【散文詩】心の自死

腐されても

落書きされた背中も

ゴミでいっぱいっぱいの机も

下駄箱の刃物も

待ち伏せの一斉投石も

「いつの話だよ」と一笑にふされ

あきらかに嘘の告白

肯定されたことがないから

心が踊ってしまう自分が嫌いになって

感情は痛覚もまるめて捨てた

喜怒哀楽を放擲した生き物は心の自死

春の出会いも

夏の羽目をはずした冒険も

秋の深まりに青い反省を経験しても

冬の寒さに人の温もりを知ることもなく

屍未満は「無」ですらない