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サーチャーへの質問③_どんな業界が投資対象なの?_コラム027

セミナーを開催します

〇【国内サーチファンド二社 共同セミナー】日本のサーチファンド支援者のリアル: 8月25日(水) 19時~
https://peatix.com/event/2606292
〇サーチャー候補者向け: 9月2日日(木) 19時~
https://peatix.com/event/2431606

ご好評をいただいているセミナーですが、ご要望が多いことから追加開催します。引き続きやっていきますのでご興味ある方はご参加ください。

さて、これまで実施したセミナーで何度も繰り返しご質問を受けた内容について、当日ご参加頂けなかった方にもお伝えできるとよいなと思いまして、改めて文章として残すシリーズです。

よく聞かれる質問 :どんな業界が投資対象なの?

これもよく質問されるポイントです。

サーチファンドのサーチャーなのですから、どんな業界を対象としているのかをきかれるのは当然かもしれません。セミナーでは、㈱サーチファンド・ジャパンというより、私自身のターゲット業界についてのご質問です。

以前に下記の投稿で、これまでのキャリアを振り返りながら、サーチャーとしての経験がいきそうな業界を、どうやって絞り込むかを考えてみたことがありました。

この投稿から一部を抜粋してみます。

約20年という短くない時間で経験した3社を振り返ってみて、サーチャーCEOとして役立ちそうな業界が極めて限られているのを知り落胆しました。(中略) 自分の経験がドンピシャでハマる業界・企業を探したが見つからないという状況は私以外のサーチャーからもきく話です。20年のサラリーマン経験が、仮に30年になったとしても、経験できる業界が限られるという点ではあまり変わらないのではないかと思います(その間に職を転々とすれば別ですが)。

この投稿は今から約2か月前の2021年6月20日です。それから2か月経過した現在でも、考えに大きな変更はありません。過去のキャリアから特定する業界というのは非常に限定的になってしまい、その中からサーチすると、候補として挙がってくる企業の数は決して多くはありません。

個人が挑戦する事業承継だから出来ることが多くある半面、個人の力量やキャリアにターゲットが限定されるという半面があるともいえるでしょう。

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回答:「卸売業、外食チェーン、小売チェーン、運送業、一部製造業とサービス業です」

これがお答えしている内容です。

これまで経験したミスミという機械部品商社(卸売と一部製造業)、フロンティア・マネジメントという企業再生の専門会社(外食・小売、運送会社のハンズオン経営)で経験した業界を挙げています。

サーチファンドの場合(ほかのファンドでもそうかも知れませんが)、投資実行後の成長戦略がすべてです。対象企業の事業規模から考えて(だいたい年商10億円前後が多いです)、削れる無駄なコストがあるとか、それを切り詰めたらEBITDAが大きくなるとかいう算段は、全く無いとは言いませんが、すくなくとも大きなインパクトを実現するには足りません。

コスト削減余地などほぼないと考えた方が良いです。

そうなると成長させるには、顧客を増やす、リピート率を上げる、商品の付加価値を上げる(より高い価格をつけても評価されるものにする)、オペレーションを見直して投資回収を早める、といったプランを実現して初めて成功に近づきます。

まったく経験値のない業種、企業と知り合ってゼロから業界分析を始めるような産業で、上記のようなかじ取りを行うのはなかなかハードルが高い。何より、事業承継するにあたってオーナー経営者様から認めてもらうというハードルを乗り越えられるかどうか。

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オーナー経営者は「素人」に後を継がせるか?

特に大事なのはこの点です。

事業承継を実現するには様々なハードルがありますが、サーチファンド特有のハードルは、サーチャーが先方オーナーから認めて頂かなくてはならない、という点です。ファンドではなくサーチャー個人の資質や経験によるところが大きいのです。

「社長、私はこの業界はズブの素人ですが、この数か月、一生懸命勉強しました。頑張りますのでどうか私に会社をお譲りください。」

この言葉にオーナーが首を縦に振るかどうか。

心血を注いで育ててきた自分の会社、我が子のような会社を目の前の人物(=赤の他人)に託すに際して、オーナー経営者が気にされるのは従業員やお取引先などの関係者の行く末です。

この「素人」に任せて大丈夫かな。。。
従業員からちゃんと信頼を勝ち得ることが出来るのかな。。。
お取引先はこの人物を信頼して取引を継続してくれるのかな。。。

これはもう人物試験みたいなものですね。

こう書いてきた私も偉そうにするつもりは毛頭なく、オーナー経営者様にお会いするときはいつもドキドキです。終始笑顔でお話をさせて頂くのですが、面談が終わるころにはYシャツの背中は汗でびっしょりです、毎回。

と、セミナーではここまでお話することはないのですが、サーチする業界を絞るにあたって、その背景にある考えと事情についてまとめてみました。

他にもセミナーでは多くのご質問を頂いておりますので、次回も続きます。

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#サーチファンド #事業承継

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