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株式会社を10年経営してみて学んだこと

2024年8月8日、株式会社アワセルブスは創業10周年を迎えました。

十年一昔とも申しますし、十年一日のごとしとも申します。この10年を一言で表すとしたら、色々なことがあった一瞬という印象です。

個人事業主として3年半してから法人を立ち上げ、10年経営してきてようやく自分なりのフォームが見えてきた気がしています。

特に失敗から学んだうまくいかないやり方については、同じ轍を踏む人が一人でも少なくなるように、あえてここで共有しておきたいと思います。

志が一致していない組織はうまくいかない

設立当初、私の他に取締役が二人いました。

そのうちの一人が出資をしてくださる方を連れてきてくれて、法人やったことないからやってみようという、ノリと勢いだけでスタートしました。

当時、システムエンジニアだった私は、作り手として面白がれるかどうかを基準に仕事を選んでいました。

一方で、出資者を連れてきた取締役は、売上を上げることや会社をスケールさせることに意欲的でした。もう一人はマイペースな人でした。

設立当初の事務所兼ラボ

目指している方向がバラバラで言い争うことも多くなり、次第にお互いを信頼できなくなっていきました。

結局、何のシナジー効果も生むことはないまま3年が経過し、自己資金で株式を買い戻して二人には退任してもらいました。

共同経営あるあるなのかもしれませんが、志が一致していないと組織はうまく機能しないということを学びました。

ただ、この誘いがあったことによって、今のスタッフに出会い、ファブラボやまぐちという事業を始めることができました。

2人には感謝しています。

お金のために無理をするとうまくいかない

株式を買い戻した後は、お金に苦労する時期が続きました。

当時、家賃と人件費だけで毎月200万ぐらいの支出がありました。売上が年間2000万円いかないぐらいでしたので、どう計算しても赤字です。

家賃を払わないといけない、給料を払わないといけない、支払いをしないといけない…でも現金がない。

減り続ける残高を見るたびに、まるで金縛りにあったかのように痺れて、頭も体も動かなくなりました。

「貧すれば鈍する」とは良く言ったもので、資金が足りないという状況は心を貧しくします。びっくりするほど、お金以外のことが考えられなくなってしまいます。

現物件へ引っ越したばかりの頃

思考がどんどん短絡的になり、カードローンでその場しのぎの資金調達をしたり、投機案件に手を出して失敗したりと、勝手に自分で自分の首を絞めていきました。

やがて、無理をして引き受けた専門外の案件でトラブルを起こし、補償金を捻出しなければならなくなり、会社はいよいよ窮地に立たされました。

私は恥を忍んで、独立当初から取引を続けてくださっていたK社長に泣きつきました。

K社長は制作費を数年分先払いすることを提案してくださり、おかげでどうにか倒産の危機を乗り越えることができました。

K社長には本当に感謝しています。

ストックを作らないとうまくいかない

K社長は、小さな仕事を積み上げていくことの大切さを教えてくれました。

事業には、都度取引を行って売上をあげるフロービジネスと、毎月継続的に固定収入を得るストックビジネスがあります。

当時、固定費を嫌うお客様のために良かれと思い、イニシャルコストのみのフロービジネスで提案をしていました。

しかし、K社長からアドバイスをもらってからは、少額でも毎月積み上げていくことを意識して、保守契約を提案するように努めました。

徐々に保守運用の売上が増えてきて、売上全体に占める割合が制作費よりも多くなった頃、会社が安定してきたのを実感できるようになりました。

現在の事務所兼ラボ

そこでようやく、自社の土台がしっかりしていなければ、お客様のためになり続けることはできないのだということに気付きました。

そして、継続的に費用をいただくというのは、結果的にお客様のためになることであり、そのような取引先を増やしていくべきだと考えを改めました。

近年はさらに一歩進んで、成果に貢献できる制作会社にシフトすべく、お客様の利益をあげるために伴走支援するという提案を増やしています。

もちろんフロービジネスも大切ですので、新規のご依頼お待ちしてます。

何事も当事者になって経験しないと分からない

上記のことは、ビジネス書やネット記事などによく書かれていることで、「当たり前だろう」と思われる方もいらっしゃると思います。

ですが、いくら情報として得ることはできたとしても、当事者になって経験してみないことには、なかなか腹落ちしないものです。

いろいろと失敗して、多くの学びを得ることができた10年間でした。

とはいえ、まだまだうまくいかなさはたくさん感じているので、より良い会社にできるよう改善していきたいです。

これからも更なる安定と成長を目指して、地に足をつけながらも新しいことに積極的にチャレンジしていこうと思います。

今後ともよろしくお願いします。

では。


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