【散文詩】「またね」

校舎の非常階段から突き落とした感情は

凱旋帰身することのない久遠の糸を切る

噛んだ唇から伝わる青い血潮が

背中に落ちた音が聞こえたのは嘘

似合わないタトゥーは失敗した傷痕のせいで

「なにひとつ楽しくなかった」と下手くそな
「出会えたこと以外は」と役者のせりふのような倒置法
小さなからだに大きな夢を詰め込んで

仰ぐ空の返事はなくても「またあおう」と囁いた