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ゲストハウスを開業するまで vol.5

前回は私なりの物件探しのやり方と実際に見つかったところで話が終わりました。

今回は、鳥取への逃避行、悲しみの雨編です。

またもや白紙に!


めでたく物件の契約をして、買い物をして、準備万端となったわけですが、4月の初旬、道端でばったりと大家さんに会うと、申し訳なさそうな顔でこう言ってきました。
「やっぱりなかったことにしてもらっていい?」

はえ? 混乱です。
混乱以外の何者でもありません。

もちろん即答なんかできないので、「あとでまた伺わせてもらってもいいですか」と返事をしてその場をあとにしました。

すぐに市役所の方に電話をして緊急会議。
怒りと混乱に震える私をなだめ、とりあえず何で気持ちが変わったのかを聞こうということになりました。

結論から言うと「長い間住んでいた家が変わってしまうのは辛い」ということでした。

実は契約してからすぐに、部屋の一部を改装していました。
大家さんが荷物を取りに行く際に、部屋が変わった様子を見てやっぱり耐えられないと思ったのだと思います。(まだ荷物が残っていたので、自由に出入りして整理してもらうようにお願いしていました)

また、少し前に道端で貸すことについて話しているのをやんわりと聞いてました。地元のある方が、大家さんに貸すのはやめた方がいいよと言っていました。その時は聞き間違いかなと思っていたのですが、その後の結果をみると多分聞き間違いじゃないんだろうなと思います。
横槍を入れてくる人はやっぱりいます。

結局、気持ちは覆ることもなく契約は白紙になりました。
私自身も、無理やり説得しても気持ちが悪いと思って、潔く手を引きました。

鳥取へ一人旅立つ

その日、妻と悲しみに引きづられ、やけくそでお酒を飲み、涙しました。
実家の母に電話をし、もうダメかもしれないと愚痴をこぼしました。
そして、翌朝、私は一人鳥取へと逃避行しました。

知り合いからは心配のメールが届いていましたが、今は現実から離れていたい。今日は好き勝手すると決めて、一日中ネットカフェで過ごしました。
何も考えないように好きな漫画をひたすら読み漁りました。

結局、その日の夜遅くに家に戻りました。
一日過ごしても気持ちの整理はできませんでしたが、白紙にすること自体は受け入れようと決めました。
仮に無理やり説得できたとしても、また違うことでモメる。それだったらスッパリと手を切って、違う物件を見つけた方が将来的にはストレスがない。
しかし、すぐに次の物件を探そうとはさすがに思えなかったので、これからのことはもう少しじっくりと考えることにしました。


家の物置には先走って買った布団や備品、DIY用の材料などが残っていて、切なさと怒りが倍増しました。物置を開かずの間にすることにしました。

感情は入り乱れていましたが、一つだけやらないといけないことがありました。それは、協力してくれた人への報告でした。

ここまでかかった労力、買ってしまったものなど無駄となったものがたくさんあったことも辛かったですが、協力してくれた人を裏切ってしまったのもなかなかのダメージでした。

人の優しさに触れる。

いざ白紙になったことを報告をすると、迷惑をかけたにもかかわらず、みなさんとても優しくしてくれました。私の代わりに涙してくれる人、怒ってくれる人、励ましてくれる人、そんな人たちの存在がとてもありがたかったです。

契約書を交わしていたので、契約違反だ!と騒ぐこともできました。
買ったものの代金を請求することも考えました。

でも、この先のことを考えて、私が飲み込むことで丸く収まるならと全て飲み込むことにしました。

それは人の優しさに触れたからかもしれません。

この件に関しては私の落ち度はほとんどないと今でも思っています。
後からとやかく言われないように、改装の説明資料も作って、一から十まで細かく説明もしていました。なんなら承認の印鑑ももらっていました。
そもそも契約に至るまでに5回以上は説明しにいきました。
説明不足ではなく、ただ説明をちゃんと聞いていなかった。
変わることを覚悟していなかっただけです。

でも今となっては、大家さんの気持ちも理解できます。
若くして移住してきて、必死に家を探していると聞いたら断るに断れなかったんだと思います。でも、実際に家が一部変わったのを見て、やっぱり耐えられないと気持ちが変わったのも理解できます。
だから、今は怒りの気持ちも全くありません。
(当時は怒り狂ってましたが)

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移住してちょうど一年。
一年経って、またゼロ地点に戻りました。
この時ほどお先真っ暗だったことはありません。

それでも前に進むと決めました。


次回、ついに結婚。物件は見つかるのか!編です。


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