成功事例から紐解く、CI刷新の向き合い方
「企業ロゴ(CI)を作りたい・リニューアルしたい」
「VIを作りたい」
パーパス経営といった言葉が一般化し、経営にもストーリーを求められがちな昨今。企業イメージや文化の浸透のために、CIの制作に取り組む企業は多いのではないでしょうか。
一方で、クリエイティブを担う職の方々の元にも、上記の制作依頼がくることが多いかと思います。
そんな中で聞こえてくるのは、「CIが上層部の理想論だけになっている」「ロゴを作ったけれど、社外どころか社内にも浸透しない」などといった課題。
時間的にも人手的にもコストがかかるこの2つの取り組み。考えに考えた表現だとしても、受け手に誤解を与えてしまい悪い意味で話題になる可能性もありますし、何よりも怖いのは無風であること、ですよね。
この記事では、社内外に浸透し、長くビジネスを支えるCIの制作を目指す方に向けて、まず陥りがちな落とし穴と、心掛けておきたい知識を、事例とともにまとめていきます。
1. CI制作に取り組む際の向き合い方
CI制作においては、社内のギャップを払拭するイメージを持つ
経営層は満足するものの、社員が親しみを持てなくなってしまう。それにより日頃の営業活動において積極的に使われず、お客様にとっての親しみやすさも醸成しづらくなってしまう。こういった事態を避けるために、関わる人たちが「これがうちの会社だ」と感じられるCIを目指し、企業の本質を掘り下げること。
目指すべきは、すべてのステークホルダーに伝わるCI
各ステークホルダーにきちんと企業のCIが理解され、その未来を期待していただけるアウトプットを行うこと。そのバランスは難しく、しかし重要。
ロゴだけではなくホリスティックなデザインが肝心
WEBサイトや動画・イベントなど、あらゆるデザイン領域を駆使して、CI制作後の浸透までを思い描きながら開発を進めることが重要。デジタル・アナログ問わず、社内外に浸透することを念頭にした「コミュニケーションデザイン」が肝。
2. 事例:7社の文化が混ざり合うマテリアルグループのCI刷新プロジェクト
プロジェクト概要
ビジネスのマーケティングコミュニケーションを総合的に支援する専門事業集団 「マテリアルグループ」。2024年3月29日付で、東京証券取引所グロース市場(証券コード:156A)に新規上場。このタイミングを見据え、マテリアルグループでは2年ほど前から、グループとしてのあるべき姿・目指すべきところについて、言語化する局面にありました。
グループが拡大しさまざまな文化が混ざり合う一方、マテリアルグループが大切にしていることは変わらず、「人」であり「人の個性」。初めから共通のビジョンを持つ人はいないと捉えており、仕事への価値観や生き方がマッチするかどうかを重視していました。だからこそCIを新定義し核とすることで、一緒に事業に取り組む人々が共感しあい、マテリアルグループらしい思考・行動判断に迷わない土壌を作りたいと考えていました。
プロジェクトゴール
「経営層からのトップダウンではなく、マテリアルグループに関わるみんなが信じられる羅針盤にしたい。信じられるもの、大切にしたいもの、誇りに思えるもの。そういった羅針盤を作るために、経営層だけではなく、社員たちからも意見をつむぎ出したい」
CI制作に向けての施策
こういった過程により、マテリアルグループの本質を表す表現を見つけ出し、それらのエッセンスを軸としたCIが完成しました。
3. 社員インタビューにより浮かび上がった言葉をもとに完成したCI
4. CIをもとに、コミュニケーションツールとしての役割も果たすVI
CI制作の際に際立ってきたマテリアルグループのキーワードをもとに、グループロゴを制作。斜め45°をモチーフにした「45°+」のスタンスが、既視感のないデザインを生み出しました。あらゆるビジネスシーンで、このロゴを見た相手から「これはどういうことですか?」と聞かれるようになり、一種のコミュニケーションツールとしても機能するようになりました。
5. 関わる人々が話題にしたくなるCIを作るには
CIの刷新は、単純にロゴを変える、グループのWebサイトを作るという話ではなく、一連のプロセスの中で、マテリアルグループの風土を再認識し、「大事にしたいものを信念を持って見極め表現できるか?」を再認識させていただく時間となりました。第二弾では、このアウトプットに至ったクリエイティブチームの対談をお送りします。
まとめ
課題
✔️ 6社の文化が交わるマテリアルグループにおいて、経営層・社員・ステークホルダーが同じ方向を向くためのCI開発
期待
✔️ マテリアルグループの本質を掘り下げ、関わる人にとって納得感のあるアウトプット
結果
✔️ 制作したグループロゴをあらゆるビジネスシーンで露出し、社内外への浸透を促す
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