見出し画像

【アート企画】陰を生まない光~ネガティブとポジティブが同時に存在するとしたら

ALSという難病の支援をつづけている「せりか基金」というファンドがあります。

物語が現実に影響を与えているところがとても好きで、私も2020年1月から月額支援をつづけているのですが、同時に毎月2点のアート企画を考えて、支援額と同じ金額で販売しています。

実は11月が1回しかできてなくてですね、、忘れていたわけではなく、なかなか思いつかずにズルズルしてしまってました。そんなわけでこちらは11月の2つ目分になります。

【アート企画タイトル:陰を生まない光】

文字の影を浴びるっていう7月の企画の発展形なんですが、具体的にモノがつくれそうなやつです。

ALSの方のコミュニケーションを手伝ってくれるOriHimeっていうロボットがいることを聞いたんですね。

目の動きでOriHimeを動かすことで、周りの人とのコミュニケーションを可能にするっていうものです。70人以上のALS患者さんのところに取材に行った結果、「孤独の解消」というのがとても必要なことだと感じ、OriHimeの開発に至ったというのがある動画で紹介されていました。

割と小さい頃から病院にお世話になってた私としては、病気に対してそんなに悪いイメージがないんですね。大変だなぁって思うことはありますが、医療技術のおかげでコントロールできるようになったものもかなり多いですし。また、病気があるおかげで言い訳ができることは、時にメンタルに優しいこともあるんじゃないかと考えています。もちろん、感じ方は人によります。

短所は長所にもなるし、長所は短所にもなるってよく聞きませんか。病という状態も、視点を変えたらそのおかげで助けられていることもあるんじゃないかと思っているのです。というのも、病気はそもそも、生きるための身体の反応だったりするので。

画像1

強い光があると、影も強くなるっていう言葉を聞いたことがありました。どことなく、光のほうがポジティブなイメージで、影はちょっとネガティブなイメージです。

ブラジルの先住民グアラニー族のところで儀式を経験させていただいたことがあるのですが、彼らの考え方は陰陽の考え方に近くて、ポジティブなエネルギーとネガティブなエネルギーを対等に大事にしようという考え方なのです。

病気の時ってそこそこメンタルも弱りやすいかなっていうのが、経験的に感じることですが、考え方を変えると、ゆっくり休んでいいかって思える時期でもあります。

強い光のような人やできごとに出会った時、自分は影であるかのように感じてしまうことがありました。分かりやすく言うと劣等感です。それは、「できない」状態にフォーカスしてる状態と言えるかもしれません。マイナス面ばかりを考えてしまうと影は辛くなります。それなら、短所としての影を生まない光ならどうでしょう。

画像2

本作は「文字」が刻まれたランプで、部屋全体を文字によって照らします。文字は影によってつくられており、光にフォーカスすれば文字は影になりますが、文字を描くことにフォーカスすると、影の部分が文字で光が背景になります。

病室を影の文字で満たした場合、その部屋にいる人みんなが文字の影と光を感じます。言葉の代わりに、同じ場所に存在しているというお互いの「存在」だけでコミュニケーションします。

コミュニケーションは、人によって得意・不得意が大きく分かれるんじゃないかと思っています。練習してうまくなることもあるけど、その分、見える部分以外でのコミュニケーションが言葉や表情の裏でいつも起こっていることを、私たちは忘れているかもしれません。

サンプル作品は小型ですが、この企画では部屋全部を文字で覆うほど大きなものを考えています。企画をご購入いただいた方には、試作作品の写真の裏に企画のコンセプトを書いてお送りします。

せりか基金に直接支援したいよ、という方はこちらからどうぞ。

コンセプトが違うものは別の作品として考える

見た目が似ていても、作品の屋台骨であるコンセプトが違う場合、私は両者を違う作品だと考えます。(現代アートは基本的にそんな感じです)

この場合、見た目の物体が同じでコンセプトだけが違う無数の作品をつくることも可能だったりします。そういうところは、現代アートの好きなところだなぁって私は考えています。外観だけでなく、中身を見ようとする現代アート鑑賞のおもしろさがあるからですね。

12月分のあと2点も、追って考えます!



ここまで読んでくださってありがとうございます! スキしたりフォローしたり、シェアしてくれることが、とてもとても励みになっています!