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担任の指導タイプによる学級の様子のちがい

PM理論という考え方があります。心理学者である三隅二不二による研究です。教師のリーダーシップのとり方によって子どもたちの集団にどのような差が出るかを数値と比較で示してくれます。


PM理論は二種類の観点からリーダーシップを測る

・P機能(performance)
・M機能(maintenance)

この2つの観点の大小をそれぞれ測ることで、担任のリーダーシップのタイプを決定します。P機能とは「学習目標を決め子どもが目標や基準に基づいて行動するよう方向づけるための行動」。M機能とは「コミュニケーションにより子どもの心境を理解把握し情緒の安定に努める行動」のことです。


リーダーシップの4分類

担任のリーダーシップのタイプは次の4種類に分類されます。

①PM型
P機能とM機能の双方が高いリーダーシップ

②P型
P機能は高いがM機能に欠けるリーダーシップ

③M型
M機能は高いがP機能に欠けるリーダーシップ

④pm型
P機能とM機能どちらも欠けるリーダーシップ


望ましいリーダーシップとは

PM理論の研究の結果、学習集団により良い影響を与えられるリーダーシップのタイプは、上から順にPM型>M型>P型>pm型となります。


研究で測定された学習集団の観点は次の4つ。

・学級連帯性
・学校への不満
・学習意欲
・規律遵守の意識

PM型に近づくほどこれら4つの傾向は良い方に強まり、pm型になるとそれぞれ悪い影響が見られます。

M型とP型の部分では、M型の方が比較的望ましい結果が得られています。


個人的な意見、感想

ざっくりいうと、M型は子供と関係を作り心を診ることができるが学習指導や統率に欠ける担任、P型は学習指導や統率に強みを持つ反面子供と距離を置く担任という感じに言えるのでしょうか。


新人時代って、いきなりPM型みたいな教員にはなれませんから、必然的にP型かM型のどちらかへ流れていくことになります。自分はそこで思いっきりM型に流れました。P型っぽい先生からは「甘い!」「ちゃんと怒れ!」「子供は怒られるのを待っている!」なんて言われながら歳を重ねました。


今でこそP型の機能もかなり意識して担任業務にあたれるようになってきましたが、やはり自分のバックボーンはM型の機能なんだろうなと思います。


たぶん若い先生がP型傾向かM型傾向かは、先生自身の性格との相性もありますから、どっちに流れても良いんだと思います。ただ、この理論を知っておくことで、将来的に自分がたどり着くべき理想の教員像を持っておくことができます。ゴールが見えていると、自分の足りない部分を意識したり、強みを把握したりできますからね。


ぱっと見、かた~いイメージのあるこういった研究や理論、さらっとでも知っておくことで、担任のプレッシャーや悩みみたいなものがいくらか解消されると思ってます。

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