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親を超えたいと願う若者

最近、若い人と話す機会が増えてきました。
なんだかんだと言って、親の庇護にあった立場から、自力で社会に乗り出そうとする段階に達し、不安で、でも、希望が満ちていて、どんな未来でも描ける自由を手にしている輝きを放つ若者たちです。

恋愛に傷つき、親に失望し、社会にもみくちゃにされても、歯を食いしばって「何くそ!」と立ち上がろうとする姿の陰で、地中に深く深く根を張っているのを感じます。
特に、親子関係は、彼らを縛りつけ、その鎖を解いて自由になりたいと、もがき苦しんでいる事が多いです。

人は誰でも、成長する時は、親を超える必要があります。
適度に気張らせてくれて、でも、超えやすい親であってくれればいいのですが、中には、小さい頃から押さえつけられ、恐怖を与えてきた親を持つ若者もいます。
その場合、成人に達しても、親殺しには相当な力を必要とするのです。

幼い時から、とてつもなく大きな存在として、自分を守ってくれていた親が、今度は、自分の成長を阻む鎖となって、心の自由を奪っていく。
苦しくて、もがくのですが、一方で、とても大きく成長を遂げている。
逃れられない「親」という存在を、受け入れ、超えていく事でしか、心を自由にさせることはできないと悟り、前進していくのです。

そんな姿を見ると、わが子でなくても「頑張れ」とエールを送りたくなります。
子どもは親を選べない。
だったら、その運命すらをも肥やしにして、どこまでも根を張り、青々とした葉を茂らせる巨木に成長させる、そんな希望を抱ける社会にしてあげたいと思うのです。

苦しい時こそ、素敵な出会いが待っている。
恋愛であれ、仕事であれ、社会に一歩踏み出したら、素敵な大人たちと出会える。
若者にとって、希望あふれる社会というのは、希望を与えてくれる大人が溢れていることなのだろうと思います。

鶯千恭子(おうち きょうこ)


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