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#コルクラボマンガ専科 特別講義~美の型を覚えれば質の高いオリジナリティのある作品がつくれる

コルクラボマンガ専科という物語表現の講座を受講中です。特別講師の山田ズーニー先生の授業が素晴らしく、またその著作もとてもおもしろかったので、今日は著作と講義内容をもとに、自分が学んだことを整理してまとめていきます。

「型」を覚えてからのほうが、質の高いオリジナリティあふれる作品を早くつくれるようになる

第3回目の講義でとても勉強になったことは「型」を学ぶことの重要性です。スポーツをやる時も、楽器を演奏する時も、何をする時にも最初に「ボールの蹴り方」とか「正しい吹き方」みたいなことを習うと思うのですが、創作になるとつい、「やり方」から試行錯誤してしまいがちです。

でも、演奏したい人が、トランペットを吹くための口の形から模索していると、めちゃくちゃ時間かかっちゃうんですよね。先人がすでに試行錯誤してたどり着いた「型」を使い、基本型に当てはめて作品をつくるほうが、オリジナリティあふれる作品をつくれるよ、っていうのが、講義での一番の学びでした。早く成長したい場合は、型を丸暗記するところから始めたほうがよさげです、まじで。

それでは、参考図書であるこちらの本から、特に学びになったところを、自分の感想と共にまとめていきたいと思います。本当にいい本なので、ぜひご一読をお勧めします!

1)文章の7つの要件

①意見
②望む結果
③論点
④読み手
⑤自分の立場
⑥論拠
⑦根本思想

文章を書く時に意識すべき要素、といったところでしょうか。これは「話す」というコミュニケーションの時も同じだなぁと思ったのですが、一番勉強になったのは「望む結果を明確にすること」です。

ただイライラをぶつけ合うようなコミュニケーションをしてしまったことって、誰でもあるんじゃないかなって思うんですが、そういう時って「コミュニケーションによって望む結果」を自分で明確にしてなかったなって気づいたんです。

イライラしたくないなら話すのをやめればいいし、分かってもらいたいなら分かってもらえるような話し方をしないといけない。望む結果が明確でないから、堂々巡りのようなコミュニケーションをしてしまうんですよね。イライラした時には思い出したいです。

2)テーマと論点は違う

テーマ:男性ファッション
論点(タイトル):なぜ、日本男子はカジュアルか?

テーマと論点って、具体的に何が違うのかと言われると、なかなか答えられないんですが、これを読んで、テーマは話したい内容のジャンル(カテゴリー)みたいなもの、論点は「問い」だと理解しました。

3)論点と意見は呼応する

論点(問い):当社の敵はだれか?
意見(答え):変革を恐れる社員が当社の敵
「問い」を意識してものを読む、ものを書くという習慣をつけるとよい。

文章の基本は「問い」「答え」「問い」「答え」の連続になっています。どんな文章を書く時も、相手はどんな立場か、自分は相手に対して何を伝えたいか、、これまで、なんとなく文章を書いていたので、あんまり「問い」というものを意識していなかったんですが、自分の文章は誰のどんな問いに答えようとしてるものなのか、あるいは自分が読んでいる文章は、自分のどんな問いに答えてくれるものなのか、というのを意識して読むと、より理解が進むかもしれません。

本の読み方について、こんな記事があります。

最初から最後まで、全部の文章を読もうとしないといいよっていう話で、どういう読み方をするといいかっていうコツが書かれています。これも、「自分が何を知りたいか」という問いから本を読み始めていて、自分の知りたいことに答えてくれている箇所を探して読む、みたいな読み方なんですよね。

役に立ちそうだから読むのか、作品の世界に浸りたいから読むのか。自分がなぜその本を読むのか、というのが明確になると、そもそもの読む姿勢が変わりそうです。

4)論点を決める

論点を決めるには次の点を考えるとよい。

①自分に切実な動機がある問いか?
②読み手の要求にかなっているか?
③自分の力量で扱いきれるか?
④社会的に見て論じる価値があるか?

