【散文詩】あの日の約束は行方不明

合わせ鏡の狂乱に巻き込まれ

輝く肌の張力に無意識に溺れて

大きな大きな忘れ物を見失い

毎度毎度の悪事の果てに

小さな小さすぎる掌から流れ落ちる砂のように

間遠になるニコイチの白河夜船

切り裂かれた心が肝硬変のように

滑らかなシーツと碧い下着の場末に墜ちた理由

答えがあるはずもなく

欄干に佇立するのは影のみ

実体は何処に