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Better Ads StandardsはYoutube動画広告収益を妨げ得るのか

突然のChromiumBlog更新

 Google謹製のウェブブラウザChromeがユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼす動画広告を2020/8/5からブロックするというリリースが出されました。※リリースはこちらから
 突然とは言ったものの、このChromeアプデには根拠があります。ChromiumBlog更新同日前時刻にBetter Ads Standardsというインターネット上での消費者体験をよりよいものにするインターネット広告の定義が追加で定められました。新追加のユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼす動画広告定義は下記です。

◆ChromiumBlogより
1.動画再生前に流れるスキップできない広告
Non-skippable pre-roll ads
2.最初の5秒以内にスキップできない31秒を超える広告(複数の広告の合計時間)
Groups of ads longer than 31 seconds that appear before a video and that cannot be skipped within the first 5 seconds.
3.動画の途中で流れる広告
Mid-roll ads of any duration that appear in the middle of a video, interrupting the user’s experience.

 肌感での配信量は3>1>2の順番ですかね。Youtubeクリエイターのみなさんは「3.動画の途中で流れる広告」を入れるために動画を10分以上しがちです。ちなみに僕が知っている10分以上にしようとしている一番あからさまなチャンネルはTOMIKKU NETです。謎に質問コーナーが途中から始まり、本編は動画全体の1/3くらいです。基本的に10分以上の動画で稼いできたYoutubeクリエイターの広告表示機会の1/3は減ることになります。
 「最初の5秒以内にスキップできない31秒を超える広告」に関しては、Youtubeではそもそも存在していないので問題ないですが、今回のGoogleの対応ではウェブブラウザであるChromeであるので、Youtube以外の動画サイトにももちろん適用されます。もし「最初の5秒以内にスキップできない31秒を超える広告」で稼いでいるサイトがあるとするならば、大打撃を受けることになります。

YoutubeはそもそもChromeでなくてよい

 タイトルにもありますが、そもそもYoutubeはChromeでの動画広告を中心とはしていません。2019年に発表したニールセン デジタル株式会社の調査が下記になります。

2018年12月におけるトータルデジタルでのYouTubeのリーチ(利用率)をニールセン デジタルコンテンツ視聴率データで年代別に比較すると、49歳以下では70%以上の人が月に1回以上YouTubeを利用し、若い人ほどリーチが高いことが分かりました。特に30歳以下のリーチは80%を超え、人口の大半にリーチできるマスメディアへ成長している様子がうかがえます。また、若い人ほどスマートフォンのみで動画を視聴する割合が高く、YouTubeを利用する18-20歳のうち87%はスマートフォンのみで動画を視聴していました(図表1)。

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■参考
無料動画アプリは14%、有料動画アプリは25%昨年から利用者数を拡大 ~ニールセン動画サービスの利用状況を発表~

 僕としては上記のデータの「スマホのみでYoutube利用」のパーセンテージはある程度正しいと思っています。理由としては、僕自身再生回数が定常的に伸びる動画を持っているので、デバイスの比率を簡易的に出せるからです。(再生回数自体は少ないですが)実数値としては下記になります。

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 ニールセンの「スマホのみでYoutube利用」の全年代を平均すると75%になります。僕のチャンネルのデータだと70%となっていますが、ニールセンの「スマホのみでYoutube利用」の21-39歳の比率が僕の経験上あと10%は低いのではないかと踏んでいます。試しに21-29/30-39をそれぞれ10%ずつ引くとなんと平均71%になります。非常に僕の手元のデータに都合がいい計算ですね!実際、働き盛り世代でパソコン全く使わないということはないと思うので「スマホのみでYoutube利用」は8割はないかなと思います。

なぜChormeで動画広告をブロックする判断ができるのか

 上記からスマホが明らかに収益の大部分を引っ張っていることは確実です。Googleはユーザーエクスペリエンスのためなら割と何でもする印象ですが、なぜここまでスパッと動画広告をブロックできるのか、それは今回の対象がChromeだからです。Google最大の動画広告プラットフォームであるYoutubeにはスマホアプリがあります。スマホなのにブラウザでYoutubeを見ている猛者はいないでしょう。スマホアプリがあまり強くない動画プラットフォームからしたら損失は大きいでしょうが、Youtubeからしたらアプリで流しまくれるので広告表示機会は直ちに損なわれないのです。しかし、アプリでもBetter Ads Standardsに背いた広告配信をいつまでも放置するとも限らないので、徐々に配信在庫量を絞っていく等考えられるでしょう。なぜアプリも同時対応しないか、に関しては、Chromeはもはや全世界的なウェブブラウザのインフラと化しているためにBetter Ads Standardsを順守するリーダーでなければならないのです。

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Twitterの延長線上と思ってください。デジタルマーケティングエージェンシー勤務です。