ユーティリティトークン設計におけるVelocityを意識した話
OWLCOINでは、ページ閲覧、記事投稿など、サイト内の全てのアクションい対してOWLトークンを付与し、OWLトークンの保有量に応じて収益の一部を分配する仕組みを実装中です。
で、このOWLトークンの設計を色々と詰めているとこなのですが、
あれ、OWLトークンて結局ユーティリティトークンなんだっけ?という話になり、あらためて何のトークンに当たるのか、設計上押さえるポイントは何か?について整理してみました。
色々と解釈が間違っている可能性がありますが、あくまで現時点の理解です(汗
※注:OWLトークンは、以下の条件により、暗号資産の定義には当てはまりません。
・トークン自体を何かに使用することができない
・取引所等で売買できない
・他の仮想通貨と交換できない
OWLトークンは、「Workトークン」である
ユーティリティトークンの分類については、以下のGunosyさんのブログが素晴らしくまとまっているので、もうこれを読んで頂ければ、何も言うことがありません笑
以下は、上記ブログの抜粋
Workトークンとは、そのサービスに対して何らかの「仕事」を行うことで報酬を得ることができるモデルです。つまり、ただの支払いのためにトークンを用いるのではなく、ユーザーがサービスに仕事(貢献)をすることでそのトークンがもらえたり、あるいはそのトークンの単位あたりの価値(価格)が上昇するようなモデルになります。
Work tokenモデルに共通することは仕事をするために、そのトークンをステーク(あるいはロック)する必要があることです。ステーキングに対して経済的なインセンティブを与えることによって、ユーザーがトークンをより多く、より長く保持することを促しています。
OWLトークンは、以下の流れで付与、および報酬が発生します
・OWLCOINのサイト内で何らかのアクション(仕事)を行う
・アクションの内容に応じて、OWLトークンが付与される
・一定のタイミングで、OWLトークンの保有量に応じてサイト収益の一部が分配される
この流れをみてわかる通り、サイト内のアクション(仕事)によって付与され、ステークし続けることで報酬が発生するため、ユーザーにトークンを保有し続けるインセンティブが発生させています。
ユーティリティトークンの設計にはVelocityの設計が超重要
上述のブログにも書かれているのですが、この設計においてVelocityという概念がとても重要です。
Velocityについても、Gunosyさんのブログに詳しく書かれていたので、こちらも貼らせていただきます。
要するに、ネットワークの経済規模Mというは以下の式によって決まるため、Velocityを以下に低くするかというのが非常に重要ですよ、という話です。
M = PQ/V
P (Price of the digital resource being provisioned):ネットワークが提供するサービスの価格
Q (Quantity of the digital resource being provisioned):ネットワークで提供されるサービスの利用回数
V (Velocity of the asset):トークンの流通速度(移転回数)
OWLトークンのVelocityは意外と最適化されていた?
OWLトークンにM = PQ/Vの式を当てはめると、以下のようになるかと思うのですが、
P → OWLトークン保有量に応じた分配金
Q→ トークン付与が行われる回数(=サイト内でのアクション回数)
V→ トークンの移転回数
OWLトークンは、売買ができない、かつ保有していないと報酬が発生しないので、トークンの移転回数はかなり低くなることが予測されます。
一方で、Qについては、サイト内でアクションするたびにトークンが付与されるので、他サービスと比較してもかなり大きいと思われます。
となると、あとはQなのですが、これはサイト収益(主に広告収益)の一部が分配されるため、ユーザー/アクションに比例して大きくなっていくはずです。
このように、トークンのネットワーク経済規模を最大化する、という観点から考えた場合、じつはOWLトークンはけっこういい線言ってるのでは?と社内で盛り上がったところでした。
現場からは以上です。
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