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人格スクランブル

【日日是考日 2020/10/16 #004

今日は久しぶりに人通りの多い所へ出た。
やはり、多勢に交じって歩いていると、
胸の奥で何かがウジウジ疼くような気持ち悪さがある。

「人の多い所へ行くと気持ち悪くなる」この現象は一体なんなのだろう?
満員電車などは人間が最も嫌うものの典型の1つつである。
尤も、こういう現象があるということを表せれば、生きる上での必要条件は満たすであろうが
何か人間本性を映したものかもしれないと思って、原因を推察してみたくなった。

その原因として思いついたのが、以下5つだった。

①不慣れな環境にいるから
動物は不慣れな環境に入れられるとストレスを感じるらしい。
経験上、入学式のクラスなんかは異様な心持ちがするようだし、
例えば、未踏のジャングルの奥地に急に放り投げ出された等と想像するだけでも、そのストレスは異常なことが分かる。
故に、普段慣れていない人混みという環境にいることにストレスを感じた為に、気持ち悪くなる。

②空気
人が多く集まれば、それだけ空気の酸素濃度が薄くなる。
また、それだけ様々な匂いがごちゃ混ぜになる。
こうしたことへ自己防衛的に身体が反応する。

③人格スクランブル
自分とは人格を持った自己であり、
他者もまた人格を持った他己である。
人は相手を思いやったり、相手の立場になって考えたりする、つまり、他人にとっての自己を自分にとっての自己に移入するが、
そういう心理的現象があまりに多数に対して働くが故に、計算の処理が追いつかなくなるのかもしれない。
勝手に「人格スクランブル」と斜って名付けてみたが、
単純に気を遣い過ぎるから、とシンプルに説明出来るかも。

④未知の氾濫
人間は未知の対象に対して不安を抱く(キェルケゴール『不安の概念』)が、
他己という未知が自分の周りに溢れている状態、行き交う不安に晒され続ける状態に対して、心理的疲労感のようなものを覚える。

⑤群衆への拒絶反応
自己は本来的に自己がより確立されていくことを望む(自分らしさを望む)っぽいが、群衆のうちの一粒である状態への反感、あるいは、心理的・身体的(であれば真に本来的な)拒絶反応。

①は満員電車等に慣れなかった過去もふまえて、あまり当てはまらなさそうだが、
実際にはこれ以外の原因も含めて様々なものが、「人の多い所へ行く気持ち悪さ」を構成するのだろう。
そして、そういう訳で、この「気持ち悪さ」を言語表現することに難をきたすのだろう。

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