問いに関しては、こちらの記事も分かりやすいので参考にどうぞ。

毎日3分、自分の課題に対する「問い」をひたすら出していくことで思考力が上がるそうです。自分が描きたいテーマ、キャラクターについて、深堀りするための「問い」をひたすら出していくと、自分でも気づかなかったことに気づくことができます。

論点を決めるっていうのは、とても難しい。この文章は「講義を受けて、その内容をしっかり理解したい」という動機から始まって書き始めています。読み手のことはあまり考えていません。自分の筆力いかんにかかわらず、自分のために書いています。社会的価値はちょっと分からない。

ただ、書くということは、同時に「考える」ということであり、考える力をつけるというのは、どんな職業であれ、何歳であれ、自分自身を自分で導くための強い助けになるのだと感じています。

5)相手の側から見る

相手の原稿や著作をたくさん読んでいる自分は相手の内面を知っているので相手を信頼しているが、相手が自分のことをよく知らなければ、相手からは信頼されていないと気づく。

ネット上の有名人や、自分の大好きな作家について、自分自身はよく調べているので、相手のことをよく知っています。自分が知っているからこそ、相手と自分の距離がすごく近いように感じてしまう。でも、相手からしたら、自分は大勢いる中のファンの一人にすぎないんですよね。

持っている情報量の違いで、つい相手に対して親しく踏み込もうとしてしまう。それは逆の立場でもありえることなので、距離感というのは気を付けたいなと思いました。

6)相手に理由を聞く

相手がその意見を出したい理由はなんだろう? 相手の理由を聞くことを怠らないこと。相手にもいろいろ考え尽くした行動の理由があると思うので、そこをしっかり伝えること、聞いてもらえると、相手との信頼関係がしっかりつくれそうだなと思いました。長く関係をつくりたいと思う人の場合には

7)短く伝えられるか

短く言うということは、大事なものだけ残して、あとは全部棄てること。短く言えないということは、大事なことの順番が自分にもわかっていないということ。

マンガとかWebtoonとかやってると、セリフ量やト書きの量はとても考えるので、めちゃくちゃ分かります。ちょっとした要素を追加するだけでも、情報量が増えて読者に伝わりにくくなったり、重要な要素が伝わりにくくなったりする。

世界観設定をしっかりつくっていると、それをすべて伝えたくなってしまうんですが、一番重要なことを伝えるために、捨てるというのは、人に伝えるためにはとても大事なんですよね。

あと、ズーニー先生の授業で「最初に結論(一番言いたいこと)を言う」みたいなのを習ったのですが、これはとても効くなぁと思っています。「私は話すのが苦手で…」「まだまとまってないんですが…」とかを言ってから話し始めてしまう癖がすでについてしまってるんですが、これがあると、自信のなさみたいなのが最初に伝わってしまって、一番伝えたいことがうまく伝わらないんですね。

最初の一言で一番言いたいことをバシっと言う。あるいは、引きになる言葉をバシッと言う。マンガを描く際にいくつかこれを意識して描いたものがあるんですが、そういう作品は割と読者からの反応もいい気がしています。

分かっていてつい忘れてしまう「最初の一言」。もっと意識して発信していきたいな。

8)偽らない文章を書く

自分の腑に落ちるまで、自分の生き方にあった言葉を探し、言葉を発見し、自分を偽らない文章を書くことによってのみ、読み手の心は動く。

うわべの言葉がどうあれ、自分の根本思想が相手に伝わるのだというのは、痛感しました。「ありがとうございます!」って言ってても、「話を終わりにしたいありがとう」なのか「本当に感謝してるありがとう」なのかは、言葉が同じでもやっぱり、相手に伝わってしまうものなんですよね。

文章を書く時、発する時には、自分の根本思想が何かを常に監視しておくべきなのかもしれません。ネガティブな根本思想が見つかった時には、発するタイミングを考え直してもいいかも。

長くなるので、残りは有料記事にしてたたんでしまうのですが、著作はとても分かりやすく、文章を書くだけでなく、コミュニケーションの秘訣も含んだ本なので、ぜひ読んでみてください、超おすすめです!

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