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私がサカナをさばくワケ:美味しく無駄なく魚を食べたい

昨日は、年内最後のお魚さばき教室でした。
実は魚のさばき方を大人の方向けにも教えています。(専門は子供に教える方です)

私自身はもともと自己流で三枚おろしを覚えたのですが、仲卸をしている師匠からきちんと習い直しまして、師匠の教え方を参考に、さばき方をお伝えしています。

プロフィールにも書いていますが、私は魚が好きなだけでなく、魚食推進派なので、皆さんにさばけるようになって頂き行く行くは魚の消費拡大にも貢献したいと言う野望を持って、このレッスンをしています。

処理の仕方の違い

最近は街の魚屋さんだけでなく、スーパーの鮮魚コーナーでも頼めばお魚をさばいてもらえます。なのに、なぜ自分でさばくのか。

単純に、自分でさばいた方が美味しく食べられるからです。

お造りを除けば、きれいにさばけなくても美味しく食べられる調理方法は沢山あります。だから、多少身が崩れてしまっても充分美味しく食べられるのです。

なぜかと言うと、魚屋さんでさばいてもらうと、ワタを出した後も、身を水洗いしないといけないからなんです。衛生的に。
でも、魚の身は水で洗うとその水を吸ってしまって臭みの原因になるんです。もちろん表面の水分は拭き取ってくれていますが、染み込んでしまった分はその場では取り除きようがないですよね。もちろん味も薄まります。
ですから、強めの塩を振ってしばらく置くなどして余分な水分をしっかり出してから調理する必要があります。

自分でさばけば、必要最低限しか水を使わずに処理出来るので、魚の臭みを出さずに食べることが出来ます。これは魚屋さんでは数と品質を保つために仕方のない事で、だから悪いとか良いとか言う事ではなく、家庭だから出来る処理だと言うだけの事です。

可食部分が増える

自分でさばけば、魚屋さんで買うと捨てられているワタやアラも食べられます。

もちろん、尾頭付きをさばいてもらう際にアラは頼めばだいたいもらえます。アラがあれば、出汁を取ったり、アラ汁や骨せんべいにするとサクやお造りで買うよりも、1〜2品多く食べられます。

魚種によっては、肝、胃、心臓、浮き袋、卵巣(真子)、精巣(白子)も食べられる場合があります。

上の写真は、鱧会でお出しした、鱧笛(浮き袋)、鱧子(卵巣)、白子(精巣)、肝、胃を調理したものです。

先日書いた鮭の会でも、ワタを使った料理をご紹介しています。
これらの部位は自分でさばかないと食べられません。なぜなら、ワタを食べられるようにキレイに処理するのは手間がかかるからです。お店では、この手間をかけていると他の調理に差し支えたりしますし、そもそも量がとても少ないので、商品として成り立たないんです。
あん肝やいくらなどは、それだけで流通しているので、お店でも出せるのですが、鱧の卵巣や鮭の肝など、とても美味しいのですが、なかなか商品には出来ないのです。

ロスを減らせる

自分でさばく最大の利点として、ロスが減らせると言う点があります。お造りを買うと、皮や骨、ワタなどは捨てられてしまいますが、丸ごと買うと、食べられる部分が増えるだけでなく、捨てられる部分=ロスを減らせるのです。
これは野菜でも言えますが、カット野菜を買うと、キャベツの芯や人参の皮は廃棄されますが、家庭で丸ごと買えば、(捨ててしまう場合もありますが)皮も芯も食べられます。

加工を人手に委ねれば委ねるほど、ロスは少しずつ増えていき、そのロスは最終的に価格に乗ってくるわけです。歩留り、と言う事ですね。
特に魚は1尾1尾が家畜よりだいぶ小さいため、歩留りが悪く、1食当たりの価格が肉よりも割高になりがちです。それは上記で書いたように、皮やワタ、アラにもお金を払っているからなのですね。魚も肉同様に重さで取引されるので、同じ金額を払ったからには、少しでも沢山食べた方がコストが安くなるのです。

以上の理由から、お魚を自分でさばいて調理できるようになるのを全力でおススメしたいと思います!

ご興味がございましたら是非お申し付け下さい!

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!