事業が人の心でできているという話とか

こんばんわ。

とある事業会社にて人事をつとめています。oygです。
人事の経験は前職で約7年、以後少しだけ別な役割を担った後に、現在の会社で半年、という状況です。

某エンジニア氏にアドベントカレンダーに誘ってもらって嬉しかった、はずなのに
当日夜まで書けていないという始末ですが、思うことを書き連ねてみようと思います。

人事といっても様々な役割があり、会社それぞれに呼び名や組織も異なります。
労務、事業人事、採用、企画、育成、など各社それぞれに自社に必要な機能を切り出している、といった感じでしょうか。

私はその中でも、事業人事と呼ばれることのある、いわゆる事業や組織の課題設定、解決を務める、という役割を担うことが多かったので、事業の中で、担当役員や事業責任者、現場のMGRやメンバー、など幅広い立場の人と話す機会が多くありました。

その体験の中で感じたことは多くありますが、今日書こうと思うのは、

・事業は、すべて人の心によって動いている
・事業がうまくいくのもいかないのも、極論を言うと人の心次第

ということです。

それはどういうことなのか

当たり前なことですが、企業活動は経営者や社員、パートナーなどその会社に関わる一人一人の行動の積み重ねによって成立します。

極論を言えば、会社で働く誰もが、もう仕事したくねーな、やめよ。
と思えば企業はそこで終わってしまうのです。

もちろん、仕事をしないと皆お給料がもらえなくなってしまうので、
実際には、いきなりそうはなりません。
ただ、極論を言うとそうなのです。

労働の対価として賃金を支給し、
成果や貢献の対価としてその賃金を増額し、
会社が目指すのは世の中をこうすることだ、こんなにいいことなんだと説いて
だからこうやって頑張ろう、今はここを目指そうと伝える

というように会社が取り組んでいるものは、
全て人の心を動かし、良い仕事をしてもらうためのものなのです。

では人の心に大きく影響するものは何なのでしょうか?


恐怖、苦痛、生存欲求、最低限の生活に必要な賃金、といった回答は当然です。

ですがせっかくITベンチャーで働いているので、そうした次元よりは高次のテーマとしていきたいものです。

私が信じているものの一つに、『人間関係』があります。

ウェルビーイングという言葉を近年聞いたことがある方もいるかもしれません。

WHOの定義によると「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた(新しい・本当の意味での)健康」

とされているものです。

ウェルビーイングの概念が生まれる前までは、幸福学、という形で、何が人間の幸福に影響するのか、という調査を行う、ハピネスリサーチなどがありました。

代表的な例が、ハーバード大で行われた成人発達研究です。
すごいやり方なのですが、75年間にわたり、724名の男性を追跡、休むことなく仕事や家庭生活、健康などを記録し、そしてそのそれぞれの幸福感に対する傾向を得る、というものです。

大変おもしろいので是非見てみてください。そして一応見終わったらこちらに戻ってきてください。

■参考:TED:ロバート・ウォールディンガー | 人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から
https://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness/transcript?language=ja


端的にいえば、上記調査によれば、

・幸福感に大きく影響するのは、お金でも健康でもなく、「良い人間関係」である
・家族がいても関係が悪ければ幸福ではなく、家族がいなくても身近な人との関係が良好であれば幸福である
・人間関係が良いことが、コミュニケーションにつながり、結果肉体だけでなく脳の健康にも良く影響する

ということになっており、

つまり、身近な人間との良好な人間関係を築けている、ということが人間の幸福の重要な要件になっている、ということです。

仕事に費やす時間は短くありません。

実際、仕事をする時間はどれぐらい長いのでしょうか?

一般的な人であれば、1日の1/3、約8時間は眠っています。つまり人生の1/3は悲しいかな眠っています。

8時間労働を一般的とすると、起きている16時間のうち、半分は仕事をしているわけです。

1年のうち、2/3は平日であることを加味すると、

結論、1年の中で起きている時間のうち、1/3 は仕事をしているわけです。
(残り2/3のうち、1/3が週末、1/3が平日の朝晩)

人によっては、ベンチャーだったり、仕事人間だったりで、家族といるよりも長い時間を仕事に費やす人も当然いるわけで、その職場での人間関係がうまくいっていない、ということほど苦しく不幸なことはありません。

では、この人間関係を良くするためには何が必要なのでしょうか。

一つには、個人の認知をどのように高めるか、があります。

会社組織は、

・そもそも生まれも育ちも違い
・学んできたことが違い
・取り組んでいる業務内容も違い
・経験も当然異なり、
・それぞれが知り得ている情報も異なり
・待遇もまた違い
・社内では上下関係が存在し…

といったように、物事を他人を全く同じように捉えることはとても難しくなっています。この『認知の歪み』によって見解の違いが生まれ、それによる不満、不和を生んでいます。

・ある人に見えているものが、ある人には見えていない
・ある人にはメリットになることが、ある人にはデメリットになる

こうしたものが敵対関係や、依存関係を作り出しています。

どんどん話が転がっていきますが、
さて、この認知をどのように揃えていけばよいのか。

この認知のギャップを解消し、良質な関係を築いていくためのポイントは『対話』にあります。

・誰かと話してて、むかついてしまった、頭にきてしまった
・誰かと話しているときに褒められて、すごく嬉しかった、やる気がでた

こうしたことは誰しも経験があると思います。

あまり胡散臭いHOW TO のようにはしたくありませんが、

対話のポイントを押さえるだけで人間関係の質は大幅に改善します。

あ、『関係性の質』ね!聞いたことあるよ!という方は、是非今度朝まで話しましょう。

ここまで書いていて、いよいよ日をまわってしまいそうです。つまり投稿せねば!

この対話のポイントについては、またの機会に。社内で。