限界集落とスモールビジネス
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限界集落とスモールビジネス

お山出版

最初に

新潟県上越市板倉区猿供養寺に来たのは、カフェをやろうと思っていたわけではありませんでした。

なんとなく「山林が欲しいなぁ」「自由にキャンプがしたり、そういう場所が欲しいなぁ」といった漠然とした思いから、ネットサーフィンをしていたところ、偶然安い土地を新潟県に見つけたのです。

休日、まだ2歳になった息子と一緒にサイトの情報を載せていた不動産屋さんに行くと、色々と話が盛り上がり、土地を譲っていただくことになりました。

山林は不動産屋さんが所有していたもので、ネットには出ていないものでしたが、半ばいただいたような形で山林を入手しました。

私にとって山林を所有するというのは初めてのことでしたが、不動産屋さんのアドバイスで町内会長さんや村の方々に挨拶をしてまわりました。

そして挨拶をしていく中で1つのことを知りました。

それは、私が買った山林のある場所は限界集落に属しているということです。

それまで限界集落という言葉は知っていましたが、それが一体どういったものなのか、知識はありませんでした。

色々と調べていくと、限界集落活性化、地域活性化、等のワードがネットに溢れていることを知り、これは1つのビジネスになるのではないかと考え、いろいろな人に出会いつつ計画を練りました。

現在、経営中の山のcafeランプはそうしたいくつかの活動の中で1つの形として出てきたものです。

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ボランティア精神

そうして最初は「何かビジネスになったらいいなぁ」という思いで活動していたわけですが、次第に地域に貢献したい、村の方たちが行っている移住者を増やす活動だったり、何でも良いからコミュニティにとってプラスの刺激を与えたい、私のアイデアでお手伝いできないかなという気持ちが強くなります。

もともとゴリゴリのビジネスよりも、そういったボランティア色の強い活動のほうに興味を惹かれることが私の人生には多かったように思います。

わたしが10年以上続けている『カンボジアにクライミングを広める』という1つの活動も、ビジネスよりも、カンボジアの社会、文化に、自分という小さな人間がどれだけ貢献出来るのか?といった挑戦、冒険的な気持ちがあります。ボランティアは博愛精神だけでは続きません。新しいことを切り開いていく泥臭さというか、冒険的な野心も必要です。この部分はクライミングに似通う部分があると思います。

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お山出版

山のcafeランプは2年の営業をすることが出来ました。コロナなど厳しい時期もありますが、何とか皆さんのおかげでこれまでやってこれました。お越しいただいている皆様、地域の方々、スタッフには、感謝しかありません。

山のcafeランプでは、拙著『山のcafeランプ』『海までの道』を販売しています。

『山のcafeランプ』は山のcafeランプが出来るまでの記録を書いたものです。写真も挿入されているので、自分たちだけでDIYをしながら少しづつカフェが出来上がってく様子を見ることが出来ます。

『海までの道』は、今まで私は趣味で小説を書いていましたが、初めて紙の媒体として販売した、私にとって最初の小説です。小説の舞台は長野県と新潟県です。原稿は、まだこの場所に土地を購入する以前から書いてあったものです。偶然といえばそうですが、やはりなんとなく思い入れがある小説です。

「2〜3冊は売れるかな?」ぐらいの気持ちで、自分で製本して販売していましたが、夏の時期などは製本が間に合わず何度か欠品になり、我ながら驚きました。と同時に「それなら今まで書いたものや、今ある構想も形にしよう。今後、持続的に出版していけるようになれば、古民家カフェと、本と、村の良さが繋がって、新しい何かが生まれるかもしれない」という気持ちから『お山出版』という、スモールすぎるビジネスが生まれたのです。

写真は娘と散歩中に執筆する様子です。

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地域活性化という幻想

限界集落と、カフェと、書きものと、私が活動する中で、最近気づいたことがあります。

それは、いわゆる限界集落の地域活性化というのは1つの幻想だったことです。

限界集落という言葉自体が、人口ベースの都市形モデルから見ているというか、都市型のヒエラルキーの位置づけとして限界集落という言葉があるような気がします。

限界集落だからといって、そこに住んでいる人たちの幸福度が低いというわけではないと感じています。と言うより、むしろそういった場所に生きている人たちの方が幸福度は高いのではないかな?と、思うことの方が多いです。

都市型モデルに地方の、限界集落のモデルを近づける必要はなく、無理に人口を増やす必要もないし、人口が少ないなら少ないなりに楽しいこと、面白いこと、プラスなことがたくさんあります。

つまり、地域活性化が地域にとって有益な事とは限らないような気がするのです。

そういったことから、我々はなるべく小さな規模で、土地の雰囲気を極力変えずに、これからも小さなビジネスを地域と一緒に作っていく。それが1つの目標になっています。

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お山出版

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嬉しいです!これからもよろしくお願いします。
お山出版
お山出版は、新潟県上越市板倉区猿供養寺を拠点に活動する小さなプロジェクトです。地域活性化プロジェクトの一環として営業している古民家カフェ【山のcafeランプ】にて、小説、エッセイを販売しています。 こちらのサイトでは主にエッセイを掲載します。