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信じるは馬鹿、引かぬは大馬鹿

これは翻訳に携わる人たちの間で古くから辞書について言われている言葉です。辞書に書いてあることを盲信することも問題ですが、かといって引かないのも問題だということです。

以前であれば、いわば「語学のプロ」である翻訳者の考えを、「素人」である学習者(受験生、一般学習者)が取り入れるのは無理だ、と言われたかもしれません。しかし、今は多くの人が複数の辞書が駆使できる環境にありますから、この翻訳者のスタンスを、学習者が受けとめてふだんの学習に生かしていくほうがよいのではないかと思います。

まず、核となる紙の辞書を用意しましょう。英語であれば英和辞典です。電子辞書やスマホ・タブレットのアプリで手に入らないもを買っておくのがよいでしょう。これと電子辞書(専用機)やアプリ辞書を併用していきます。英和辞典は2~3種類くらい利用できる環境が理想です。これに英英辞典や和英辞典、国語辞典を合わせて使っていきます。辞書にはそれぞれ編集方針があります。編集委員や、執筆や校閲に携わる先生方の専門領域や問題意識もそれぞれ異なります。ですから、ある辞書でくわしいことが、他の辞書でもくわしいとは限りません。むしろ、辞書によってそれぞれ得意分野と不得意分野があると考えたほうがよいでしょう。また、英和辞典の見出し語と訳語の対応が適切かどうかを確認したいときには、英英辞典と国語辞典を引くことを勧めます。

大変な作業に見えますが、持ち歩く辞書は英和辞典1冊だけです。あとは電子辞書を使ったり、スマホにアプリをインストールすればよいわけです。決して安い買い物ではありませんが、大学受験生の場合はこの時期に春期講習の受講講座を減らしてでも買い揃えていく価値はあります。この時期は学習の習慣と方向性を確立することのほうが重要ですから、教室外で自分が何をすべきか考えるべきです。講習は夏でも十分です。(どこの塾や予備校でも夏の講座のほうが充実しています。電気代を考えれば夏の受講料のほうが割安です。)

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