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お別れ前夜は満月

明日は葬儀。
お母さんの肉体がこの世から完全になくなる。

火葬場でいよいよ焼かれる時の気持ち。
肉体に魂はもう宿ってないのに、肉体への執着はさらに強くなっていたことを気付かされる瞬間。
冷たくなった身体でも、この世にまだつなぎとめてる最後の砦のような存在になっていた。きっと明日も火葬場で待っている間は、母と引き裂かれたような気持ちになるのだろう。

ちなみに明日は父の誕生日。
きっとあの世で二人仲良くお祝いすることだろう。
私にとっては明日という日は父の誕生日と母の葬儀の日と2つの意味のある日になる。
偶然ではないなぁ。父の仕業か母の仕業か。

遺影の写真がこれといっていいのがなくて、かろうじて絞り出したかなり前の写真。
母がまだ認知症で家にいた時の少しおどけてるような笑顔。他は悲しそうな不安そうな顔か無表情の写真しかなくてやむなくこれに。
遺影の写真って地味に納得がいかないことのひとつ。もっとマシなのないんかーい!って思う。
自分は前もって撮っておこうと思った。
もちろん、何年かに一回はちゃんと撮り直しする。
他の人も遺影の写真に満足してる人少ないんじゃないかなぁ。

帰ってきてからはこれからやる事をまとめたり、小さい頃のアルバムを見たり、友達と電話で話したり、それほどさめざめとすることなく過ごした。
黙ってるとそうでもないけど、人と話して相手からねぎらいの言葉をかけられると涙が出そうになる。
まだ実感はないけど、じわじわと悲しみが襲ってきそう…

私の近くにいるのかな、お母さん。
鈍感で全然気配も何もしない。
夢に出てくれないかなー?

さっきラインで海の街に住む仲間から、
今日は満月だよ

ベランダに出て少し見上げたら真正面に綺麗な満月

月の光ってやさしいな
しばらくあびていた

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