ふみちゃんよ。幸せおなかいっぱいで逝ってくれ〜 ②
人が心の病気になるとき、
その人がもともと持つ『遺伝的な部分』、その人が生きてきた『環境』や今の『環境』、そしてその人がもともと持つ『性格』が色々なものが複雑に絡み合ってなります。
それは、心理学の言葉を使うと
生物心理社会モデル と言ったりします。
ふみちゃんが、鬱になった原因はきちんとはわかっていません。
だけど、言えることは、ふみちゃんがこれまで『たくさんの傷つき』を抱えて生きてきたということです。
人は生きてる限り、傷つかずに生きることは難しいですよね。
こけたりしてできた、目に見える傷は消毒をして絆創膏を貼って処理しますよね。
人の心にできた傷は、目に見えないから、なかなか適切な処理をされずになかったことにして生きちゃうものなんですよね。
しかも、日本では、傷ついたことはなかったことにするのが美徳だったり、不快な気持ち(悲しい、怒り)は感じてはダメだっていう根強い信念があったりします。
そうやって、嫌だった出来事、傷ついた出来事を頭で無かったことにできちゃうんです。
そうしなければ、何も手につかなくなるから。
そうするしか、生きてこれなかったから。
だけどね、無かったことに頭ではできても、心の傷は癒えてないんです。
癒えてない傷は、どんどんと溜まっていっていつか大きな傷へとなってこころを支配しちゃうんです。
だから、大事なのは
『そこで感じた気持ちを否定しないこと』
そして、
『感じた気持ちを安心安全に表出できる場所があること』なんです。
ふみちゃんは、きっとこれまでたくさん我慢をしてきたんでしょうね。
ふみちゃんの小さい頃は戦時中だったので、怖い思いや貧しい気持ちをたくさん抱えて生きてきたんだと思います。
だから、鬱になった時のふみちゃんは、
『お金(貯金)がないこと』に嘆いたり、
自分にないものを持っている人に対して、
『羨ましい・妬み』の気持ちをたくさん持っていることを教えてくれました。
わたしとお母さんはその言葉にその気持ちに
寄り添ってそれは『辛かったね』『悲しかったね』『怖かったね』とふみちゃんが小さい時に感じた気持ちを受容して共感・肯定しました。
大事なのは、小さい時のふみちゃんの
感情を否定しないこと、
今は安心安全な場所であること、
そしてわたしたちが
あなたのことがとても大切でとても愛していること
を伝えることにしました。
こうやって関わっていくことで、
ふみちゃんの心のもやは少しずつだけど晴れていきました。
今もたまに取り乱すことはあるし、
根強く染み付いた偏った考えはなかなか治らないけれど、
それでも少しずつ生きやすさを取り戻しているように見えます。
過去の傷つきを一つずつ取り扱って、
そこに絆創膏を貼っていくようにやる方法が
心の病気をなおす一つの方法であります。
専門的な知識がなくても、
その人が感じた以上その気持ちは当然であることを肯定することは誰にでもできることですよね。
その人にその感情を安心安全に表出できる場所をつくることは誰にでもできることですよね。
あなたの大切な人が、心の病気になった時これがあなたができることの一つだと思います。
まずは、
感情を否定しないことが
とても大切であることが伝われば何よりです。
嫌な気持ちも大事な気持ち。
たくさんの方にこの考えが広まっていけばいいなって思っています。
(③に続くかは未定)
#鬱病 #おばあちゃん #心理学 #臨床心理学 #家族 #家族にできること
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