います。

人間社会においては正直に対応するのが基本です。冒頭のような誰も幸福にならない、善意で交通違反を軽くした警察官が処分を受ける不幸は、自分勝手な正直の使用の結果です。

ウソも方便が役立つ例外的な事例を除けば、正直に話す、正直に行動するのは教育者にとって最低限の基本ではないでしょうか。

正直とのつきあいは難しいと感じるときがある時には、無私になって天に尋ねてみると、おのずと答えはわかるのではないでしょうか。

岸元首相の約束をはたさない念書


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