1970年代からの政治的メッセージの強い現代アート~肉の本やマリファナネックレスなど
ブラジルの美大の先生から教わったブラジルなど南米出身アーティストの作品をご紹介です。1970年とか50年前にこんなことをやってたとしたら、今の自分はぜんぜん進化してないなぁと思い知らされましたよ。
コカ・コーラプロジェクト
Cildo Meirelesのコカ・コーラの空き瓶再生プロジェクト。1970年頃のプロジェクトなんですが、この頃のブラジルは軍事独裁政権時代でした。Cildoはコカ・コーラの空き瓶に白い文字を「足して」リサイクルにまわしました。飲み物が入ってないと白い文字が見えないので、瓶はそのまま再生され、中身が入るとくっきり内容が見える状態になり、そのまま売られるという。
書かれてる文字は‘Which is the place of the work of art?(アートのための場所はどこ?)’など。
✓ 参考リンク Insertions into Ideological Circuits: Coca-Cola Project 1970
ブラジルの最高峰が1センチずれました
同じくCildoの作品で、ブラジルの最高峰の山の「最高峰部分」の1センチ隣りに石をくっつけて最高峰を1センチずらした作品があります。作品名がわからなかったんですが、この行為のおかげでブラジルの「最高峰」が1センチずれてしまいました。
Clidoはほかにも、キラキラ光って素晴らしい世界を表した球体を奴隷たちが下でまわしている作品や、まったく価値がない巨大な箱と非常に高価な金の釘(釘が作品の価値を上げている主なもの)みたいな作品をつくっています。
100万冊のフィンランドのパスポート
チリ生まれのAlfred Jaarによる作品で、100万人の移民がフィンランドに行ったことを表した作品です。実際の作品ではパスポートはレプリカだったみたいですね。
✓ 参考リンク ONE MILLION FINISH PASSPORTS, BY ALFREDO JAAR
展示場で吸えるマリファナネックレス
マリファナのネックレスをつくったのがLourival Cuquinha。ブラジル人のアーティストさんです。マリファナでできてるんですが、見た目がネックレスなので誰もきづきません。展覧会場で吸うこともできるやつですね。マリファナの使用はブラジルはもともとダメだったんですが、医療用のみはOK。2020年現在、徐々に合法化が進んではいるみたいですね。
✓ 参考リンク LOURIVAL CUQUINHA
Tom Sachsのハンドメイドガン
日本での展覧会のオープニングでお会いしたこともあるトム・サックスさん。ユーモアたっぷりかつ、なんかちょっと不完全にズレたようなちゃんとしてない感じの作品がとても魅力です。攻撃力が低そうなハンドメイドの銃をたくさんつくっていて、政府に売ったんだとか。
✓ 参考リンク Tom Sachs
肉でできた本
Artur Barrioがつくったのは肉でできた本。ぺらぺらめくるのなんかすごいですね。
✓ 参考リンク ARTUR BARRIO(Galeria Millan)
1950-70年代の作品は割と政治的なメッセージが強いものが多い気がします。それだけ、アーティストの生きる環境が政治と無関係ではなかったとうことかなと。現代を生きる私たち1950-70年代の作品は割と政治的なメッセージが強いものが多い気がします。それだけ、アーティストの生きる環境が政治と無関係ではなかったとうことかなと。現代を生きる私たちが未来に遺したいメッセージはなにか。私は社会を治療する医療を遺したいと思っていますが、どうやって伝えたらいいかは、今もこれからもずっと模索中ですよ!
✓ 合わせて読みたい ブラジルの美大の先生に現代アートのトレンドや活発な都市について聞いてきたよ。 ブラジルの新具体主義(ネオコンクレティスム)を支えた3人のアーティスト
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